湾岸エリアは供給過剰に?

ブログテーマ:業界の裏側を知り尽くした目線で、マンション購入に関する疑問や諸問題を解き明かし、後悔しないためのハウツーをご紹介・・・・原則として、毎月5と10の日に投稿しています。

五輪関連で人気急上昇の東京湾沿い、中でも選手村が見える中央区晴海エリアや競技施設に近い江東区有明、新豊洲エリアなどは、モデルルーム見学者数が「うなぎ上り」なのだそうです。そんな中、同エリアでは大型物件が次々に売り出されます。

その数は、1棟のマンションで1400戸を超えるものがあります。供給量は現時点でもすごい数です。山手線「田町駅」から東の、やはり湾岸エリアにも大規模マンションの開発が進んでおり、同エリアは新築マンションの供給が過剰ではないかという声も聞こえて来ます。

今日は、マンションの供給過多の問題について語ろうと思います。

マンションの買手はどこから来るのか

普通、新築マンションが売り出されると、真っ先に興味を持つのは地元と言われる最寄り駅を中心に同じ沿線の2~3駅を含めて描いた楕円形状の中に住む需要層です。

近いことが親近感を生むということ、住んでいるから街の魅力をよく知っており、離れがたい心理があるためなどによると考えられます。

昔住んでいた、親や兄弟が今も住んでいる、勤務先が近い、友人の家があるなどの事情が関心を呼ぶ場所ということもあります。これらは、全て地縁性と呼びます。

地縁性が全くないエリアに購入する人もあります。偶然見つけた広告に惹かれてとか、友人が購入するらしいという噂を聞いて、社宅の同僚が買ったと聞いてなどのきっかけで興味を持ったなどという例です。インターネットのマンション紹介サイトで検索しているうちに予想外のエリアに辿り着き、縁もゆかりもないエリアに買う人もあります。

かつて、マンションの広告といえば、「チラシの新聞折り込み」と「新聞紙面広告」、SUUMOなどの「雑誌広告」が中心でした。その結果、モデルルーム見学者の住所は特定の範囲に集中していて、広告効果は限定的でした。

地縁性をテコに顧客動員を図ろうとすれば、地元人口(地元需要)が多いエリアが有利です。ところが、人口が密集していない新興住宅地や湾岸エリアのように倉庫や工場などの業務集積地でマンションを開発するときがあります。このようなときは、地元エリアに頼ることはできません。

そこで、広告戦略も変えることになります。また、商品の魅力も一段と高める必要があるのです。

インターネットが普及してからは、売主が予想もしない広範囲の集客が可能になったと言われていますが、それには「付加価値の高いプランニングであること」に加えて、「価格が安い」とか「有名タレントが登場する広告」などが必須条件になるのです。

かつては、オードリー・ヘップバーンやリチャード・ギアを起用した広告、最近では石川遼や米倉涼子を起用した広告などが思い出されます。

供給過多の懸念は大きい

さて、湾岸エリアは「都心に近い割には安い」という定評があります。また、大型開発による付加価値の高いマンションが中心のため、何千組という見学者を呼ぶ傾向が強いのです。

つまり、商品の魅力によって広範囲に顧客を獲得できるので供給過多の心配は少ないというわけです。しかしながら、限界はあるはずです。

現時点で湾岸エリアには「KACHIDOKI THE TOWER(1420戸)」と、「DEUX TOURS CANAL&SPA (ドゥ・トゥール)1450戸」の2物件が販売開始直前にあります。

まだ価格が明らかになっていませんから今日時点では何とも言えませんが、二つの物件がまともに顧客争奪戦を展開することになりますし、継続販売中の「ザ・パークハウス 晴海タワーズ(全1744戸)」もあります。
さらに、「ザ・パークハウス 晴海タワーズ」の隣地は、三井不動産レジデンシャルが計画しているようです。

例を挙げるのはここまでにしますが、勝どき駅、月島駅圏内だけで、判明している供給戸数は5000戸もあるのです。

また、晴海エリアには、オリンピック選手村が建設されます。選手村の住宅が民間業者に払い下げられて賃貸または分譲マンションとなる予定です。その数は数千戸に達すると見込まれます。

今後明らかになって来るものを合計すると、おそらく10年後までには10,000戸を超えるのは間違いありません。東京で大量供給が可能なのは、湾岸エリアに限られます。湾岸エリアには、広大な遊休地や倉庫跡などの広い土地が多いからです。勝どき駅や月島駅のほか、港区の田町駅、品川駅(芝浦や海岸アドレス)、有明エリアの江東区を合わせると20,000戸くらいになるはずです。

東京都の年間供給は、約20,000戸ですから、10年で20万戸と見て、その10%を湾岸エリアだけで占める計算になります。広い東京で10%のシェアを握るというのは大変なことです。こう考えると、湾岸エリアは供給過多の可能性が非常に高いと見られます。

マンションに限りませんが、モノの値段は需要と供給の関係で決まるのですから、供給過多となると、値段は下がることになります。

競争力の高い物件を選択することが必須であるが・・・

湾岸エリアのマンションは、広い敷地に、一から街づくりができるという利点を備えていることから、綺麗な環境を備えた魅力的なマンションが開発できます。このため人気を博し、供給戸数に準じた需要を呼び起こす、言い換えると首都圏の広いエリアから買い手を動員できる強みがあるのです。

湾岸エリアの商品を分析すると、どれも優良で魅力的です。しかし、似たり寄ったりでもあります。

簡単に言うと、駅に近くて1000戸前後の大規模タワーマンション。共用施設がふんだんに盛り込まれ、24時間有人管理とコンシェルジュ付きの管理サービス。しかも、リバー(運河)フロントにあって眺望に優れています。

どこまで需要を集め続けるのかは、今のところ読めません。しかし、先に述べたように大量供給が需給バランスを崩す可能性は高いのです。そんなエリアに購入した場合、将来の価値、すなわちリセールバリューはどうなるでしょうか?

高い価値を持つ新築マンションが次々に販売されていく状況においては、中古が新築並みの価格を支持される確率は低くなります。
その中にあって我が家が格別な魅力ある物件かどうか、その点をよく吟味することが必須です。言い換えれば、希少価値の高いロケーションにあるかどうかです。建物スペックやクォリティに差がないからです。

価格の安さもカギになるでしょう。というのも、人気に乗じているわけではないはずですが、どうも数年先の価格を先取りしたかのような高値の物件も出て来る可能性を感じるからです。

理想を言えば、駅から5分以内と近くて親水公園の前、当然リバー(キャナル)ビュー、将来も眺望を遮断する危険がない、そのような物件が得難い(希少性が高い)ものとなり、望ましいと言えましょう。

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