希望エリアで新築マンションを見つけるのは難しいことになって来たかもしれない

ブログテーマ:元、大京マンが業界の裏側を知り尽くした目線で、マンション購入に関する疑問や諸問題を解き明かし、後悔しないためのハウツーをご紹介・・・・原則として、毎月5と10の日に投稿しています。

新築マンションの供給戸数があまり回復して来ません。東日本大震災の影響で上向きに推移してきた新築マンション市場は、水を差された格好になっています。
販売中であったものを休止したり、販売開始予定にしていたものを先送りしたりしたため、今年1~6月の半期の発売戸数が、前年同期比10%弱のマイナス(首都圏)、近畿圏も9.1%減となった模様です。
予定通りに発売したものは、高い契約率になっており、市場が大きく冷え込んだとは思えないのですが、売り手が委縮して様子見に転じたり、販売活動を自粛したりしたことが響いたようです。
しかし、秋以降は持ち直してくるに違いありません。

とはいえ、そもそも発売戸数の水準がひどく低いのです。今後は徐々に回復して来るにしても、その量たるや、需要に見合うレベルではありません。

前にも書きましたが、2008年のリーマンショックを契機に起きた世界金融危機と世界同時不況が、多数のマンション業者を退場に追いやったことが、供給源を絶ってしまったのです。
勿論、大手は健在ですから、一定の供給量はキープされるでしょうが、品不足感を解消するまでには至らない可能性が高いでしょう。特に、郊外の手ごろな価格帯の物件は望みが薄いと言わざるを得ません。
新築に対する需要は、まだまだ多数ありますが、供給がない状態が続くでしょう。マンションを購入したい人は、今後、中古も視野に入れていく必要があります。

実は、中古マンションは、数だけなら豊富にあります。ただ、良い物がなかなか見つけられないという問題があります。また、良い物が見つかっても、耐震性や耐久性という問題に対し、営業マンや売主(個人)から明確な答えをもらえないために不安が消えず、結局購買を諦める人が多いとも聞きます。

しかし、新築物件の品薄が続けば、今後はいやでも中古物件の見方や選び方などを学んで行く必要が出てくるでしょう。

実は、業界(中古住宅流通の)と行政側は共に、安心して中古マンションが買える仕組み作りに取り組んでいる最中です。構想はできており、着々と準備は進んでいると言ってもよいのです。しかし、仕組みが完成しても、その利用が効果をもたらすまでには、まだ多くの時間が必要なことも確かです。

その意味からも、中古マンションを検討するためには、購入者自身が多くの分野で勉強し、不安部分を解消する知恵を得ていくことが必要になるのです。勿論、私のような者も、及ばずながら購入者の皆さんのサポートができるようにしなければなりません。

尚、今後も新築にこだわって探して行きたい人は、物件の情報を集める場合、できるだけ広範囲から集めるようにした方がよいかもしれません。言い換えると、条件を絞り込み過ぎないことが大事になるでしょう。これには、地域的な問題も含みます。
場所を広く、面積・間取り条件も幅を持たせるといった柔軟な発想が必要になると思います。

・・・・・・今日はここまでです。ご購読ありがとうございました。「三井健太のマンション相談室(http://mituikenta.web.fc2.com)」では、只今、無料の「マンション簡易評価書」をご提供中。ご検討物件などでお試し下さい。

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