周りが反対しても買いたいマンションを選ぶとき

ブログテーマ：元、大京マンが業界の裏側を知り尽くした目線で、マンション購入に関する疑問や諸問題を解き明かし、後悔しないためのハウツーをご紹介・・・・原則として、毎月５と１０の日に投稿しています。

良さを測るモノサシが見つけにくい品物が世の中にはたくさんあるようです。例えば、500万円もするクロコダイルのハンドバッグ。１品生産で、注文してから半年もかかるのだそうです。
男の品物でもあります。１着100万円もするオーダースーツや50万円のビジネス鞄などが代表的です。男女差がない物では、自転車。１台30万円もする高級自転車がありますね。
時計などは天井知らず、1000万円を超えるようなダイヤ巻きの宝飾時計がありますね。

貴重なダイヤモンドを散りばめているからだろうと、少しは理解できるものもありますが、多くの場合、どうしてこんなに高いのか、門外漢には全く理解に苦しむ値段の品もたくさんあります。

ＴＶ番組に「何とか鑑定団」というのがありますが、ここへ持ち込まれる様々なお宝は、専門家による鑑定で所有者もびっくりするような値段が出てきたり、その反対に落胆が隠せない低額であったりと、物の価値はいろいろで素人には分からないことが多いと、視聴するたびに感じます。

●マンションの価値を決める要素は？
マンションの価格も随分幅がありますね。ファミリータイプで比較すると、3000万円を切る低額なものから数億円もする高額なマンションまで、ご存知のとおりです。
この差は、設備の差でしょうか？それとも仕上げ材の差でしょうか？構造の違い？ブランドの差？それらも確かに存在します。
しかし、それだけでは数千万円もの差にはならないのです。そうです、土地代の差ですね。郊外の土地は安く、都心の高級住宅街の土地は高いからです。

では、地価はなぜ大きな差が生まれるのでしょうか？簡単に言えば、需要の量の差ですね。言うまでもなく、土地は工場で再生産できるものではありません。「その場所」は唯一無二なのです。銀座4丁目の角の土地は、４箇所しかありません。

マンションの価値を大きく左右する立地条件、「その場所」が貴重な所であればあるほど用地費は高くなります。駅に近ければ、高層ビルの商業施設で埋め尽くされており、住宅に向くような緑多い環境の土地は滅多にありません。

駅に近くて便利、それで環境も良い、そのような場所に売り地があれば、マンションデベロッパ―は競って買収に動くでしょう。もし、入札方式で買い手を決める場合なら相場を吊り上げる結果で取引されることになるでしょう。
そのようにして取得した土地に建てられたマンションの分譲価格が、飛び抜けて高くなっても不思議ではありません。

人気があって稀少な土地にマンションを建てるとき、計画する建物もハイグレードなものとなるのが普通です。なぜなら、得難い場所のマンションにはお金を出し惜しみしない富裕層が集まって来るからです。つまり、富裕層の志向・ニーズに合わせてプランニングする結果、建物の中身も差別化されるのです。
場所も良い、建物も良いと評価されるマンションの販売は、売主の思惑どおり高額でも成功裡に終わるものです。

極論すると、マンションは立地条件が全てなのです。

●価値を認める人、認めない人
誰が見ても稀少価値あるマンションの話はさておき、よくあるタイプの立地条件、例えば駅から10分歩くとか、駅近ではあるがビルに囲まれた場所など、平凡な場所のマンションが多い中、その価値の見方は様々です。

高いと感じて購入を止める人、ちょっと高いけれど買いたいと瞬間的に感じて舞い上がる人、高いマンションだからこそ買ったのだと内心で優越感を持つ人、反対に、少し不便だが環境がいいし広い住戸が手に入るからと購入を決断した人などなど、例を挙げればキリがないほどあります。

これらは、人の価値観の差から生まれる結果行動とも言えます。つまり、マンションの価値を客観的に計測する道具はないのです。本人が良いと思えば、それは価値ある買い物になります。相対的には安く、お得な買い物と言えるのです。

●マンションの価値判断は客観的にも難しいテーマ
このブログの継続読者の方ならご存知のことと思いますが、私は購入検討者の応援を様々な方法で実施しています。購入物件の評価サービスも、そのひとつですが、これまで手掛けた数多くの評価事例の中には、明らかに割高とレポートしても最終的に購入されたご相談者が何人もありました。

高くても、つまり第三者の見方で価値に見合わない価格でも「ここに住みたい」という感覚が消えなかったのです。親や兄弟が反対した物件を、押し切って購入した人もありました。

このようなケースで私がお手伝いできたことは、「思い立ったが吉日」の格言通りに行動することの意義だったと思いますし、もうひとつは、絶対値引きしないと定評ある〇〇不動産などから僅かながら「おまけ」を引き出す方策でした。

マンション選びのポイントは、資産価値だけが条件ではないこと、完璧な物件はないこと、住み手が快適さを感じられるなら他人が何を言おうと関係ないことです。

言い換えれば、自分が満足と思う物件なら、その選択は間違いとは言いきれないのではないかと考えます。まして、そこに辿りつく過程で無知な判断をしたわけではなく、欠点もリスクも認識したうえで判断した場合、そこに「後悔」はないと信じます。

・・・・・今日はここまでです。ご購読ありがとうございました。ご質問・ご相談は「無料相談」のできる三井健太のマンション相談室（http://mituikenta.web.fc2.com）までお気軽にどうぞ。
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