都心はバブル状態。危険!!

ブログテーマ:マンション業界出身者が業界の裏側を知り尽くした目線で、マンション購入に関する疑問や諸問題を解き明かし、後悔しないためのハウツーをご紹介・・・・原則として、毎月5と10の日に投稿しています。

1年以上前から感じていたことですが、都心の物件でびっくりさせられるのは、価格が異様に高くなったことです。

「物件の評価レポート」を書くに際して価格調査をして行くと、相場から2段跳びどころか5段跳びくらいの驚愕の価格になっているものが増えています。

一例や二例などなら「例外」で片づけることもできますが、港区・中央区・千代田区など都心で過去の常識的な価格、例えて言えば過去5年間くらいの平均価格から3~5割も高い物件がたびたび登場して来ました。

ここまでは、このブログで何度も述べて来ました。

今日、そこに付け加えたいのは、高値にも関わらず、それらは「即日完売」の好成績を収めているということです。

評価サービスのための調査なので、物件価値を見るのが主たる狙いですが、これらの大半が
「普通レベル」か、良くて「中の上」程度の建物でしかなく、ただただ立地条件が「都心の有名アドレス」にあるというだけなのです。

ビルの谷間のようなロケーションで開放感はなく、隣のビルからの覗きを心配しなければならないような物件もありました。 比較的広い道路に面して開放感はあるものの、周囲は業務施設ばかりで、しかも中小の古いビルばかり、雑多で侘しげな街並みとでも言えば良いか、住環境としてはいかがなものかと言いたくなる立地でした。

都心ですから大型スーパーはないものの、少し歩けば大手デパートや老舗の有名小売店、洒落たレストラン、カフェなどが軒を連ね、華やかな街が迎えてくれます。 勿論、最寄りの鉄道駅は複数あって、どこへ行くにも便利な、その意味では都心の中の都心と言って良いような利便性を誇る物件ばかりです。

誰もが知る、ひょっとして外国人にも良く知られているアドレスを持つ物件、もしくはその駅圏にある物件が、異常とも思える高値で売り出され、かつ好結果を得ているのです。

評価サービスの結びに、「その価値に見合うとは思いません。それでもこの立地を高く評価し、利便性を買う人は多いでしょう」と書き加えたこともありました。

さらに、「高値掴みの感が強いですが、それでもここに住みたい、この便利な都心ライフを満喫したいとするなら、その当人にとっては値打ちがあるはずです。 しかし、将来リセールするときに期待外れの公算が大きいと予測します」と付言しました。

結果の多くが平均抽選倍率2倍前後、住戸別に見れば5倍以上の倍率がつき、即日完売したと調査会社は発表しています。

筆者は、これはバブル現象以外の何物でもないなと感じて来ました。

●バブルが生むもの

日本経済がバブルと言われた1980年代後半から1990年代初頭、不動産と株は「買うから上がる。上がるから買う」という循環を生み、永久に右肩上がりとなるかのような錯覚を多くの日本人にもたらしました。

このころ、不動産業者の多くが「土地ころがし・マンションころがし」に手を染めました。短期間に土地は暴騰し、まともな業者、一般個人が手を出せるレベルではなくなって行ったのです。

最高学府を出たエリート集団の都市銀行さえ、右肩上がりを信じ、膨らんだ資産価値と、さらに膨らむであろう不動産価値を担保に多額の融資を競って実行しました。

マンションを買った一般個人の多くは、大きな値上がりを体験しました。タイミングや購入した物件・場所によって差はあるものの、短期間に我が家が2倍、3倍になったことで驚いたものです。

しかし、現に住んでいる家の値段が何倍になろうと、何の得もありませんでした。むしろ、固定資産税がアップしたことで苦々しく思った人もあったはずです。

一方、売却した人は、高値に驚くとともに手にした金額に喜び一杯だったことでしょう。ただし、その資金でもっと良い住まいを手に入れようとすると、郊外のまだ値上がりの波が及んでいない街へ行くほかにありませんでした。 

売却した場所の近くは同じように値上がりしていたため、売却して得た金銭に(新たなローンなどで)プラスしなければランクアップした家は買えなかったからです。

一方、バブル期に高額な住まいを購入した人は、その後の極端な値下がりを体験することとなりました。自宅以外に投資目的でマンションを買い求めた人も少なくありません。

何かの事情で売りたいとなったとき、現実の厳しさにぶつかりました。売却して得る金銭では住宅ローンの残債を清算できないことを知ったからです。いわゆる追い銭が必須でした。期待は見事に裏切られたのです。

バブル経済、一体あれは何だったのか? そんな疑問がバブルの去ったあと検証されました。

「バブル経済とは実体のない落語の花見酒のようなものだった」という分析もありましたが、明快な答えは見つからずじまいだったと記憶しています。

浅学非才の筆者にはよく分かりませんが、バブルが人々に幸福をもたらしたという話は聞きません。

今回の不動産バブルが前回のそれとはスケールも質も異なるものであるのは間違いないのですが、それでもバブルの中に飛び込んでしまいそうな人が大勢いることも確かです。

筆者に人の行動を止める権利も力もありませんが、せめて、都心のマンションを検討している人に、冷静で慎重な判断を求め自制を祈念するのみです。

●バブルがはじけるとしたら、そのきっかけは?

ところで、このバブルはどこかで止まるはずです。止まると言うより弾けると表現すべきかもしれません。

そのきっかけは、中国人の投資買いが消滅するときかもしれないなあと思ったりします。

国際的に見て東京のマンションは割安というのが外国人の投資理由なのだそうです。その観点では、上がり過ぎれば意欲は後退するときが来るでしょうし、価格に無関係に投資意欲がなくなること、言い方を換えれば投資ができなくなる事情が発生するのかもしれません。

中国という国は、社会主義国でありながら市場経済を導入して成功し、GDP世界第2位に達する成長を遂げました。 しかし、その経済構造は日本とは大きく異なります。

私たちには想像もつかない強力な政府・共産党の統制、もしくは誘導が経済に、金融市場や投資市場に加わっていると言われます。従って、日本人の常識では計り知れない市場の動きがあるとされます。 

中国に限らず、世界では私たちの知らない所で、ある日突然想像もできない出来事が起きたりします。日本には直接関係ないようなことでも、それが引き金になって世界を動揺させ、日本にも波及して来ることがあり得る時代です。

極端な高値のマンションには手を出さない方が安全、そう筆者は思います。

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