売れ行きの悪いマンションは避けるべきか?

周りは静かな一戸建ての住宅街で、緑も多く、環境がとてもいいので、気に入ったのですが、最寄駅までバスを使うことになりそうなのがネック。そのせいか、販売状況はあまり良くないようです。こうしたマンションはやはり避けた方がいいのでしょうか――という相談があったので、次のようにお答えした。

 聞けば、検討者はいわゆる子育て世代で、環境重視派である。今の住まいも、環境の良い立地条件にあるという。できれば、近辺に欲しいのだが、そう都合よく販売物件はない。中古も検討したが、設備の更新やメンテナンスのことなどを考えると、不安が大きくて、やはり新築に気持ちは向かうとのこと。そこへ、二つ隣の駅を最寄とするマンションがあることを知って見に行ったところ、駅まで歩くと15分かかること以外は申し分ないと、妻は気に入ったらしい。

 さて、私はこうしたマンションはあまり勧めない。むしろ止めた方がいいと助言する。東京圏では、都心へのアクセスがマンションの価値を大きく左右することが多いからだ。マンションの価値が高ければ、のちのち大助かりになる場合が多い。一生そこに住むということは考えにくく、必ず売却するときがやってくる。そのとき、首尾よく売れるかというと、新築時に売れないマンションは、中古で売り出すときも売りにくい。売りにくいから、いざとなれば、値を下げるしかないのである。
 子育て世代にとって、自然環境はとても大事な条件であるから、それに目をつぶれとは言わないが、他で探せば駅にも近くて環境も悪くないマンションは見つかるはず。昨今は、大型開発も多いので、マンションの敷地内に人工ではあるが、子育てにふさわしい環境が用意されているものがある。現住地の近辺にこだわってしまうと、かなり制約されるだろうが、エリアを拡大して探せば見つかるはず。
 環境がいくら良くても、不便なマンションは嫌う人が多い。大手企業の有名ブランドのようだが、それでも、竣工から半年過ぎて、かなりの在庫を抱えているという販売状況が、それを証明している。
 
 販売状況が悪いと、物件のイメージダウンにつながるので、売り手は隠したがるが、よく状況を見て判断することも必要だ。他人は他人と割り切れるものではないのである。・・・・・・
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