「10月から金利が上がる」に釣られるな!

ブログテーマ:元、大京マンが業界の裏側を知り尽くした目線で、マンション購入に関する疑問や諸問題を解き明かし、後悔しないためのハウツーをご紹介・・・・原則として、毎月5と10の日に投稿しています。

「フラット35 S」は、住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)が民間金融機関とタイアップして貸し付ける固定金利の住宅ローンですが、現状、景気下支えの目的から、当初10年間の金利をマイナス1.0%とするお得な制度になっています。
ところが、申込者急増により、国の予算が底をつく状態となってしまいました。このため、当初12月末の期限を9月末に前倒しすると決まりました。

「フラット35 S」の金利は金融機関によって若干の差があるものの、2011年8月現在おおむね2.5%なので、当初10年間は1.5%でよいことになります。これが、10月1日以降は1.0%マイナスでなく0.3%マイナスに引き下げ幅が縮小するのです。

言うまでもないですが、0.7%の差はとても大きいですね。マンション業者は例外なくシミュレーションした返済数字を示し、「お得な9月中にお買い下さい」と、購入予定者にアピールすることでしょう。
ですが、それに乗っていいかどうかはよく考える必要があります。

「フラット35 S」より低い1.0%を切る変動金利の住宅ローンが目白押しで、銀行各社は一定の条件付きで金利優遇を提示しています。現状、住宅ローン商品で顧客争奪戦を展開中の銀行は、条件によっては0.7%台を提示するところもあるほどです。

これだけ低ければ、「フラット35 S」の1.0%引き下げがなくなると聞いても慌てる必要はありません。
もちろん、変動型の住宅ローンには金利上昇のリスクがあります。それでも利用者は増えています。変動型と固定型のミックスにして組む人も多く、「フラット35 S」と人気を二分しています。

つまり、「フラット35 S」にも魅力のある住宅ローンは存在するということです。
変動型の住宅ローンの中には、3年固定(4年目からは変動金利に変わる)や5年固定(6年目からは変動)といったタイプもあります。
こうしたタイプの住宅ローンをうまく組み合わせて、リスクを軽減する工夫をすればよいのであって、「フラット35 S」がすべてと考えなくていいわけです。

固定型の住宅ローン「フラット35 S」は、確かに魅力です。それが1.5%前後の低金利で利用できるのですから、使わない手はありませんが、期限を区切られて慌てるあまりに間違った物件選択をしたのでは、本末転倒になってしまいます。ここは、慎重に品定めに努めましょう。

・・・・・・今日はここまでです。ご購読ありがとうございました。
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