高強度コンクリート使用のマンションの耐震性はいかに?

ブログテーマ:元、大京マンが業界の裏側を知り尽くした目線で、マンション購入に関する疑問や諸問題を解き明かし、後悔しないためのハウツーをご紹介・・・・原則として、毎月5と10の日に投稿しています。

●耐久性の高いマンションが普通になっている

最近の新築マンションは、住宅性能表示の項目でいうところの「劣化対策」を強化したものが増えています。
「劣化対策」とは、使用する建材そのものの耐久性と、鉄筋の錆び対策、木造住宅では構造用木材の湿気・シロアリ対策といった住宅の構造部位の劣化を抑制するための対策のことです。
住宅性能表示制度(第三者によって評価される。評価を受けるか否かは事業主の任意)によって客観的な指標が登場しましたが、劣化対策項目に関しては3段階で評価されます。
ちなみに、建築基準法が定める最低限の対策が講じられている場合は「等級1」、2世代(50年〜60年程度)まで長持ちするように対策が講じられている場合は「等級2」、さらに3世代(75年〜90年程度)まで長持ちするように対策が講じられている場合には「等級3」と表示されます。

最近の新築マンションは、劣化対策等級3(最高ランク)を獲得している物件が80%を超えると言われ、非常に耐久性の高いマンションが増えています。高い強度を持つコンクリートが開発されたことが背景にあります。
尚、耐久性の高いコンクリート住宅(マンション)やビルは、①強度の高いコンクリートの採用と、②水とセメントの混合の際に水を少なくする(あまり水を減らすと施工がしにくいため限度がある)、③鉄筋にかぶせるコンクリートの厚みを深くする(=かぶり厚)の3つの対策で誕生します。

●コンクリートの強度を表わす単位
ところで、コンクリートの強弱は、どのような単位で表わされるのでしょうか?
ご承知の人も少なくないと思いますが、ニュートンという単位で表わされます。1ニュートンとは、1平方ミリメートルの面積に対し1キログラムの荷重をかけても崩壊しない強さを示します。
強度が36ニュートンを超えるものが高強度コンクリートで、現在は200二ュートンの高強度コンクリートも開発され、実用化されています。

●コンクリートの強度が高ければ地震にも強いのでは?の疑問

ところで、強度の高い、いわば頑丈なコンクリートを使用して建てられたマンションなら、耐震性も高いのではないだろうか?そんなふうに感じる人も多いかと思います。
その疑問にお答えしておきましょう。

強度の高いコンクリートを用いて建てられたマンションが巨大地震にも強いことは間違いありません。しかし、耐震性はコンクリートの強度だけで測られるものではないのです。
構造上のバランスや、建てられる場所の地盤、基礎工事の形など多数の要素があり、コンクリート強度を上げれば耐震性が増すという短絡的なものではないのです。
逆説的な説明になりますが、例えば20N(ニュートン)のコンクリートを使用した耐震等級1のマンションがある一方、50Nのコンクリートを使用しながらも耐震等級1のマンションがあることからも、コンクリートの強度が耐震性に占める比重は必ずしも高くないことが分かります。
耐久性に関しては、大部分のマンションが合格点に達している現在、耐震性を注視するなら、コンクリート強度がどうかではなく、耐震等級がいくつかを見なければなりません。当然「等級2以上」のマンションがより安全という結論になります。

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