中古マンションを検討するとき

新築マンションの場合、普通、現地の近くに販売センターを設け、その中にモデルルームを設えて買い手を待つというスタイルを採る。
 これに対し、中古マンションは情報源の仲介店舗に行って現地を案内してもらうことになる。その場合に気を付けることがあるので、その点について書く。

 とても魅力的な物件(大抵は価格が超格安)を広告に載せて客を呼び、「いざ現地を」と客が言うと、「たった今売れてしまいました」と答える。すかさず、他にも良いのがありますからそちらをご案内します。こう言って別の物件を買わせる。このような手口が横行していた。随分昔のことである。

 これは、オトリ広告と言って、存在しない物件を餌にする商法である。もちろん、禁じられているから、存在しない物件をおとりに使うことは現在はない。だが、これに近い営業は今も行われている。オトリではないが、目玉商品的な物件を広告に掲載するのである。
 だが、売主が不動産業者の場合もあるものの、大抵は一般個人が売主である。いわば預かり物だ。それを勝手に値段を格安に設定して広告に使うことは許されない。
 目玉物件は直ぐに売れてしまうはずだから、客寄せになるような物件が次々に集まるとも考えられない。
 問題は、いつまでも売れないような条件の良くない物件である。つまり、安いのだが、現地に行ってみると落胆するような代物なのだ。

 このような物件を案内されたとき、そのままでは帰してもらえないと覚悟しておきたい。必ず別の物件を用意しておき、そちらへ誘導するのである。今度は、落胆しない。というより、最初にひどいものを見ると、次が大したものでなくても実際以上に良く見えてしまう。これは、人間心理の微妙なところである。その結果、価格は高くても、計算してもらったら住宅ローンも何とか返していけそうだと判断したとき、即座に購入申し込みをしてしまうのである。

 どうしてあの時、あの物件が良く見えたのか不思議だ。夫婦とも舞い上がって、しばらくの間は入居後の生活を夢想したりしていた。このように語る人がいる。だが、これは、巧みな営業マンの術中にはまっただけなのである。
 それ自体は何ら不法行為ではないので、もし、欠陥マンションでないとしても決して良い物件とは言えない物件を買ってしまったとしたら、「騙された自分が悪い」ということになってしまう。
 こうしたことも知っておくことが必要であろう。仲介業者の店舗を訪ねるときは心しておきたい。
 
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