「値上がりするマンションを多く造り出す売主はどこ?」
- 2011.07.05
- 値上がりマンション
ブログテーマ:元、大京マンが業界の裏側を知り尽くした目線で、マンション購入に関する疑問や諸問題を解き明かし、後悔しないためのハウツーをご紹介・・・・原則として、毎月5と10の日に投稿しています。
「三井健太のマンション講座(http://mituikenta.web.fc2.com)の中に「購入時より高く売れるマンションの選び方」というのがあります。その中に、6つの条件を挙げ、「条件6は、番外編のようなものですが、“財閥系売主”、“スーパーゼネコンによる施工”なども、価値を上げる要素になっています」との記述があります。
そのことを裏付けるデータを見つけました。そのことについて書くことにします。
●三井健太の著作「元、大京マンが明かす、ライオンズマンションの秘密」好評発売中!こちらから
●三井健太の著作「マンション購入の悩み・疑問、何でも解決事典」好評発売中!こちらから
ある調査会社が、首都圏の中古マンションの売買事例と、そのマンションの分譲時の価格を比較し、差額を金額と%で表わしたデータを公表しています。その表の上位には、三菱地所を筆頭に、ずらりと有名デベロッパーが並んでいます。
三菱地所(現、三菱地所レジデンス)は、年間供給数(新規発売マンション戸数)では、大京や三井不動産レジデンス、住友不動産などより少ない方ですが、都心の高級住宅地など立地条件を厳選して開発して来たことで知られています。
(藤和不動産との合併によって、今後は方針が変わりますが)
稀少価値の高い高級住宅地などでは、値崩れしにくい物件が多いという事実がありますから、三菱物件の多数が分譲時の価格を上回る結果を生んでいるのでしょう。
つまり、三菱だから値上がりしたのではなく、立地条件がいいから値上がりしたとも取れるわけです。しかし、同じように高級住宅地を中心に供給して来た中堅某社の場合は、上位にランクされている方ではあるものの、10位以内にやっと顔を出している程度なのです。
ということは、やっぱり三菱の看板効果は大きいということでしょうか?
一方、郊外立地も積極的に供給して来たからでしょうか、三井不動産(レジデンシャル)は、第5位と三菱より下にランクされています。それでも、分譲時の価格を上回る平均取引価格になっています。こちらも、やはり看板効果なのでしょう。
上位数社は、平均数値が分譲価格を上回っており、10位でも分譲価格から2%も下がっていないという結果になっています。データをよく注意して見ると、平均築年数が5年未満となっています。ということは、比較的新しい中古マンションの取引データだけを集計しているのでしょうが、それにしても中古の平均価格が新築時を上回っている物件ばかり、ずらりと並ぶ売主のネームバリューはさすがと思わせるものです。
●全国の物件検索と資料のお取り寄せはこちらから可能です●
マンションのような高額商品では、簡単に返品や買い替えるというわけにいかないだけに、慎重な購買態度になるのが普通です。最近は大地震の影響もあって、建物の耐震性や耐久性などに格別の懸念を抱く買い手が増えています。
しかし、外から見ただけでは、耐震性も耐久性も簡単に分かるものではありません。また、瑕疵とは、隠れたキズというほどの意味ですが、これは発見が難しく、何年も経って偶然に発見されることはあっても、大半は大きな事故や天災が来るまで表面化しないものです。
中古マンションを買う人から見ると、どこかに瑕疵があるのではないか、震度4や5では大丈夫だったかもしれないが、仙台市並みの震度7が来たらどうなっていただろう?そのような事は分かりようもないのです。
建築基準法に従って適正に建築されていれば、一応は大丈夫かもしれないが、果たして施工は設計図どおりにきちんとなされたのであろうか?その監理は厳しく行なわれただろうか?そんな疑問に一応の答えをくれるのが売主のネームバリューです。言い換えれば、長年の経験と実績がもたらす企業としての信頼感です。
勿論、施工するゼネコンの技術力や自己管理能力なども重要ですが、それを発注者として監理するのが売主でもあり、結局は売主への信頼こそが決め手になるのです。
メイドインチャイナの電化製品でも、現地の合弁会社に技術を供与し、製造過程を日本人スタッフが常駐して監理している日本ブランドであれば、日本人は信頼して購入します。
マンションの場合、それとは少し違うのですが、売主が〇〇だからというのは、やはりマンション選びの決め手のひとつであり、これは中古マンションの場合もあてはまると言ってよいのです。
ブランド力・売主の信頼度が購買決定の何%を占めるかなどという話はできませんが、大きな位置を占めることは間違いありません。
個人所有者が中古市場に売りに出したとき、信頼される売主が建てたマンションでない場合、購買を見送られてしまうかもしれません。そうなると、買い手を探すのに手間取り、時間があまり長くかかるようなら、値を下げるしかないかもしれません。
その意味で、購入時にできるだけネームバリューの高いブランド物件を購入しておいた方が将来も安心、売却も有利という結論になるでしょう。
勿論、マンションの価値を決める要素は、他にも多数あるわけで、ただ有名売主の物件だからというだけで選んだのでは、本末転倒ということもありますが、売主名は大きな要素であると覚えておきましょう。
●業界関係者向けの参考書と情報のページ(別サイト)はこちらから
・・・・・・今日はここまでです。ご購読ありがとうございました。「三井健太のマンション相談室(http://mituikenta.web.fc2.com)」では、只今、無料の「マンション簡易評価書」をご提供中。ご検討物件でお試し下さい。
<<<追伸>>>「三井健太のマンション相談室」では、マンションの基礎知識を分かりやすく解説した「WEB講座」を公開しています。「地震関連の講座」、「マンションの遮音性」、「新築と中古マンションの対比」、「値上がりするマンションの選び方」など全部で現在49講座あります。お好きな講座・興味ある講座のみを拾い読みすることが可能です。是非ご利用ください。
また、業界OBが今だから伝えられる「マンション選びのハウツー“50”」(電子書籍)が完成しました。ブログをご覧頂いている皆さまに無料で進呈します。
ご希望の方は「三井健太のマンション相談室」で応募要領をご覧の上でお申込みください。