マンションから「和室」が消えた?

ブログテーマ:元、大京マンが業界の裏側を知り尽くした目線で、マンション購入に関する疑問や諸問題を解き明かし、後悔しないためのハウツーをご紹介・・・・原則として、毎月5と10の日に投稿しています。

リクルート社が発行する住宅情報誌「スーモ」首都圏版には、掲載されている間取りで和室のあるものは皆無であることに気付きます。

スーモの検索サイトから、こだわりの項目「和室」を選択してみると「和室ありの物件」はないこともないのですが、2012年9月10日時点で東京都は764件の物件が紹介されていて、そのうち「和室あり」は99件、12.9%と確かに少ないのです。
埼玉県では110件中の41件(37.3%)、千葉県は66件中の28件(42.4%)、神奈川県は200件中の74件(37%)となっています。
地方に飛んでみました。大阪府は203件中の119件(58.6%)、愛知県は128件中の64件で丁度50%という結果でした。

スーモ誌に何故載っていないのかは、よく分かりませんが、広告映えしないからでしょうか?そう言えば、最近のモデルルームでは和室のあるプランを見かけなくなっていますね。しかし、和室に対するニーズは今でも根強く存在するはずです。

●和室が欲しい人の「欲しい理由」
最近のデータがないので、少し古いデータを持ち出すことをお許し頂くとして、リクルート社が2005年に首都圏でマイホーム検討者にアンケートしたときの回答は以下のようになっていました。

◆和室が欲しい理由は?
1位 親や友人が泊まりに来た時の寝室として使えるから 54.0%
2位 ちょっと横になりたい時に便利だから 50.9%
3位 こたつを置くなど居間として使えるから 37.0%
4位 趣味のスペースとして使えるから 18.4%
5位 じゅうたんよりも健康にいいから 15.4%
6位 親子で並んで寝られるから 15.3%
7位 赤ちゃんのオムツ替えなどのスペースとして使えるから 7.9%

番外に、転んでも安心、洗濯物を畳む、友達とお喋りする場所として、鍋パーティーをするのに使えるといった声もあったようです。

●多用途が和室の良さ
上記のデータでお分かりのように、和室は「多用途」がメリットという感じですね。設計変更を受け付けてくれるなら、洋室を和室に変更してもらうのも一考です。私なら、床面を高くします。

バリアフリーが当たり前の時代に高さを変えるなんて、という疑問の声が上がりそうですが、高齢者は5ミリ程度の段差があっても躓く(つまづく)ものですが、20センチも高くなったら逆につまづくことはないのです。上げた部分は収納スペースにもなり得るので、一石二鳥です。

もっとも、20センチも床を上げると、天井高が低くなりますから、可能なマンションは限られるかもしれません。

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