新築マンションの供給が全エリアで活発化する

ブログテーマ:元、大京マンが業界の裏側を知り尽くした目線で、マンション購入に関する疑問や諸問題を解き明かし、後悔しないためのハウツーをご紹介・・・・原則として、毎月5と10の日に投稿しています。
今年は新築マンションの供給がかなり増えそうな気がします。市場調査を実施している不動産経済研究所をはじめとして、業界動向に詳しい各方面の予測では、前年度比で15%くらいは増えると言います。

しかも、都区部一辺倒だった供給が、どうやら首都圏全域で活発になる様子です。
今日は、この予測を踏まえて今年のマンション市場を占ってみたいと思います

●供給が増える背景
マンション需要が根強く存在することは、現場で販売をしていると肌で感じるものなのでしょう。マンションメーカー各社は、2008年のリーマンショック後に落ち込んでいた供給を増やそうとして来ました。2011年は3.11地震のために出鼻をくじかれた格好でしたが、既に土地を取得済みだったようで、2011年後半から震災の影響などを念頭に置きつつ、徐々に着工➔発売へとシフトして来たのです。

そこへ思いがけない消費税アップの政策が登場、駆け込み需要の発生を期待させることとなりました。

また、この1年くらいを見ていると住宅ローン金利が一段と低下し、35年固定のフラット35でも2.0%を割り込む状況がクローズアップされることとなりました。

さらに、震災で得た教訓からマンションメーカー、特に大手デベロッパ―は耐震性や防災に力を入れて、不安視していた買い手の安心・安全ニーズに対応しました。

こうしたことが背景となって、マンション市場は着実に活況を帯びて来たのです。

今年に入ってからは、誰も予想しなかったアベノミクス効果がマンション市場にも影響を与えつつあります。

●新規供給は首都圏全エリアで増えそう
この10年くらいのマンション市場を通観すると、特筆すべき変化は「都心回帰」でした。地価が安くなったところへ金利が低下したことで、都心のマンションが買いやすくなったからです。

過去40年間くらいのトレンドから言うと、都心・準都心では一戸建て住宅への願望を捨て、更にはマンションも諦めなければならないほど地価が高騰し、庶民はトコロテンのように郊外へ押し出される流れでした。ところが、バブル経済の崩壊後は徐々に反転して来たのです。

この流れを受けて、マンションメーカーも都心・準都心の供給に力を入れて来ました。このために郊外エリアは見放された格好となって来たのです。

数字は割愛しますが、首都圏1都3県の内、1都だけがマンション市場であるかのような「いびつな構造」でした。3県にも需要があるのです。3県から東京都内に通勤する人が多いのは事実ですが、県内に職場を持つ人だって当然たくさんいるのですから。

こうしたことに気付かない業界ではないのですが、郊外マンションの開発まで手が回らなかったのです。郊外より都心や準都心で開発する方が何かと効率もいいので、わざわざ郊外マンションに手をださなくともよかったという事情もあります。

しかし、供給を伸ばそうとなると、そうとばかりも言っておれません。なにせ、土地が買えなければ仕事にならない業界なのですから。

そんなことで、郊外でも大規模開発が増え始め、昨年は大型物件も多数登場し、かつよく売れました。今年は、その流れに勢いがつきそうです。

●消費税アップ前の駆け込み需要が発生
消費税アップ分を相殺する政策、すなわち住宅ローン控除の拡充は、正式に決まりました。しかし、この政策の恩恵をすべての買い手が受けるわけでもありません。

年収や借入金額によっては、増税前の方がメリットありというのは事実です。

そのせいかどうか、ある調査によれば増税前に買いたい、つまり駆け込み需要に相当する人がマンション取得を計画中の人の中で3割強もあるのだそうです。
これは、大手7社が行なったアンケート調査によるもので、消費税の増税前に駆け込み購入する予定の人は31.8%と発表しています。

この調査は2012年12月実施なので、その後は数字が変動しているはずです。

ともあれ、この3割を皆さんはどう思いますか?10割でなくて良かったとも言えるのですが、3割のパワーは実はとても大きいのです。今年はマンションブームの年になりそうです。いえ、もうその兆候は表われています。
おそらく買いたくても物件がなくて見送って来た買い手が、今年は購買を現実のものにして行くことでしょう。

●周囲のムードに我を忘れないことが肝腎
ブーム状態は、ある意味で危険です。ふだん冷静な人も、販売事務所(マンションギャラリー・モデルルーム)の熱気に包まれると興奮状態になってしまいがちだということです。

このような時期は、まるでバーゲンセールの会場のような状態になる例が多く、大して優良とも思えない物件でも魔法にかかったように行動に走る人が増えます。
モデルルームや展示物、映像などと、来訪者の熱気によって舞い上がってしまう人、そこへ「早くしないとなくなる」と煽る販売員の声。

買わなきゃ損という空気が蔓延し、その雰囲気に呑まれるのでしょう。バスに乗り遅れまいと慌てる人々。自分はそうならないと自信ある人こそ、実はこの罠に嵌まるのです。

ここ1週間くらいの金利の動きを注視していると長期金利が急上昇しています。この先どうなるのか心配です。「だから急いでいる」としたら、大きな誤りです。
住宅ローンの金利は、融資実行時のレートを適用するからです。
従って、来年の3月引き渡し物件は来年3月の金利によって融資されるのです。慌てて購入したものの、そのときになってしまったと言っても後の祭りです。「金利が上がる前に」が有効なのは、完成済み物件や中古物件で引き渡しが早い場合だけです。

これは一例です。機会があれば別の例も述べようと思いますが、ともかく肝に銘じて欲しいのは、「急いてはコトを仕損じる」ということわざです。

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