将来の売却もにらんでマンションを選びたいのですが・・・のご相談

 川崎市内の東京寄りの某駅から徒歩10分という立地条件にあるマンションを検討しているという方からの相談。「将来、売却するとき高く売れるかもしれないという期待は甘いか」と「今はデフレ状態だが、いずれはインフレになるだろうから不動産を持つことは得策と考えるが、どうか」という質問に対し、以下のように答えた。
 
 川崎市のマンションとか、駅から10分いう漠然とした捉え方はとても危険です。
 将来、買い値を上回るか、少なくとも損せずに売れるかの判断は、極めて個別要素が強いものだからです。勿論、一般的に値上がりまたは価値が下がりにくい地域というのは存在しますが、ご質問には記載がないのでお答えのしようがありません。
 今が買い時かどうかは、正直に言えば何とも言えません。なぜなら、将来のことを明確に予言することは不可能だからです。専門家気取りの(私も含めて)評論家が語る予想は、いつも外れますからね。
 ただ、住宅ローン金利の側面からは、間違いなく絶好の時期です。10年間限定とはいえ、1%も国が補助してくれるというのはラッキーと考えていいのです。ローンを利用される方にとっては、価格の上下と金利の上下は実質的に同じです。今は、大幅に安くなったマンションを購入するようなものです。
 また、住宅ローン控除の枠も過去最大ですから、有り難く利用されたら良いでしょう。
 次に、貯金と不動産、将来において、どっちが資産価値があるかというご質問ですが、不動産は「ものによりけり」という前提はつきますが、一般には確かなものと考えてよいと思います。インフレになるからというような意味ではありません。長い目で見たとき、生活のよりどころになるからです。年齢の問題や失業などでローンが組めないことを想像してみて下さい。組めるときに組んで家を持つということは、資産価値を考える以上に大切なことではないでしょうか。
 インフレとデフレの話をここで語るほどのスペースもありませんので、答えにはならなかったかもしれませんが、違う視点から述べたつもりです。お役に立てるといいのですが。「三井健太のマンション相談室