先が見えない今、それでもマンションは買い時なのか?

ブログテーマ:元、大京マンが業界の裏側を知り尽くした目線で、マンション購入に関する疑問や諸問題を解き明かし、後悔しないためのハウツーをご紹介・・・・原則として、毎月5と10の日に投稿しています

永遠のテーマ「マンションの買い時はいつ?」について、改めてお話しすることとします。

●各種調査は住宅ローン金利の動向から買い時を示唆するが・・・

マンションは一般的にどんな時が買い時なのでしょうか?その答えを述べる前に、多くの購入者がいつを買い時と考えているかについて紹介しておきます。
各種の意識調査は、購買行動の動機は「金利が安いから」と「価格が低下したから」、あるいは「値上がりしそうだから」といった答えが上位に来ると発表しています。
今、金利は史上空前の低水準ですし、2005年頃から値上がりした価格が2008年のリーマンショック後の景気後退期に下落し始め、2005年以前の底に戻りました。その状況が、買い時にあるとする主張の一般的な根拠となっています。
しかし、それでも購買について悩む人はいます。代表的なものを挙げると、次のような例があります。
「デフレが続き、自分の所得が減少してしまうかもしれないので、そんなときに多額の借金を背負ってよいのだろうか?」という疑問や、「巨大地震が来たら、多額の修理費用がかかるかもしれない。賃貸住宅なら、その心配はいらないのではないか?」というものです。
また、不況で再び地価が下がり、マンションが売れなくなれば、きっと値段が下がるはずだから、もう少し様子を見た方が得策ではないか」という声もありました。
ごこれら、相談者の究極の悩みを検証してみましょう。

●買い時を測ることの難しさ
将来を予測することは大変むずかしいことです。金利はまだ下がるかもしれないし、もう十分下がったから今後は上がる心配の方が大きいのではないかという意見にも一理あります。
ギリシャの財政危機をきっかけに生じた「欧州危機」が再び円高を進行させ、輸出産業の経営を悪化させています。3.11震災やタイの洪水で後退した景気が回復軌道に乗ったはずでしたが、再び減速するという懸念が起きています。
一方、円高は輸入物価を低下させ、デフレ解消の足を引っ張る要因にもなりそうです。反対に、2014年には消費税が8%に上昇、翌年には更に2%上昇することで物価上昇が間違いなくやって来ます。
このようなことを、あれこれ考えれば考えるほど将来予測は困難の度を深め、私ごとき素人には確信が持てないテーマとなります。もっとも、高名なエコノミストでも完璧に予測できる人はいません。
数十年先の未来まで考えたら、不安要素は更に混沌として来ます。例えば、年金の受給問題が挙がって来ます。また、雇用不安や退職金の減額や消滅といった問題も浮上します。

こうした未来予測の難しさを端的に表わす言葉が「不透明な時代」というのでしょうか?それを前提にしたら、マンションの買い時を言い当てることなど不可能になります。
想定外の災害や事故など、先行き何があっても不思議ではない。そんなふうに考えてしまうと、そもそも多額の住宅ローンを組んで購入するリスクを負っていいのだろうかという疑問にぶつかります。
買うとしても、もう少し頭金を貯めてローンを減らして買うほうが賢明なのではあるまいか?買ったら最後、そこに住み続けるほかにないなどという事態は起きないだろうか?
そこまでのことはないにしても、売却がままならず、仕方なく賃貸に出し、自分も再び借家暮らしに戻ることになるのではないか?住宅ローンが払えずに競売で処分され、退去を余儀なくされることはないだろうか?
こうした不安がなくなるためにも、今は様子を見るべきなのではないか?踏みきれない人は、最後に「様子見」に落ち着きます。しかし、いつまで様子見を続けたらいいのでしょうか?この先、将来不安がない時はやって来るのでしょうか?

●買い時はいつも今である
私たちの周囲を見てみますと、快適なマンションライフを手にしている人たちの共通点は、いち早く購入しているという点です。既にローンを完済し、日々ゆとりある暮らしを送っていたり、買い替えも実行して、優雅な老後を過ごしていたりします。

よく、金利が安いから買いだとか、価格がまだ下がるから様子見が賢明だとかと、したり顔の専門家を見かけますが、それは人生の中では一瞬のことに過ぎません。

金利の動きは誰にも読めません。毎月の返済額を減らそうと、これから時間をかけて頭金を増やしても、いざ借りるときに金利が上がっていたら、返済額が減るどころか増えてしまう可能性もあります。
今は低金利が続いているから、今後は金利が下がる余地よりも、上がる余地のほうが大きいかもしれません。でも、ずっと横ばいという可能性だってあります。結局、金利の動きは誰にも読めないから、欲しいと思える物件と出会って、余裕をもって返していける資金計画が立てられるなら、そのときが買い時とも言えます。
価格の変動でも同じことです。金利よりは読みやすいのですが、それでも、予想は絶対ではありません。

金利にせよ、価格にせよ、その動向に一喜一憂しながらマイホームの買い時を探すという考え方は、本末転倒と言っても過言ではありません。

ところで、モデルルームを見学に行く人はどのような理由があるのでしょうか。
結婚や転勤などの事情がある人も中にはありますが、ほとんどの人が今スグに買わなければならないという事情を抱えているわけではないはずです。
「家賃が勿体ないから」とか、「現在の住まいが手狭なので」、「いつかはマイホームを持ちたいと思っているから」などと、やや漠然とした動機や背景があって見学に行くのですね。
きっかけは、「近くにマンションができたから」、「友人から勧められて」、「転居したお隣さんに刺激を受けて」といったものが多いようです。

住宅購入経験者の事例を調べてみても、切迫した状況にはなく、急がない人たちばかりです。しかし、急がないのに何故マンションを買うのでしょうか。
これは、夫婦の出会いに似ています。たまたま縁があって購入したというケースが多いのです。言い換えれば、「この人と一緒にいたい、家庭を持ちたい」ということです。例外もあるでしょうが、結婚を経済的損得で測るわけではないと考えます。
結婚するとき考えるのは、「この収入で生活していけるか」ではないでしょうか?それも将来のことではなく、目先の問題として考えるのではないかと思うのです。将来起きるであろう子供の教育費など支出の増加と、それを賄う所得の増加まで検討して結婚を考える人は殆んどいないはずです。漠然と自分の未来を予測しながらも、「家族のために頑張る」といった思いが優先しているはずです。

これを住宅購入に当てはめたら、「新しい家に住みたい」という動機があって、次に「この収入で当分の間、住宅ローンを払っていけるか?」にはならないでしょうか?20年先、30年先のことを、どれだけ研究しても答えはどうせ見つからないのですから。

そう考えると、買い時はいつかと考えるのではなく、「欲しい・買いたい」という動機があって、次に「今の収入なら無理なく払える」を決め手としても、決して乱暴な話ではないと思うのです。
簡単に言ってしまうと、「買いたいと思ったときが買い時」なのです。貴方が今、マンションのモデルルームを見学に歩いているか、見学に行きたいと思っているなら、将に今が買い時なのです。
マンションの買い時は、時代や経済状況や価格・金利の変動とは無縁であって、「買いたいという気分の今こそが貴方にとっての買い時」なのです。こう考える方が、きっと悩まずにすむのではないでしょうか。

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