太陽光発電マンション

7月28日の日経新聞に載った記事である。「オリックス不動産や大京が設置。電力、各戸で利用」とある。これまでと違うのは、エレベーターなどの共用設備に利用する程度だったのが、各家庭の電気を賄うレベルの内容になった点である。おそらくは追随する業者も今後は増えるはずで、ついにマンションにも導入の動きが活発になりそうに思う。発電した電気は電池に蓄えられる形式のようだから、非常用電気としても使えるようになるのだろうか。書いてはいないが、多分そういう使い方も可能のはず。ユーザーからみたら大変結構なニュースではある。
 ただ、それによって分譲価格がどのくらい跳ね上がるのかが、気になるところだ。
 残念ながら、新聞はそこに触れていないが、戸当たりで100万円も上がってしまうことはないだろうと、推測する。仮に100万円高くても、何年分か分からないが、電気代の節約分でお釣りが来るに違いない。

 ともあれ、そんな計算をして物件を選択するわけでもない。マンションは、それ以外の条件、とりわけ立地条件で選別される場合が多いからだ。ただ、同じような条件の物件が二つあって、そのどちらかを選ぶというときは、決め手になる可能性がある。「エコに取り組む企業」のイメージは買い手に好感を持って迎えられるからである。

 マンション選びに重要な要件の一つに、売主のイメージがある。これはブランド力とも言われるが、大きな付加価値である。買い手に安心感や納得感を与え、一種の感動を与える。それが購買を決定づけるのだ。その意味では、近い将来、新規に発売されるマンションの大半が太陽光発電付きになりそうだ。

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