液状化の風評被害

海外では、東北地方が3.11の大地震で壊滅状態と伝わっている国もあるのだとか。そのために、東北地方にある工場では各種の工業製品が製造できなくなっていると誤解されているらしいのです。これも、いわゆる風評被害です。

さて、マンションにも風評被害かもしれないと感じることがあります。それは、液状化の問題で客足が遠のいたベイエリアのマンション販売現場のことです。

ベイエリアはライフラインが寸断されたら住めないのは事実です。しかし、今回の大地震では浦安市だけに被害が現れ、東京では起きなかったのです。その差はどこにあったのか、なぜ浦安市だけなのか、また、同じ浦安市内でも被害の大きかった地区と殆んど被害がなかった地区があるのか。それらの理由が全く説明されずに来たため、ベイエリアはどこも危ないという思いに囚われた人が多いはずです。

ほかならぬ私もその一人です。これこそ、マンション業者から見た風評被害でしょう。
しかし、その後の報道などで専門家から液状化の被害の差に関して説明が見られるようになりました。それによると、埋め立てした時期によって埋め立て方法が違っているためと分かりました。1964年の新潟地震をきっかけに法改正が行なわれた1978年を境に、地盤改良が実施された場所とそうでない場所があるのだそうです。

つまり、今から23年以前の比較的新しい埋め立て地は大丈夫で、それ以前は液状化が起きやすいと言います。
東京は江戸時代まで遡ると、至るところ埋め立て地ですから、矛盾する説明ではないかということになりますが、それはまた別で、長い間に地下構造が変化している場所は安全と専門家は説明しています。

浦安市でも、1960年代以前の埋め立て地に被害が少なく、それ以降、法改正までの間に埋め立てられた地区に被害が大きかったとされます。

このようなことから、一律に「埋め立て地=液状化危険地域」と考えるのは間違いだと分かって来たのです

従って、物件ごと、このマンションが立つ場所は液状化が起きやすいかどうかという調査が買い手には必要になって来ます。

その方法は、例えば東京なら東京都液状化予想図という地図で確認ができるようになっていますから、確かめるといいでしょう。

それによれば、危険度が3段階で色分けされており、〇〇町の1丁目と2丁目では色が違うということまで分かります。もちろん、都庁に出かけなくても、インターネットで見ることができるのです。

また、「東京都の年代別埋め立て状況」で検索すると、明治・大正期まで遡って埋め立てが行なわれた時期を知ることができるマップも出て来ます。

こうした資料を参考にされたら、もっと町の土地・地盤の歴史を知ることができるでしょう。

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