小型マンションの利点と選ぶときの覚悟

ブログテーマ:業界の裏側を知り尽くした目線で、マンション購入に関する疑問や諸問題を解き明かし、後悔しないためのハウツーをご紹介・・・・原則として、毎月5と10の日に投稿しています。

大規模マンションが好きになれないので、こじんまりとしたマンションを探しているという人は少なくありません。

資産価値の観点から言えば、大規模マンションの方がプラス面ははるかに多いのです。小規模マンションは何が何でもダメなのでしょうか?

今日は、小規模マンションの利点と、選ぶときの留意点についてお話ししようと思います。

●小規模マンションのいろいろ

小規模マンションとは、およそ50戸までのマンションと定義します。
その小規模マンションも、高さで大きくイメージが異なりますが、ここでは簡単に高層と低層の2種類に分けて特徴を整理してみます。

①高層の小規模マンション

主に駅前の商業地の狭い敷地に建つ。1フロアに3~4戸しかないので角部屋比率が高いという利点があります。ただし、周囲は既存のビルやマンションが密接しているため、窓が多くても、採光や通風に優れるとは必ずしも言えないマンションが多い。

廊下は室内型(内廊下式)になることも多いが、1フロアの面積がそもそも狭いので、豪華な印象はない。

いわゆる共用施設がない。管理人が常駐しない。駐車場が少ない。多忙な人が多く、不在がちということもあって、管理組合活動に無関心な人も多い。これらが共通点です。

管理費を抑えるために管理人を置かない「巡回管理方式」にしているマンションが多いのも特徴で、これは見逃せない懸念点です。

②低層の小規模マンション

駅から少し離れた住環境の良い場所に建つ。近くには公園も点在し、緑が多い。開放的な印象が強い。3~4階建ても多く、高くても7階どまりの中低層マンション。戸数は50戸未満の小規模ではあっても、周囲の建物に一戸建てが多いことから、目立つ存在となる。

億ションクラスの高級マンションには、閑静で区画の大きなお屋敷街などにひっそりとたたずむ小型のものが少なくない。戸数にして20戸、30戸、高さはせいぜい5階建て。

エレベーターが2基以上設けられているので渋滞は起こらず、また駐車場は地下格納式であったりします。

こうした高級マンションは各住戸の広さが100㎡を超え、広いタイプは140㎡と一般のマンションの倍もあります。
共用施設はなく緑地面積も狭いが、狭いながら植栽はよく手入れされている。また、外観、特にエントランス周りがデザイン性に優れ、かつ洗練されているものが多いという特徴もあります。

管理人は週5日か6日勤務で、日中7時間くらいは滞在する。管理費も高く、広いこともあって5万円以上。駐車場使用料と合わせると軽く10万円を超えるという例も。

こうした少戸数の低層マンションは、住人同士の顔が見える関係になるため、管理組合の活動も活発で合意形成がしやすいという特徴があります。

●金なし・危機感なしで危険が一杯の小型マンションもあり

「金なし」「連携なし」「危機感なし」が、小規模マンションの共通点だと聞いたことがあります。

修繕費が十分積み立てられていない、管理に無関心な住人が多い、マンションは管理が命と言われるものの現実感が乏しいので実際は放置状態に近い、という意味なのでしょう。

小規模マンションの管理組合では、居住者間のチームワークの良し悪しが「住み心地や資産価値」の維持向上に大きく影響します。

所有者が積極的に管理にかかわらないとダメなのですが、管理会社任せの感覚しか持たず、その管理会社は、巡回方式ゆえに関わりが薄く、収益の少なさもあって何もしてくれないのが実態。

これでは、建物価値を劣化させるスピードが増してしまいます。しかし、住人はそこに気付くことはないのです。

マンションは共用部分も自分の財産ですから、それを守るのは管理会社ではなく所有者自身という意識がないとダメなのです。

●小規模でも価値あるマンションとは?

マンションの価値を左右する要素には、「広さ」も挙げられます。

個性的な専門店が軒を連ね、美味しいレストランも多いなど、利便性が高くて人気のある街は、駅から徒歩10分圏内に広い面積の土地を確保することが難しい場合が多いため、マンションが建つとしても周囲のビルに囲まれたような立地になるものです。

つまり、駅には近いが日当たりや眺望の面では良い条件とは言えないのです。

そこで、建築計画もコンパクトタイプが中心になってしまいがちです。専有面積が70㎡を超す住戸は、できたとしても上階に数戸しか用意されない例が多いのです。

これは、昼間不在の共稼ぎ夫婦や単身者などなら許容できるはず、という売り手の発想のもとに企画されるからです。

このような地域では、広い専有面積の価値は高く、新築と変わらないほどの高値で取引されることが多いのです。

駅から10分ほどの場所には、徒歩5分圏の街並みとは異なって低層の住宅が並ぶといった風情があり、かつ緑多い環境となっていたりします。こうした落ち着いた場所のマンションは、そもそも数が少なく、また売り惜しみする人も多いので希少価値がますます高くなるのです。

そのような物件は新築時の価格も高いですが、買って損はまずありません。管理状態が良ければ築後15年くらい過ぎても経っても新築並みという例もあるのです。

これに対し、駅から5分前後と近くて便利な物件でも1フロアに3~4戸ずつの14階建て40戸前後のペンシルマンションとなると、人気エリアといえども新築が切れ間なく供給される一方、手狭感から売却する人も多いため、市場での希少性は乏しく、価格は弱含みになることが多いのです。

小型マンションを選ぶときは、以上のような点を踏まえて検討することが必須です。最後に留意点を整理しておきましょう。

①日照条件や開放感に注意する(周囲の建物の影響度に注意する)

②管理態勢に注意する(巡回管理は避ける)
③駅から徒歩10分までは許容範囲と考え、できるだけ広い住戸を選ぶ ④コンパクトタイプを選択する場合は、駅から徒歩2~3分といった「よりインパクトある近さ」のものにする ⑤外観・玄関デザインを注視し、より洗練され、上質感のあるものを選ぶ

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