「第〇期〇次受付」という分割販売の疑念

ブログテーマ:元、大京マンが業界の裏側を知り尽くした目線で、マンション購入に関する疑問や諸問題を解き明かし、後悔しないためのハウツーをご紹介・・・・原則として、毎月5と10の日に投稿しています。

大型マンションでなくても、マンション分譲を何期かに分けて行う「分割販売方式」は業界にすっかり定着しました。
最近の例で、話題を集めた東京ベイエリアの「プラウドタワー東雲キャナルコート(全600戸。野村不動産)」は、2012年8月30日現在「第4期2次の登録受付・9月2日締め切り」という広告を展開しています。この広告には、「第1期~第4期1次まで7次連続 計511戸即日完売」と誇らしげなコピーが踊っています。

このケースは、「7回に分けて売り出して来ましたよ。その全てで即日完売となりました。ここまで511戸売れたので、残りは89戸しかありません。次回は第4期2次の受け付けです」とありますから、計8回に分けて売り出していることが分かります。

●販売不振マンションの分割販売
これは好調に販売が進んでいるからこその処置・表現ですが、販売不振の物件の場合は第4期2次と書いてあっても、一体何回目の売り出しかが分からないだけでなく、あと何戸残っているかも分からないようになっています。残100戸のうちの10戸なのか、残50戸のうちの10戸なのかが。

また、「第〇期販売5戸」などと極めて少戸数しか売り出さない物件もときおり見かけます。これなどは販売不振物件の典型で、5戸しか売れないので5戸だけ売り出したというのが真相です。

販売不振物件では、一度発売したはずの住戸が未発売住戸に編入されていたり、その反対に未発売住戸のはずが、いつの間にか契約済みに変わっていたりする例もあります。
極端な例では、ある大手の物件でしたが、ごく一部の住戸で公表価格がいつの間にか変更されたという例もありました。短い期間にはどうしても決断できず、半年以上に亘って特定物件をウォッチングして来たという、ある相談者からの質問で分かったことです。
期ごとに配布される価格表を全部保管していて、対照していくうちに疑念が湧いたそうです。ある相談者は、「ゾンビのような住戸」などと表現していて、思わず苦笑してしまいました。

●「分割販売」で業者は何を狙う?
売り手から見て、分割販売の利点は、各期「新発売」と謳えることにあります。「新」は「新鮮」に繋がります。新鮮なものは良いもの。そんな心理を顧客に起こさせます。
また、予告広告の段階で商談した顧客の意向から、売れそうな部屋はここと分かりますから、そこだけ発売すれば、確実に完売できるというメリットもあります。そうすれば、「完売」「完売」の連続を、ウソなく表示・アピールできることになります。その結果、買い手の心理として、よく売れていると聞けば良い物件になるのです。
ここに、売り手の意図があります。逆に見ると、売れていない物件は良くない物件と見なされますから、その状況を隠したいとき、売主にとって便利な方法でもあるわけです。

このような販売戦略は、常套手段と言ってよいものであり、それ自体に違法性や悪質性は少ないのですが、中には不当表示規制に抵触する事例もあります。良い買い物をしたい人は売り手の策略を知っておくことも必要なはずです。

本当は人気がある物件なのか、そうでないのか、残り少ないと言うが、本当はたくさんの未販売住戸が残っているのではないか。連続〇〇回完売というが、それは1回あたりの戸数が少ないだけのことで、中間で集計したら売れた戸数は僅かなのではないか。こうしたことが見えにくい物件もあることを知っておきましょう。

冷静かつ慎重に検討するためには、誹謗中傷コメントが多く真実が見えないクチコミ掲示板など頼りにせず、業者のウソを見抜く知恵を身に付けることも大事と思うのです。

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