地震後の販売中マンションの安全性は?

ブログテーマ:元、大京マンが業界の裏側を知り尽くした目線で、マンション購入に関する疑問や諸問題を解き明かし、後悔しないためのハウツーをご紹介/構成:①マンション選びの重大ポイント②不動産業者と営業マン③一戸建てかマンションか④郊外か都心か⑤持ち家か借家か⑥購入資金⑦その他の疑問・悩みなど・・・について毎月5と10の日に投稿しています。


●首都圏マンションで安心感
?/
東北太平洋地震で、首都圏での建物の大きな損傷はほとんどなかったようです。湾岸部では、千葉県浦安市や東京・江東区木場地区などで液状化現象が道路の隆起や陥没などの被害をもたらしていますが、マンションに関しては、窓ガラスが割れたとか、タイルが剥がれ落ちたという報告があった程度で、倒壊も半壊もなかったらしいのは幸いでした。
東京圏は、震度が高いところでも5程度でしたから、倒壊は勿論、半壊するマンションがなくて当然ではありました。現在販売中のマンションも恐らくは問題ないレベルなのでしょう。
裏付ける話を少し紹介しましょう。
「やっぱりマンションは強いね」という購入者の声も多かったと、3月引き渡しを迎えた物件のある担当者。また、地震発生後から10日ほど経った頃、引き渡しを早くしてほしいという要望が寄せられたという現場もあった。丈夫な新築物件に早く入居して安心したいという考えからとのことでした。
まだ、データがないので軽はずみなことは言えないのですが、首都圏の販売中マンションに被害らしきものが出たという話は、いまのところ聞こえて来ません。
一切の損傷はなかったという事業者の声が大半のようです。最も大きな地震被害に見舞われた仙台でも、業界紙によれば、大京、住友不動産の両社は、「手がけるマンションに大きな被害は出なかったことが確認できたので販売活動を再開した」と報道しています。
これらの声を聞くと、事業者も購入者も、共に胸をなでおろしているという感じでしょうか。

●買い手の安全確認策は?/しかし、これからマンションを買おうとしている人に心配が全くないわけではないでしょう。マンションの損傷の有無や安全性を確認する方法はあるでしょうか?
仮に小さな損傷があったとしても、外形的には損傷の有無を確認することができないかもしれません。何故なら、販売活動以前に売主は補修を終わらせているからです。
現実は、一部の壁に亀裂が起き、小さな段差が発生している可能性がありますが、壁紙(ビニールクロス)のコンクリート直貼り壁では、しわになって現れますから、すぐに損壊状況が分かります。そうした部分は修復してから販売にかけるということになります。
他にも硝子のひび割れなどの損傷もあったかもしれませんし、共用廊下の壁に亀裂が起きたり、タイルが落ちたりした物件もあるでしょう。これらも修復が行なわれて早い段階に販売開始となるでしょう。
買い手が最も不安になるのが、柱や梁、壁、杭などの構造体の損傷ですが、このうち、地中にある杭の損傷は確認の方法がありません。また、たまたま壁の亀裂が発見できたときなども、不安を感じる人があるでしょう。
阪神大震災で大きな被害を受けた神戸や阪神間各地のマンションを見て歩いた感想では、修復では危険として退去命令が行政から出された少数のマンションは別として、修復されて一見何もなかったように元通りになったマンションは、現在も居住が続いています。
つまり、今回程度の規模の地震では、全く問題ないはずですと言いたいわけですが、液状化が起きた地区とそうでない地区とでも幾分の差があるでしょうし、物件個々の差も多少はあるはずです。ここは技術者や設計者の説明を聞くしかありません。
しかし、説明を聞いても不安が消えない人は、どうしたらいいのでしょうか?少し待って、これから着工する物件に検討対象を移すしかありません。そして、工事中に再び震度5、6クラスの大地震が来ないことを祈るしかないでしょう。
個人的には、震度6強から7でも倒壊しないレベルだという日本の建築技術水準や建築基準を信頼してお買いになることを勧めます。津波に襲われても、上層階ならとりあえずは安心できますし、少なくとも一戸建てより安全なのがマンションだと考えています。

地震でマンション販売に暗雲?/話を戻します。大地震が建物に損傷を与えたかもしれないという不安から、マンションを買い控えする人が出ているという現場の声もあります。・・・・・
それが、どのくらいになっているのか、首都圏での購買行動に関するマクロデータが現時点では出てこないため、まだわかりません。
ただ、阪神大震災で古いマンションが倒壊したとき、遠く離れた東京圏でも、マンションに対する不安感が広がり、数か月間マンションの売れ行きが悪化した経験からも、今回も同様のことが起こるのは間違いないと予測できます。・・・
16年前は、対岸の現象が風評として影響したものですが、今回はひざ元での不安ですから、意味合いは全く異なります。それゆえに、市場に与える影響は大きいのではないかと予想せざるを得ないのです。

地震特集WEB講座をご案内中!「三井健太のマンション相談室」では、只今、地震関連知識として、以下の「WEB講座」を追加しました。是非ご覧下さい。こちらから⇒click「マンションと液状化現象」「長周期地震動が恐いタワーマンション」「地震に強いマンションの見分け方」「マンションの耐震構造」ほか。
・・・・・・今日はここまでです。ご購読ありがとうございました。「三井健太のマンション相談室」では、只今、無料の「マンション簡易評価書」をご提供中。ご検討物件でお試し下さい。「マンション購入の悩み・疑問何でも解決事典」もこちらから。⇒click

横浜のマンション検索はこちらをclickさいたまのマンション検索はこちらをclick
東京のマンション検索はこちらをclick

全国の物件検索と資料のお取り寄せもこちらから可能です⇒click