不動産はタイミングだなって思うこと

ブログテーマ:元、大京マンが業界の裏側を知り尽くした目線で、マンション購入に関する疑問や諸問題を解き明かし、後悔しないためのハウツーをご紹介・・・・原則として、毎月5と10の日に投稿しています。

購入予定マンションの評価を寄せて来る人の90%以上は、10年から20年の間に売却する可能性が高いので、資産価値の見通しを知りたいというものです。
勿論、「マンション評価サービス」を提供している筆者にその依頼が多いのは当然とも言えるのですが、少し前、永住するつもりで買いたいという70歳代の人から検討マンションについての診断を依頼されました。珍しいことです。

その人とのやりとりの中で、改めて感じたことをお話ししようと思います。

売らなければ損も得もないのだが・・

評価を依頼されたマンションは、郊外都市にあって資産価値としては決して高いものではありませんでした。しかい、永住する人には関係ないことでした。

夫婦二人、ここで最期を迎えたい。それまで快適に暮らしていける住まいかどうかが問題でした。高級でなくて良い、災害に強いかどうかや、通風、採光、防犯性、遮音性、それに加えて管理費の安いことなどが主眼だったのです。
有料老人ホームやケア付き賃貸マンションも考えたそうですが、若い人たちも同居する一般のマンションで暮らしたいと結論づけたそうです。子供に美田を残す気もないと言っていました。

将来、この老夫婦がそのマンションに住み続けるかどうかは分かりませんが、売却しない限り、資産価値が目減りしても実損はありません。

この夫婦のケースは例外と言って良いでしょう。殆んどの人が、同じマンションに永住することはないので、売却する可能性が高く、売却資金を次の住まいのために必要とするはずです。ゆえに、マンションを購入するときは資産性の視点を忘れないようにしなければならないのです。

値上がりマンションに出会うタイミング

首都圏(主に東京都)では、自宅マンションを買い替えるにあたり、購入時の価格から何%か値上がりして喜んでいる人が少なくありません。最近2年くらいのことですが、そんな実例にたびたび遭遇します。

当事者は謙遜気味に語るものの、「自分の眼が確かだった」と考えている人がいます。しかし、さほど価値の高い物件とは思えず、筆者の判断では単に幸運だっただけなのです。

本当に確かな目で選択した物件なら、もっと値上がりしたことでしょう。「知らぬが華」とも言いますから、「良い選択をなさいましたね」と言うに留めておくのですが、運が良かったとする根拠はこうです。

東京都全体で見ると、この10年間に新築マンションは25%も値上がりしました。連れて中古相場も20%上がりました。新築が上がると割安な中古に注目が集まり、やがて中古も値上がりします。つまり、新築と中古の価格は連動するのです。

考えてみて下さい。新築価格が10年間に100から100と変動しないときは、築10年の中古は80くらいが相場です。しかし、新築が100から125になったときは、10年前の新築が10年後に80では納まるはずがないのです。125対80と差が大きくなり過ぎ、中古の割安感が際立つからです。
その結果、築10年の中古は100くらいになる、すなわち買い値と変わらない好結果を得ることができるわけです。

新築価格が上がれば、連れて中古も値上がりする法則は、10年物件ばかりでなく、もっと古いマンションの相場にも適用できます。

もちろん、全ての中古マンションがそうなるわけではありません。
おしなべてそうではあるものの、マンション個々に見て行くと、その差はびっくりするほど大きいことに気付きます。

あるマンションは50%も値上がりし、あるマンションはたった10年で半分に値下がりしています。このような実例は枚挙にいとまがないのです。個別要因がやはり大きいと断っておきます。

話を戻しましょう。たまたま新築マンションの値上がり前のタイミングで購入すれば、売却時に恩恵を受けることになる一方、運の悪い場合は結果的に高値で購入してしまい、売却で損失が大きくなることもあるわけです。

ただ、「底値で買い天井で売る」のは株の世界では極めて難しいとされますが、不動産でも簡単なことではありません。

新築供給が停滞しているタイミングでの売却

中古マンションの価格は需給関係でも決まります。新築の供給が少なければ、中古物件が取引の中心になり、上質な中古物件は新築並みの価格になっているものです。

ここで言う需給関係とは、広域の首都圏というより、また東京都全域といった広域でもなく、もっと狭いエリア、例えば駅単位、沿線単位での数字のバランスになります。

各エリアにおいて新築の供給が極めて乏しいときなら、おしなべて中古物件は高値になるのですが、それでも物件固有の条件によって大きく異なります。

固有の条件とは、建物品質と立地条件とに分けて調べると、立地の要素が大きいことが分かります。駅から近い方が高く、自然環境や街並みが整っている方が高いのは言うまでもありません。

我が家だけが値上がり―そのタイミング

かつて都内某所のマンションに住んでいた筆者は、購入時から値上がりした我が家の値段に驚き喜んだものの、対照的な買い替え先を前に岐路に立った経験を持ちます。

都内から都内に移転すれば売値の2倍の買い物になり、都内から横浜市に移転するなら売却金からお釣りが来る、さてどうしようという場面に遭遇したのです。

転居先の違いには理由があったのですが、割愛します。これは我田引水の実話です。

都内のマンション相場が全般に急騰していたときでしたから、我が家だけが値上がりしたのではなく、都内の別の場所も高い相場になっていたため売却資金だけでは足りませんでした。広さも大きいものを望んだため、売却価格と購入価格に2倍もの差ができたというわけです。

一方、横浜市はその時点で相場が安定していました。そのおかげで売却資金からお釣りが来るほどの安い物件が選べたのでした。(その後、横浜も値上がりに転じた)

同じようなエリアでは、我が家が値上がりすると買い替え先の物件も値上がりしています。
従って、喜びも束の間に終わるというものです。

しかし、値上がりしていないエリアに目を転じれば、少ない予算で買えることもあるのです。例えて言えば、東京のマンションを売って札幌に行けば、半分の予算で都心の快適な住まいを手に入れることが可能なのです。

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今日は不動産売買のタイミングの問題をお話ししましたが、最後に念を押しておきます。

それは、タイミングを測っての売買ができないお家の事情があるのも事実です。従って、いつなんどき売却のタイミングが来てしまっても有利な条件で売れる「価値あるマンション選び」が重要だということです。

・・・・・今日はここまでです。ご購読ありがとうございました。ご質問・ご相談は「無料相談」のできる三井健太のマンション相談室(http://mituikenta.web.fc2.com)までお気軽にどうぞ。

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