2011/4/20 液状化現象は湾岸エリアに留まらない

ブログテーマ:元、大京マンが業界の裏側を知り尽くした目線で、マンション購入に関する疑問や諸問題を解き明かし、後悔しないためのハウツーをご紹介・・・・原則として、毎月5と10の日に投稿しています。

液状化現象で盛んにニュースに登場する千葉県浦安市ですが、地震以来1か月を超えても不便な生活を強いられ続けているようです。
建物は無事でも、ライフラインが破壊されてしまっては住めなくなります。
今後は、液状化が懸念されるエリアのマンションは敬遠する人が増えることになるかもしれません。
●液状化による被害
液状化現象とは、具体的には、地下水が地上に噴き出し、地盤が沈下し、基礎が地表近くにある一戸建てなども沈下します。沈下の度合いが場所により異なると(不等沈下または不同沈下という)、建物自体や,床や柱などが傾いたりします。
深い場所にある硬い地盤に支持されているマンションでは、建物の沈下がないため、外部の道路や下水管などと高さの差が生じたり、出入口付近に段差が生じたりします。
また、テレビでご覧になった人も多いと思いますが、地下にある建造物で内部空間の大きいマンホール・下水管・浄化槽などは、体積に比べて軽いため、地下水圧が高くなって浮き上がってしまうのです。
護岸や道路が蛇行したり、傾斜したり、また浮きあがりを引き起こすこともあります。

●杭が長いマンションは要注意
ところで、地盤の弱い埋め立て地域は、地中の硬い地盤(支持層)は、50メートルくらい深い所にあります。マンションを支える杭は、この支持層に達するまで深く打ち込まれます。このため、建物は倒壊するまでに至らないわけです。
しかし、逆に言えば杭の長いマンションは、弱い地盤の上に立っていることを示しています。支持層までの途中の土壌がどのような性質か、例えば砂か泥かなどによって透水性が異なるため、液状化の危険度も違ってきますので、地盤が緩い=液状化懸念が大きいとはなりませんが、杭が何十メートルもある場合、支持層までの途中の土質によっては液状化が起こる懸念のあるマンションと言えるのです。
●河川が近いと危険が?
液状化が起こりやすい地域は、湾岸エリアばかりではありません。大きな河川が近くを通っていれば、その周辺は緩い地盤であることが多いのです。
一般に液状化しやすい地形として、自然地形では①湾岸、②三角州、③河口、④砂丘間凹地、⑤旧河道、⑥河川沿い、⑦谷底平野などですが、人工地盤では、①埋立地、②沼・湿地・水田・谷の盛土地などが挙げられます。
このような場所では、杭が長いマンションが多く、地下数十メートルの堅固な支持層まで打ち込まれています。
具体的な地名をここで述べるのは憚(はばか)れますが、川や谷が付く町は要注意ということになります。もちろん、誤解をしないで頂きたいのは、杭が長いマンションはみな危険ということではありません。

●土質や硬さを聞いてみよう
マンションを設計する際、必ず事前に地盤調査という作業を行ないます。大別すれば、粘土質地盤、砂質地盤、礫層の順に硬くなっていきますが、サンプリングした調査データを図表化した資料(N値グラフ)が販売事務所には置いてありますから、見せてもらいながら説明を受けるといいですね。
軟弱地盤が地下何メートルまで続き、硬い地盤が何メートルから始まっているかが一目で分かるように、グラフ化されています。また、そこには土質も書き込まれています。
一般にN値が20以下の緩い砂層が液状化しやすく、粗い砂礫や粘土からなる地盤は液状化の可能性は低いとされています。

●液状化危険度マップも確認しておこう
自治体にもよりますが、液状化の危険があるとされる地域では、大抵マップを作っています。過去の液状化履歴が分かるようになっている自治体もありますから、各自治体のホームページで確認してみましょう。

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