地震予測報道にナーバスで取り越し苦労の感あり

ブログテーマ:元、大京マンが業界の裏側を知り尽くした目線で、マンション購入に関する疑問や諸問題を解き明かし、後悔しないためのハウツーをご紹介・・・・原則として、毎月5と10の日に投稿しています。

●衝撃の地震予測が危機感を煽る

2012年4月18日、東京都は首都圏直下で起きるとされる「東京湾北部地震(国の中央防災会議が想定したもの。震度6強から7)」による「被害想定」を発表しました。それによれば、建物火災18万余、死者9700人、帰宅困難者517万人などとなっています。
その細部を覗くと、火災に関しては、木造密集地の多い東京東部エリアだけではなく、住宅地の道路が狭く迷路のようになっている世田谷区なども被害が大きいと公表、区民に衝撃を与えました。

昨年の3.11大震災以降、各種機関が「近い将来発生するであろう巨大地震と被害予測データ」などを相次いで発表しています。
東海地震、東南海地震、南海地震が連動して起こる「3連動地震」どころか「4連動」「5連動」の地震が起こる可能性もあるという報道もありました。
どれも、これまでの予測を大きく上回るものばかりです。研究機関が想定する地震の規模、津波の高さなどを聞いて恐怖を覚えた人も多いことでしょう。おまけに、巨大地震が富士山の噴火を誘発する恐れがあるなどという報道もあり、この世の終わりかという声まで聞こえて来ました。将に「危機感を煽る脅し」のようです。

3.11東北太平洋大地震(東日本大震災)が想定を超える津波被害をもたらしたことから、見直しに当たっては慎重になっている部分もあるでしょうし、地震研究の新たな発見などもあって数値を変更せざるを得なかった面もあるようですが、「大変な災害が近く日本を襲う」というイメージで伝わった人も多いのではないでしょうか?

◆地盤の強弱はまだら模様で、道路1本隔てただけで建物の揺れ方が異なり、被害状況も変わる

◆地震予知はできないとする専門家も多い

◆どこなら安全かと言われても、日本はどこも絶対安全という場所はない。長周期地震動は遠く離れた場所まで伝わる

◆たとえ自宅が安全でも、外出先には危険な場所がたくさんある

◆阪神大震災のとき、死亡者の87%は建物倒壊による圧死だった。住むなら倒壊しないマンションが一戸建てより優れている

◆耐震性を強化した一戸建てなら、エレベーターが停止したときのマンションに比べて安全

◆建物が耐震性に優れていても、一戸建ては液状化が起これば傾くから、マンションと同じように杭を打つ必要があり、コストがかかる

◆マンションは耐震性に優れているとはいえ、免震構造以外の揺れは上階ほど大きく、家具の転倒や家財の飛散で怪我をする危険もある。下手をするとタンスで圧死などという事態も懸念される

上記のような解説を含めて、各種予想がテレビと新聞、週刊誌などで頻繁に、かつ大々的に取り上げられています。それが原因で、多くの国民が過度にナーバスになり、かつ取り越し苦労をする人を多数生み出している。そんな印象を私は強く持ちます。

あまりにもネガティブキャンペーンを繰り返されると、必要以上の恐怖にさいなまれ、活動が鈍ります(外出が怖いなど)。飛躍しますが、その結果が景気へ悪影響。そんな気がするのです。

転ばぬ先の杖という格言を持ち出すまでもなく、事が起きてから慌てても遅いのですから、対策を講じておくことは大切です。耐震性の劣る家に住まう人は、その強化に手を打つことも大事でしょう。賃貸住宅に住んでいる人は、安全な家を探して住み替えることも急いだ方がよいのかもしれません。
また、外出の際に地震に遭遇したとき、家族との連絡・安否確認の方法なども決めておく必要があるでしょう。
避難所の位置確認、非常持ち出し袋、家具転倒防止、その他いろいろ対策はあるようです。

●天災は忘れた頃にやって来る

向こう30年の間に確率80%で巨大地震がやって来るという予測は、今日来てもおかしくないという話です。しかし、今日も来ませんでした。そのうちにマスコミの扱いも下火になり、小型地震が発生するたびに思い出すとしても、大きな被害がない限り次第に「またか」と慣れっこになって、防災意識も薄らいで行くはずです。そして、人々が忘れた頃、再び天災がやってくるのです。

つまり、非難を恐れず言えば、痛みを忘れないのは犠牲になった被災地と被害に遭った人、犠牲になったの家族だけになったりするのが人間の悲しい習性です。
被害が少なかった東京圏の人たちは、そう遠くない将来、すっかり忘れ去ることになるかもしれません。我が家の耐震性に問題がなくても、外出先で歩行中に壊れたガラスや外れた看板が落ちてきて怪我をするかもしれませんし、出張中に最も被害の大きい都市に居て被災するかもしれません。また、都区内の勤務先から帰宅できない事態に遭遇するかもしれません。
――こんなことを考えると、結論は「自分ができる範囲のことは対策しておこう。あとは運次第」と腹を固めるしかないのではないかと思うのです。

いずれにしても、防災対策は個人個人が行なうものばかりでは足りません。国、地方自治体、公共交通機関、企業など、全国民がこぞって実行に踏み切ることが必須です。そして、今その方向に日本は動いています。

●楽観的に行こう!
3.11地震やその前の巨大地震で犠牲になった人たちは、残った私たちのために「いしずえ」となってくれたのです。そのことを思うとき、多くの国民、関係団体等は防災努力を続けることが必須です。そうして、未来の大災害においては、被害を最小限に留めること。それが残された者の義務かもしれません。

日本人は窮地に立ったときの団結力や、良い意味の横並び意識、適応力といったことに優れる国民です。そのことは歴史が証明しています。世界が認める強い国民です。
また、日本は「国土が狭い」とか「資源がない」、「地震が多い」といったネガティブな一面がある一方、その中で「日本人の知恵」を作り上げ、長く生き続けて来たのです。

こうしたことに思いをいたすとき、私なぞはとても楽観的な気分になれるのです。
だからでしょうか、個人的には、52年前のチリ地震津波のとき宮城に住んでいて被害に遭ったこと、阪神大震災のとき出張で関西にいた経験、今回の3.11で弟妹たちが被害に遭ったという現実などが心に深く刻まれているのに、私は未だに目立った対策をしていません。もしかすると、こうした経験・体験をして来たからこそなのかもしれませんが・・・

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