大震災でマンション市場に異変が?

ブログテーマ:元、大京マンが業界の裏側を知り尽くした目線で、マンション購入に関する疑問や諸問題を解き明かし、後悔しないためのハウツーをご紹介・・・・原則として、毎月5と10の日に投稿しています。
●湾岸エリアから内陸部に
首都圏では、湾岸エリアを避けて内陸部の物件に目を向ける人が増えていると言います。さもありなん。地震被害のうち、液状化がもたらした被害は湾岸エリアに多かったのですから。
湾岸エリアには、周知のように超高層マンションが林立しています。今も工事が盛んに行なわれており、一時休止していた販売活動を4月に入ってからは再開した物件も多いようです。
しかし、モデルルーム来場者は、震災前と比べて各社かなり減ったらしいと聞きます。

東京湾は、津波が来ても地形的には東北地方のようなことはないのだそうですが、「液状化が起きたら?」という不安は残ったままです。
液状化がインフラを寸断して、水が出ない、下水が使えないとなると、構造的には大丈夫でも「住めないマンション」になってしまうのは困ります。
そこで、湾岸エリアをやめて、東京湾から遠いエリアの物件を物色し始めた人が増えているらしいのです。

●高層より中低層へ
地震の揺れはエレベーターを自動的に停止させるシステムになっていますが、これも今回の大地震で注目ポイントになっています。
もうお分かりと思いますが、超高層マンションに住めば、いざというときは、階段で20階、30階を昇り降りしなければならないのです。1年に1回の防災訓練でも大きな苦痛を感じるということですから、仮にそれが2日も続いたら大変なことです。
地震の揺れでエレベーターが自動停止すると言っても、最近のマンションは最寄り階までは行ってくれるので、中に閉じ込められることはないのですが、20階、30階の我が家が急に遠い空の上という感じがしてくるのではないかと思えます。
そんなことから、人気のタワーマンションを敬遠する動きも出ているのだそうです。
滅多にないことではあっても、いざというとき、エレベーターが動かない事態を想像すると、タワーマンションの低層部や、中低層マンションに住んでおいた方が安全かなと。このような考え方を持つ人が増えても不思議ではありません。
●湾岸エリアは避けるべきですかと問われたら
ベイエリアに現在住んでいる人たちは、今回の地震でどう感じたのでしょう?
詳しい調査データは、まだ見ませんが、浦安市の液状化被害を見聞きして、他人事ではないと思った人が多いのではないでしょうか。
この1か月、これからマンションを購入したいと考えている人からのご相談で、「湾岸エリアのマンションを契約しているが、解約したい」というのが少なくありませんでした。
高額な手付金を捨ててまで解約を強く望んでいるわけではありません。決心していないからこそ相談して来られるわけで、皆さん悩んでいらっしゃいます。
命に関わる大きな被害を想定するならば、湾岸だろうが内陸だろうが、そのようなときは、この世の終わり。あとは運不運の問題です。
そこまでの被害はない、つまり震度7でも倒壊しないのがマンションですから、一応は安全であるとしても、インフラがやられる可能性が高い東京湾岸エリアにどうして住みたがるのでしょうか?そこが問題です。

トレンディな街ですし、都心にも近い。もはや都心そのものかもしれません。都心に住むメリットは測りしれないものがあるのは確かです。しかし、新しい街には足らないものも多いはずです。既存の都心と東京ベイは少し違うのです。
「どうしてもこだわりたいのであれば、その理由をお聞かせ下さい」と問うことにしています。
そして、特段の理由がないのであれば、滅多にないとはいえ、液状化を起こすかもしれないほどの大地震が今年再びやって来る可能性がないとは言い切れないのだから、内陸部の中層マンションが良いと答えることにしています。
●のど元過ぎれば熱さを忘れる
家族を亡くした被災地の人たちにとって、どれほどつらい思いでいるかを想像するとき、こんなことを言えば不謹慎のそしりを免れないが、あくまで一般論と断って述べることにします。
それは、「人間の常として、どんなに不幸な出来事があっても、時間がたつと忘れるというのも一面の真理である」ということです。
その意味で、ほどなく、液状化の心配もどこへやら、湾岸エリアやタワーマンションの人気は回復するでしょう。
もし、今マンションを検討中で「湾岸エリア」と「超高層」を除外しようと考えている人は、是非、その気持ちのあるうちに、方針どおりの物件を探すことをおススメします。
このまま1年くらい経って、大きな地震も液状化も話題から遠ざかってしまうと、不安感も消え、当初の「湾岸」&「タワー」の条件を再び加えてしまいかねないからです。

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