「再開発で資産価値が上昇」の落とし穴

ブログテーマ:元、大京マンが業界の裏側を知り尽くした目線で、マンション購入に関する疑問や諸問題を解き明かし、後悔しないためのハウツーをご紹介・・・・原則として、毎月5と10の日に投稿しています。

再開発で街並みが整備され、美しさと便利さ、防災機能が増せば、土地の価値は上がり、そこに建つマンションの価値も上昇します。言うまでもないことと批判を受けそうですが、そこに盲点や落とし穴はないのでしょうか?

●街ぐるみ再開発の中のマンション

鉄道の駅ができ、早くから人口が集中して発展して来た街は、首都圏には無数にあると言えます。その街もやがて都市としての機能を失い、廃れて行く場合があります。そこで、活性化を図る策が練られます。

ある種の「街起こし」ですが、東京の場合は地方都市のそれとは違って、建物を造り替えるだけでも、かつての活気を取り戻すことができる場合が多いようです。

街ぐるみの造り替えは、グランドデザインと呼べばいいのでしょう。一般には、商店街と商店街に続く大型の周辺施設(工場や倉庫など)などが一体的に新たなデザインのもとに作り替えられます。
再開発組合が結成され、何回も何十回も話し合いが持たれて計画されるのですが、組合員だけでは困難のため、建築コンサルタントやゼネコンなどの専門家の助けも借ります。

住宅(マンション)と商業施設、医療施設、スポーツ施設などと憩いの広場や公園、車道と歩道が分離された安全な道路、地下化された電気やガスなどのインフラなど、完成予想図は美しい景観とともに便利で美しい街並みとして描かれます。

しかし、核店舗の誘致活動や容積率の緩和などで行政との折衝も必要な場合が多く、着工に漕ぎつけるまでの苦労は大変なものがあります。

おびただしい手間と時間をかけ、利害を調整しながら次第に形を成して行きますが、計画が実現するまで10年も20年もかかってしまうのは普通のことと聞きます。

ともあれ、このようにして造られるゆえに、その中に建つマンションは街ぐるみのグランドデザインがベースとしてあり、駅前の利便性と環境の良さを両立する得難い物件となるのです。

●再開発便乗型のマンション

再開発エリアは、ここからここまでと線引きされて実現しますが、線の外側エリアも良い意味で影響を受けます。余波が来るのです。おこぼれと言って過言ではないでしょう。

エリア外であっても、近隣の住民は恩恵に浴するはずです。当然ながら、住まいの価値も上がります。
便利で綺麗な街ができる、そのそばなら価値があり、かつ人気を集めるはずと読むマンションメーカーは、近傍に売り地が出れば、直ちに取得に走ります。

再開発プロジェクトと直接の関わり合いを持たないで済む土地は、着工までの時間も早く、ときとして再開発によるマンションより先に着工も販売も先行できるのです。

このようなエリア外のマンションを便乗型物件と呼びます。ときどき見られます。販売に当っては、必ず再開発の完成形を示し、価値あるマンションだとアピールしています。それはそれで結構なことです。

●10年先の価格を先取りした割高物件も

さて、街ぐるみの再開発エリアにできるマンションが、その将来性を買われて高い人気を博すという例があります。というより、大抵は人気沸騰という状態になるようです。

人間なら誰でも経済的な欲望を持っています。ゆえに、どうせなら値上がりしそうな物件を買おうとするのでしょう。再開発エリアのマンションは、ほぼ間違いなく利便性と環境の両立型で稀少な物件となります。従って、高い資産価値が付きます。

ところが、ここで欲に目がくらんだ人は失敗をしかねません。その理由はこうです。

街ぐるみの再開発には様々な利害がからみます。道路その他のインフラ整備にもコストがかかりますし、地権者の仮住まいの手当てなどにも配慮が必要です。結果的に、マンションの分譲価格は高く設定しなければならない場合が多いのです。

その価格は、しばしば半端なものではなくなっています。完成後の資産価値に対して与えたようなレベルになっているのです。例えていえば、10年年先の価格で分譲しているのです。。

買い手が描く思惑は、「今はまだ不便だし環境も未整備だから我慢しなければならない。その代わり価格は安い。しばらく我慢すれば、便利さと美しい街並みが手に入り、かつ資産価値は大きく跳ね上がる。だから今のうちに買っておこう」なのです。

ここに大きなイメージギャップがあるように感じます。発展途上なりの現状価値に則した価格ではなく、最初から完成後の価値で設定した販売価格になっている例が散見されるのです。

再開発エリア内のマンションは、間違いなく資産価値が向上します。100が200になるのです。現状の街並みからは到底想像できない完成予想図を見たら、価値が上がらないわけがないと誰でも思うものです。

しかし、200になることを見越して200の値段がつけられていたなら、その品を買っても儲けることはできません。ここが盲点、ここが落とし穴なのです。

再開発マンションに期待し過ぎとならないことを祈るのみです。

最後に、デベロッパ―各社の名誉のために補足しておきますが、決して法外な利益を得るために高い価格を設定しているのではないのです。上述のように、再開発はコストがかかるものなのです。

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