太陽光発電システム付きマンションに思う
- 2011.02.20
- マンションの未来
ブログテーマ:マンション購入に関する疑問や各種問題を解き明かし、後悔しないためのハウツーをご紹介/構成:①マンション選びの重大ポイント②不動産業者と営業マン③一戸建てかマンションか④郊外か都心か⑤持ち家か借家か⑥購入資金⑦その他の疑問・悩みなど・・・について毎月5と10の日に投稿しています。・・・・・・
2011年2月11日の日経新聞によれば、オリックス不動産が53戸のマンションで、各住戸に独立した形で太陽光発電システムを設置した珍しい物件を開発したという。
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東京都武蔵野市に建設中で、来年1月に完成予定という。住戸ごとに割り当てられた太陽光パネルを屋上に備え、自分で使う(共用部分の電気ではない)ことができ、余剰電力は電力会社に売ることもできる。一般的な住宅に比べて光熱費を5割削減できるのだという。
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エコマンションは時代のトレンドである。今後は、ますます増えていくに違いない。
・・・エコに限らず、新しいマンションほど、以前は考えられなった付加価値をたくさん装備し、ますます魅力の度を増す。古いマンションは、時が経てば時代遅れとなり、新しいマンションに比べて見劣りすることになる。
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卑近な例を挙げてみよう。オートロック式の共用玄関のドアは、築20年より新しい物件であれば殆んど装備されているが、それ以前の物件では出入り自由が多い。最近はオートロックが二重三重になっていたり、防犯カメラ付きであったりと、セキュリティの固い物件が一般的である。すると、ノン・オートロック物件はグレードの低いマンションという見方になってしまう。・・・・
また、今日では、外壁のタイル貼りになっていないマンションを探す方が難しいが、昔は吹き付け塗装が当たり前であった。タイル張りが出始めの頃、その外装にした物件は、販売時にタイル貼りをセールスポイントとしてやたら強調していたものだ。・・・・
吹き付け塗装のマンションは、何年か経つと全面塗り直しを実行して、見違えるような美しさを取り戻している例も少なくはないが、やはり昔のマンションという感は拭えない。外観や、上述の玄関ドアやエントランス周りのデザイン性の問題である。最近の物件は「デザイナーズマンション」と冠していなくても、優れたデザインの物件が多い。
物が時代とともに陳腐化するのは、宿命のようなものだ。しかし、一方では、「ヴィンテージ」と呼ばれ、古いことが価値として認められる物も世間にはたくさん存在する。例えば、ワインやウィスキー、古美術品などである。・・・・
マンションにも、少ないが「ヴィンテージ」と呼ばれる物件がある。だが、それらは庶民には高嶺の花と言ってよいような特別なものである。・・・・
私たち庶民が手にする大衆マンションに、古くて価値あるマンションというのは存在しえないのであろうか?前段で述べたように、古い物は陳腐化が避けられない。これは、建物の内容に関してのことである。仕上げや設備機器に関してだ。・・・・
だが、少し触れた「デザイン」に関しては、時が流れても輝きを失わないものがある。また、外構部分の、例えば植栽は、時が経てば経つほど木々が育って豊かな緑を蓄え、建物を包んでくれる場合がある。・・・・
さらに、無形文化財的な価値と言ったら分かりやすいだろうか。入居者がつくるコミュニティの面で価値あるマンションもあり得る。平たく言えば、入居者同士がほどよい距離を保ちながら暮らしており、いざというときの結びつきは深く、とても居心地の良いマンション。ゆえに、売却する人も少ない快適な共同住宅が、長い間に入居者によってつくりあげられて来た。このように形容することができるマンションである。・・・
築後何年経っても、むしろ何十年も経ったからこそ、価値を高めたマンション。どうせ買うなら、そのようなマンションを買いたいものである。・・・
結局、価値あるマンションになるか、ならないかは居住者しだいということだ。住んでから価値を上げる努力、または意識。こうしたテーマで語られるような時代がそこまで来ているような気もするが、いかがだろうか?・・・・・・・・・・・
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