付加価値の高い大型マンションを求めて

ブログテーマ:元、大京マンが業界の裏側を知り尽くした目線で、マンション購入に関する疑問や諸問題を解き明かし、後悔しないためのハウツーをご紹介・・・・原則として、毎月5と10の日に投稿しています。

マンションの価値を構成する要素のひとつに、規模を挙げることができます。大きいことが価値を高めるのです。
大規模は様々な付加価値を生むからですが、例えば共用施設が充実しているとか、管理体制がしっかりしているといったことが具体的な部分ですし、大規模であることそれ自体が存在感を示す、言い換えれば特定エリアのランドマーク的なマンションになります。

大型マンションは好きになれないという人もありますが、大半の買手が付加価値の高さに魅力を感じているのでしょう。大体において話題となり人気を博します。何年かして売却する際にも資産価値を維持する確率が高いという利点もあります。

しかし、大型マンションは稀少であり、買いたくてもエリアによっては全く売り物がないというケースが多いのです。

今日は、そのことについて述べることにします。

住友不動産は板橋区がお好き??

住宅情報誌・SUUMOをチェックしていると様々なことに気付くのですが、そのひとつがタイトルに挙げた、板橋区に毎週登場する住友不動産の物件です。

THE ITBASHIテラス193戸(平成24年6月28日完成済。販売中)、シティテラス板橋蓮根350戸(平成24年4月5日完成済。販売中)、シティテラス加賀385戸(平成25年10月31日完成済。販売中)、スカイティアラ621戸(来年竣工。未初売)、現在販売中の物件と販売予定の物件を合わせて4物件、販売済みを含む総戸数にして1,549戸になります。

このうち、竣工済みは3件ですが、販売中ということは売れ残っていることを意味します。
どのくらい在庫を抱えているか正確には不明ですが、それでもまた新規に発売するのです。

上記物件をご覧になって気付くこと、それはいずれも大型マンションということですね。普通、大型というときのイメージは一般に100戸以上を指しますが、300戸を超えたら筆者はメガマンションと呼ぶことにしています。上記物件はTHE ITBASHIテラス以外、どれもメガマンションです。

板橋区は広い土地の供給源

分譲マンションの開発には、土地を提供してもらうことが不可欠ですが、板橋区は広い土地の提供者が多いようです。元は何かの工場だったのでしょうか? それとも企業の社宅でもあったところでしょうか、倉庫や資材置き場だった? 規模から見て、一般住宅でないことは確かです。

広い土地の提供者が続いたからこそ、続いてマンション開発ができたということになりますが、どうして住友不動産だけに売り渡されるのでしょうか?

実は、他のマンションメーカーも開発しており、現在販売中の物件もいくつかあるのです。けっして住友独占ということではありません。しかしながら、住友不動産以外の大手デベロッパーは多くありません。

もはや住友不動産は板橋が好きと考えるほかありません。過去に成功したから二匹目、三匹目のドジョウを狙った?それも間違いなくあるはずです。

土地がなければ始まらない

こんなマンションを開発したいとか、あんなマンションを設計してみたいなどと思い描いても、ハウスメーカーと違って、マンションデベロッパーには土地がなければただの夢、絵空事に過ぎません。
ゆえに、デベロッパーは毎日、開発用地を探し歩きます。

協力業者と呼ばれる不動産業者、ブローカー、地上げ屋、ゼネコン、設計事務所、銀行などから毎日多数の売地情報がもたらされますが、その中から資料選考で残った土地を現地検分し、良さそうな土地であれば簡単な図面を作成して採算をはじきます。

採算が合うと判断できれば、紹介者(仲介者)を通して所有者に購入意思を伝え、価格交渉に移行します。

このような経過をたどって首尾よく土地を買えた業者だけがマンション開発に着手できるのですが、売地情報は玉石混淆で、もたらされる情報の絶対量はすさまじいものがあります。

売地を斡旋する業者は、その近辺で開発中のマンション現場を見て、その事業者を狙う傾向があります。それが先の住友不動産の例に見られるような特定業者に持続的に情報が届く秘密かもしれません。

「広い土地が欲しい」は業者共通の願い

広い土地は規模の大きいマンションが建てられます。規模が大きいと付加価値の高い立派なマンションが建てられますし、工事費もスケールメリットによって低めにできます。

 また、正確に言えば少し違うのですが、小規模も大規模も開発の手間は同じなので、10億円の売り上げしか上がらない土地開発より、同じ手間で100億円になる方が効率は良くなります。

1戸平均4000万円のマンションなら25戸で10億円ですが、250戸造れば100億円になるのですから、年間の売上目標が1000億円の大手の場合、250戸の物件を10か所で開発できれば商品は間に合います。しかし、仮に平均50戸規模しか開発できなければ、50か所も土地を手当てしなければ1000億円には届かないことになり、土地探しだけで手間がかかり過ぎることになるのです。

ちなみに2013年1年間で、首都圏の新築マンション供給ランキング上位10社の平均供給戸数は約2800戸ですから、1物件100戸と見ても1社あたり28物件を1年間に売り出した計算です。1年間にもたらされる売地情報は、300倍の9000件くらいになるのです。

このような事情から、マンションデベロッパーは資金的な事情が許す限り、大型案件を待望することになるのです。

広い土地は稀少価値

ところで、東京都で数多い土地情報ののうち、300戸もの大規模マンションが建てられるような広い土地は年間にどのくらい出て来るのでしょうか?その種の統計がなくて正確には筆者も知らないのですが、比率としては極めて少ないものであるのは間違いありません。

ちなみに、現在販売中と予告広告に登場してくる新築マンションの数を住宅情報誌・スーモからピックアップしてみました。(2013年3月25日号)

掲載全物件数・首都圏合計873件(分譲戸数は不明)のうち、総戸数300戸以上の大型物件の件数は61件でした。メガマンションの全体に占める比率は7.0%に過ぎません。
200戸以上も加えると86件となり、比率も9.9%にアップしますが、90%以上が中小規模のマンションであることが分かります。

大型開発が集中する湾岸エリア

大型マンションは広い土地がなければ開発ができませんから、冒頭で取り上げた板橋区のようなエリア特性の場所に集中する傾向があるのです。板橋区以外では、江東区に同様の傾向が見られます。
江東区は、かつて倉庫や工場、造船所の多い区でしたから、広い区画の土地が多く、跡地に建てられるマンションは大部分が大規模です。その傾向は今も続いています。ご承知の豊洲、辰巳、東雲などでは、記憶に残る話題の大型マンションが数多く見られます。

中央区でも、倉庫街だった晴海エリアは大型マンションが多い所として有名です。駅で言えば、「月島」と「勝どき」ですが、都営大江戸線・勝どき駅が開業した2000年ごろから急速にマンション開発集中エリアになって来たのです。

月島駅最寄りの佃島では、石川島播磨重工業の造船所跡地だったと記憶しますが、バブル期直前の1980年代後半、「大川端リバーシティ」が誕生しました。複数のタワーマンションで構成されていますが、その中には伝説の高級マンションもあります。

最近では、勝どきエリアに「東京タワーズ」というツインタワーマンションが約2700戸の規模で販売(一部賃貸)されました。2006年から2007年にかけてのことです。米国の人気俳優リチャード・ギアをキャラクターとして登場させた広告が目を引いたので、ご記憶の方もあるでしょう。

そして今、晴海エリアでは「ザ・パークハウス晴海」がツインで(883戸+861戸)、勝どきエリアでは同じくツインタワーの「ドゥ・トゥール(2棟で1450戸)」と1棟で何と1400戸を超える「勝どきTHE TOWER」が販売を間もなく開始しようとしています。いずれもメガマンションです。

こうした例を拾うと、湾岸エリアではメガマンションだらけと言っても過言ではないほど大型開発が目白押しです。広く湾岸エリアに目をやれば、港区や品川区でも大型マンションの開発が進んでいます。

土地利用の歴史から当然と言えば当然なのですが、それにしてもメガ・タワーマンションが次々と登場することには驚くばかりです。広い土地は稀少価値と述べましたが、まだまだ土地はあると感じざるをえない事実でもあります。

大規模マンションには、ハード、ソフト合わせて様々な付加価値が見られることから、常に高い人気を集め、販売も好調に進むことが多いものです。簡単に言うと「大きいことは良いこと」なのです。単に効率の良さだけで大型マンションばかり造っているわけでもありません。

しかし、首都圏全体を見渡せば、やはり大規模マンションの数は少なく、付加価値の高い物件を求めると、エリアが限られるのも現実なのです。

湾岸エリアではなく、内陸部で探そうとすれば大型物件は滅多にお目にかかれないと考えるしかありません。最近、山手線の内側で発売された「富久クロス1093戸(新宿区)」や「パークシティ大崎734戸(品川区)」、「ブリリアタワー池袋432戸(豊島区)」などは、例外中の例外なのです。

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