共用施設なんか使わないからなくていいという人へ!!

ブログテーマ:元、大京マンが業界の裏側を知り尽くした目線で、マンション購入に関する疑問や諸問題を解き明かし、後悔しないためのハウツーをご紹介・・・・原則として、毎月5と10の日に投稿しています。

大型マンションにあって小型マンションにないもの、その最たるものが各種共用施設です。大型マンションでは、キッズルーム、ゲストルーム、カラオケルーム、パーティールーム、フィットネスルームといった名称で居住者の利便に資するものが多数設けられています。
一方、小型マンションではせいぜい「集会室」がある程度です。
管理費がかかるだけで使う予定もないし、共用施設には全く興味ないという人もいますが、あるとないでは大違いという意見も多いのです。
では、共用施設はどんなメリットをもたらすのでしょうか?
●共用施設のタイプと各々の使われ方
共用施設と言ってもいろいろなタイプがあり、子育て系やスポーツ系、ミーティング系、学習系、エンタテイメント系などです。
子育て系とは、保育・託児スペースと遊技場となるキッズスペースが代表的です。

1.ロビー
大型マンションのロビーやラウンジは高級ホテルのそれに近い雰囲気がありますね。
広いので、仕切りがなくても通行する人から話を聞かれないですむと感じられるためでしょうか?損害保険のセールスマンから説明を聞いたり、ちょっとした手続きなどをしたりする場合は、家の中まで招き入れないで、ここで済ませる人がいます。
2.高層階のラウンジ
自宅は低層階なので、ときどき気分転換を兼ねて利用します。バーがあるので、貸し切りにして友人たちを招き、パーティを催すこともあります。
3.ゲストルーム
1泊3000円程度で、高級ホテル並みの部屋に1泊できるので、予約で一杯になる所も多いようです。親が遊びに来た時に泊ってもらうか、逆に自分が泊って親には自宅に泊ってもらうことも。海外から友人が来たときに泊ってもらうという人も。
4.スタディルーム
家に子供がいると集中できないので、書斎感覚でときどき使っています。パソコンを持ち込んで調べ物をしたり、資格試験の勉強をしたりしています。
5.キッズルーム
家には置けないような大型の遊具やおもちゃもあり、毎日子供を連れて利用。ママ友もここで見つけました。天候に関係なくいつでも無料で利用ができ、床はゴムなので転んでも怪我をする心配はなし
6.パーティルーム
マンション内でできた友達と、互いに子供のお誕生会を開催しています。キッチン付きなので、材料を持ちこんで一緒にオードブルや簡単な料理を作ります

●長持ちマンションにつながる共用施設の存在
「マンションの価値を長く維持するのに共用施設が役に立つ」のです。どういうことでしょうか?そのわけをお話ししましょう。
「建物が100年もつかどうかは、良い材料を使うかどうかではなく、住む人がもたせる意志を持っているかどうかにかかっています」と語るのは、東京大学教授でもある著名な建築家の隈研吾氏。
これは逆に考えると、「どうせ仮住まいだから」という意識が強く、「もたせる」意識が希薄な人の多いマンションほど、マンションの寿命は縮まるという意味になりますね。

マンションの維持管理は、管理会社に任せておけばいいという感覚であるか、管理の主体はあくまで管理組合(住人)にあるという感覚であるかで、長い間にマンションの寿命は随分違って来るもの。このように述べても、ピンと来ない人が多いのではないでしょうか?
日本人は物を大事にしない民族とは思わないですが、欧州の国々のように古い家を大事に手入れしながら100年も200年も使い続けるという発想はないようです。
米国では、自らペンキを塗り、屋根を修理して新築に近い状態を保とうとするようです。その理由は、少しでも高く売りたいからだそうです。
<マンションの資産価値を高める意識を持って暮らす>
集合住宅の場合、高く売るための手入れをしたくても、住人同士が共同作業として取り組むのは困難です。もたせる意識を共有し、お互いに気をつけて我が家を綺麗に保つ。そのためには、管理会社を動かすことが不可欠です。
小規模修繕を速やかに行ない、中規模・大規模修繕もタイミングを逃さないように意思決定し実行する。このような管理組合の伝統を作ることが重要です。
そうすることで、いざ自分が売却するとき、満足できる価値判断を買い手からしてもらえる(高く売れる)のです。永住しないかもしれないからこそ、マンションの維持管理には大きな関心を持つべきなのです。
<住民同士の交流を図るための器も必要>
同じ屋根の下にいても、付き合いがなければ意識を共有しましょうと言ってみても、実際には高い壁がつきものです。その壁を超えるには、「隣の人は何する人?」ではダメなのです。機会をつくっては集まり、意見交換したり、子供や趣味を通じて親しくなったりすることが必須です。
ところが、集会室ひとつないようなマンションでは、集まること自体が大ごとになり、疎遠のままに何年も過ぎるということになりがちです。
気楽に集まれる場所や器がそばにないと、交流はなかなか生まれないのです。その意味で、マンションの共用施設は非常に大きな意味を持っています。

●共用施設の充実したマンションは売却時に有利です
ここまで述べて来た、「管理意識向上のための共用施設必要論」。いかがでしょうか?
それとは別に、共用施設の充実したマンションは、それがあるというだけで価値評価は高いのです。
エントランスホールに続くラウンジ、それだけで豪華に見えるものです。屋上テラス、そこから見える景色は、買おうとしている部屋からの眺めを拡大し、購買意欲を高めてくれるでしょう。キッズルームは、我が子をここで雨の日に遊ばせたら危険がなくていいなと感じてもらえるでしょう。
つまり、買い手が不動産業者に案内されて見学に来たとき、買いたいという気持ちが高まり、売却計画はスムーズに行くのです。その点も念頭に置き、共用施設への認識を改めてはいかがでしょうか。

・・・・・・今日はここまでです。ご購読ありがとうございました。ご質問・ご相談は三井健太のマンション相談室(http://mituikenta.web.fc2.com)までお気軽にどうぞ。無料相談」と「無料マンション評価サービス」等があります

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