アウトレット物件とゾンビ物件には手を出すな!

ブログテーマ:元、大京マンが業界の裏側を知り尽くした目線で、マンション購入に関する疑問や諸問題を解き明かし、後悔しないためのハウツーをご紹介・・・・原則として、毎月5と10の日に投稿しています。

最近あまり目立たくなったアウトレットマンションですが、ひと頃は格安で売り出される新古マンションに飛びついた人も少なくなかったようです。
また、倒産した企業が再建途上で売り出すマンション(ゾンビ物件)も相場より価格を抑えているため、興味を覚える人があります。
今日は、アウトレットマンションとゾンビ物件についてお話ししたいと思います。

●ゾンビ物件
倒産する企業は、大抵民事再生法か会社更生法の適用を裁判所に申請した後、裁判所の管理下に置かれて再建の道を進むことが多いものです。勿論、中には清算して消滅する会社もあります。

さて、倒産会社が営業を本格的に再開しているときは、既に支援スポンサーも付き、再建に向けて進み出した状態にあります。当分の間は資金的な不安もなく、向こう5年くらいは倒産の危険が小さい、むしろある意味では健全な企業に生まれ変わっています。

しかし、必ず再建できるかは不透明です。強烈なリーダーシップを備えたカリスマ経営者などが創業時と変わらぬ情熱を持ち続けていないと、また、㈱大京がバブル崩壊後の経営危機に陥ったとき、同社の株主になった国の機関(産業再生機構)や、その後のオリックスのような大スポンサーがつかないと再建は難しいのも事実です。

再建当初は、債務の大胆な切り捨てをした後でもあり、商品の価格を低く設定することになる場合が多いものです。このため、倒産前の価格より大幅に下げて販売が再開される物件が出てきます。概ね、ストップしていた工事が1年半ほどで再開されると同時に売り出されるようです。

しかし、傷ついたブランド価値は低く、一見安い価格であるとはいえ、もっと安くないと見合わないことも多いのです。そこに飛びついてしまうのは考えものです。

そもそも倒産したのは、不動産流動化事業などのマンション分譲以外のビジネスに手を染めていたことが原因と分析されている例もありますが、主な原因はマンション販売の不振にあります。
リーマンショックやそれに次ぐ金融危機が背景にあったにしても、マンション販売が極端な不振に陥らなかったら、金融機関に見放されることもなく倒産に至ることはなかったという企業も多いのです。

倒産企業のマンションが売れなかったのは何故か、そこをよく考えてみる必要があります。

●アウトレットマンション
一般消費財のアウトレット商品は、ご承知のように有名ブランド品が極端に安い価格で買えるのが魅力と言います。型落ちでもシーズン過ぎの商品でも、その品質は保証付きだからです。
辺鄙な場所に構えた店舗(アウトレットモール)は、車でないと行けないという壁はありますが、近年、三井不動産や三菱地所などが全国各地に展開中で、それなりの人気を博していると言います。

では、マンションのアウトレット商品はどうなのでしょうか?
売主が変わることなく価格だけが大幅に引き下げられて売り出されるというケースは、大手デベロッパーの物件でもよく見られますが、別の業者に格安で売却し、その業者がいくらかの利益をONして再販する有名ブランドのアウトレットマンションは全くありません。

最近見られるアウトレットマンションは、すべて倒産業者によるものと考えられます。

●ゾンビ物件もアウトレットマンションも手を出さないのが賢明
ゾンビ物件、アウトレット物件、いずれも避けたいマンションの代表です。
その理由は、瑕疵や不具合が見つかったとき、ストレスなく問題解消ができるかという点で疑問があるからです。

基礎構造などの重大な瑕疵に関しては、「瑕疵担保保険」の加入が義務付けられているので補修費用の負担が発生しません(但し10年以内)が、補修要求を行ない、且つ、相手がそれを認めて補修工事を開始するまでは、とても長い時間がかかる場合が多いのです。

その間のストレスは想像以上です。

また、重大な部分以外の補修が必要になったときは、アフターサービス規準または規約(一般消費財に付くメーカーの期間限定保証と同じ)に従い、無償の補修や調整を要求することになりますが、ゾンビ企業がスムーズに実行してくれるかは疑問です。

アフターサービスの保証期間は、2年以内が殆んどです。例えば、給水栓からの漏水、建具の変形、天井クロスの剥がれ、フローリングの変形や破損、床鳴り、バルコニーの排水不良、バルコニー壁内側の亀裂といったものが対象ですが、これらは入居して2年以内に現われることが多いので、その間にゾンビ企業は生き残っているとしても、アフターサービス体制が十分かは不透明です。

おそらく徹底的な経営合理化策によって再建を進めていくはずですから、無償の補修要求をしても、ゼネコンにつなぐだけで、あとは知らん顔と考えた方がよいのです。そのゼネコンがスムーズに対応してくれたらいいのですが、現実はとてもスローであったり、このくらいは経年変化ですから仕方ないなどと逃げたりします。

引き渡しから半年、1年、2年といった定期点検も業界の慣習になっており、引き渡し時に約束するのが普通ですが、これが確実に行なわれるかもゾンビ物件の場合は不安が残ります。

●ゾンビ物件・アウトレット物件は立地条件が悪い
この種のマンションは、もともと売れない物件でした。売れない物件は、大体において立地条件が悪いものです。立地条件の悪さを補ってお釣りが来るほどの付加価値が企画されていれば、もとより売れ残らないはずで、価格を少々下げた程度では見合わないのです。

値下げ後も、安いという印象は確かにありますが、価値に見合う安さにはなっていないケースが多く、検討に値しないものばかりと言っても過言ではありません。

安さに釣られて検討するとしても、よく考える必要があることを銘記しておきましょう。

ただ、どのくらいの価格なら買っても大丈夫かなどの判断は、一般の買い手さんには難しいと思います。

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