夫婦で組む住宅ローンの勧め

共稼ぎ家庭では、夫と妻がそれぞれに住宅ローンを組むことができます。頭金と別に、例えば夫が2000万円、妻が1000万円、合計3000万円の融資を受けてマンションを購入することが可能なわけです。

このことを知らない人はいないと思うのですが、夫だけの借入で足りる人も、ぜひ夫婦で借りることを検討してみてはいかがでしょうか。

今日は、そのメリット(デメリットは殆んどない)を改めて整理してみました。

●夫婦それぞれの住宅ローンで予算アップ

住宅ローンを組むときの基本として言えば、妻が子育てのために離職することを想定して夫だけの返済能力の範囲で借入額を設定するというのが健全なのかもしれません。

ところが、価格上昇トレンドが明らかになりつつある現在、妻の収入も当てにして予算を上げざるを得ないという家庭も出てきています。そんなとき、夫婦で協力すれば予算は上げられます。

もっとも背伸びのし過ぎは慎まなければなりませんが・・・

●夫婦合算所得で融資限度額を上げることも

妻もローンを組むということに抵抗ある人もあるようです。そんな家庭でも、夫だけの所得では希望額が借りられないという場合は妻の所得を夫と合算するという方法で融資承諾を取り付ける方法があります。
つまり、妻が借りるのではなく夫の借入を妻が助ける形です。

この場合は、妻が従たる債務者となり、主たる債務者である夫の連帯保証人となるのです。
見方によっては、こちらの方が抵抗を感じるという、もっぱら妻の声も小さくはないと聞きます。

そうであれば、各々で融資を受ける形がいいように思いますが、いかがでしょうか。

●ローン控除がWで受けられるのが大きい

ご承知のように、住宅ローンを利用してマンションを購入すると毎年12月末時点の融資残高の1%相当額、ただし上限20万円(来年からは40万円に拡大)までの税額控除が10年間に渡り受けられます。

夫婦それぞれでローンを組めば、二人とも控除を受けることができるので、借入額や納めている所得税によっては、大きなメリットが出てきます。

所得税を年額10万円しか納めていない人は控除される限度も10万円になってしまいますが、40万円納税し、融資残高が4000万円であれば40万円がまるまる還付されるのです。

夫の単独借入で4000万円の残高があっても、控除額が例えば20万円でしかないような場合において、妻と別々に2000万円ずつ借りれば、それぞれが20万円ずつ合計で40万円の控除(還付)を受けられるかもしれません。

是非一度、源泉徴収票を前に試算してみてはいかがでしょうか?

●妻の離職時にはローンを完済してしまう――がお勧め

夫婦別々にローンを組んだ場合のお勧めは、妻の分を離職時に完済してしまうことです。

何年先に離職することになるか分からない人が多いかもしれませんが、妻の収入の例えば半分はローンの繰り上げ返済に回すという計画が望ましいですね。

低金利時代といえども、長期間では積もり積もって大きな支出になるものです。できるだけ返済を早めて金利という無駄な出費は少なくした方がいいに決まっています。

妻が離職すれば家計も余裕がなくなるわけですから、離職時には住宅ローンを極力減らしておくのが賢明な策です。

妻の分を完済と述べましたが、夫の方の一部を繰り上げ返済しても家計全体では同じことですね。

というのも、夫が35年固定金利(年利2%前後)のフラット35を利用し、妻が金利の安い変動型(0.9%前後)を利用するといった組み合わせを選択する場合もあり得ます。そのような場合は、金利の高い方を極力減らすのが得策だからです。

●注意点は登記名義

共有登記の基本は、出資割合で持ち分を決めることです。例えば、5000万円のマンションを頭金1000万円、住宅ローンを夫3000万円、妻1000万円というふうに利用して購入した場合で、頭金が妻の貯金であったとするなら、出資割合は次のようになります。

夫:銀行から借りて用意した3000万円・・・・・・・・5分の3
妻:同上1000万円+頭金1000万円=計2000万円・・・5分の2

従って、持分登記は夫5分の3、妻5分の2となります。この割合での共有名義のマンションとなるわけです。

もし、頭金も夫が全額出したとするなら、上記割合は4000万円:1000万円となり、持ち分比は5分の4と5分の1になります。

蛇足ですが、この比率を夫100%名義(単独所有)で登記するとどうなるでしょうか? 言うまでもなく、夫は妻から贈与を受けたことになってしまい、多額の贈与税が課せられることになるのです。

銀行は妻に融資するときは、妻に対して担保を求めて来ます。

共有登記にすればいいだけのことですが、夫単独にした場合は、夫からの担保提供が条件となります。普通は「担保提供承諾書」なる書類を提出することになります。

贈与税を納めてまで夫の単独名義にする理由はないと思いますが、運悪く誰からも助言を受けられず、本人たちが無知であったことから、単独名義にして余分な税金を納めることになってしまった人は少なくないのだそうです。

●離婚でもめないように

これは頭の片隅に残しておきたいことです。

今まさにマンションを買おうかという夫婦には想定できないことですが、世間ではよくある話なので敢えて付記します。

夫婦共有名義の場合、離婚後はどちらかが相手方に持ち分の買い取りを請求することになるのが一般的です。

その代金をどう調達し、どのように払うかは無論のこと、名義書き換え(所有権の移転)をどの時点で行うのか、登記料や固定資産税の清算はどうするかなど、後で揉めないようにしなければなりません。

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