住宅ローンの返済不安について

35年もの長い間、多額の住宅ローンを払い続けていけるかなという心配をする人が70%くらいはいるらしい。しかし、それでも購入に踏み切ってしまうのは、どこかに拠り所を見つけているからである。それは何かと考えるに、「先のことをどれだけ心配しても、確かな答えは見つからない。まあ何とかなるだろう。他のみんなもそうしているし」という心理であることに気付く。
 これは、日本という国の社会システムが国民に与えてくれる安心感のようなものと言い換えてもいい。理屈を言えば、未来のことは分からないが、和平の安定や、今後ランクは低下するかもしれないが、世界の上位にある経済力などが、私たちの生活の安心感につながっている。混乱のない日本で生きていくことは、さほど大きな障害にぶつかることはないという確信が、少なくとも住宅ローンを組む人たちにはある。そう言ってよい。
 
 さて、最近相談される「返済不安」は、景気の悪さが影響しているのか、以前にまして真剣な印象を受けるので、筆者の回答をここに紹介しよう。これは、考え方の問題である。
 
 「住宅ローンを払っていけるかなあ」という心配は、「家賃を払っていけるかなあ」という心配と同じのではないかということです。同じなら、どちらに住みたいですか?そのことに焦点を当てて考えたらよいでしょう。
 もちろん、住宅ローンの返済額と家賃の額を比べたら、住宅ローンの方が多いのが現実かもしれません。ですが、 その差をできるだけ小さくしたらどうでしょう。つまり、あまり大きなローンを組まずに、更に言い換えれば無理をしないでお買いになったら。
 それでも、将来その返済ができなくなる事態が起きたら、その時は賃貸に出すのです。そして、自分は安いアパートを探して引っ越すのです。緊急避難策ですね。そのとき、家賃が住宅ローンの返済額に見合うものであったら都合がいいわけです。ということは、ローンの額を抑えるほかに、賃料が高く取れる立地条件の物件を選択することが前提になってくるということになります。

 以上が、回答の概略である。今日はここまでです。ご購読ありがとうございました。
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