施工ミス相次ぐ
- 2014.06.10
- マンションの施工
ブログテーマ:元、大京マンが業界の裏側を知り尽くした目線で、マンション購入に関する疑問や諸問題を解き明かし、後悔しないためのハウツーをご紹介・・・・原則として、毎月5と10の日に投稿しています。
●施工ミス事件の概要
建物が傾くという考えられない危険な分譲マンションが横浜市で発覚したという事実が3日前に報道されました。
報道によれば、「住友不動産(東京都新宿区)は7日、平成15年に販売した横浜市のマンションで、建物を支えるくいの長さが足りない施工ミスが見つかったと発表した。建物がわずかに傾いており、同社は“安全性が担保できない”として住民に仮住居への転居を呼び掛けている」というのです。
ミスがあったのは準大手ゼネコンの熊谷組が施工した横浜市西区の「パークスクエア三ツ沢公園」。全6棟260戸のうち約60戸が入る1棟で、くい数本の長さが不足し「支持層」と呼ばれる強固な地盤に達していなかったということが分かったと伝えています。
住民で作る管理組合によると、6棟のうち2棟をつなぐ渡り廊下に「ずれ」が見つかったが、住友側が当初は「問題ない」としたため、住民側が1級建築士に依頼。古い地形を調べて設計図と照合したところ、杭が旧地形の地表に届いていない可能性が浮かんだ。
住民の要請で住友側はボーリング調査を実施。4月になって、約60戸が入る1棟の杭の長さが不足し、強固な地盤部分まで到達していない可能性が高いと判明した。体感はできないが、この棟が部分的に沈下したり傾いたりしているという。
建築基準法施行令はマンションなどの大きな建築物について、杭を「支持層」と呼ばれる強固な地盤まで打ち込んで固定するよう定めている。杭の長さが不足すると重みを支えられず、建物が傾いたり沈下したりする可能性があるほか、地震に対する安全性が低下する恐れがあるという。
住友側は「安全と言い切れない」として、問題が発覚した棟の住民向けに仮の住居を無償で用意。6月から一部の住民が引っ越しを始めた。他の棟も問題がないか調査を進めるほか、横浜市も両社から報告を受けて調査を始めた。
住友不動産は「売り主の責任を痛感している。修繕や建て替え、買い取りなどあらゆる手段を検討する」と説明。熊谷組は「コメントできない」としている。
以上、各種報道から引用させていただきましたが、これは実にショッキングな事件です。
建物が完成してから約10年、その間に東北太平洋地震(東日本大震災)をはじめとして何度も地震が来ていますから、倒壊しなかっただけでも不幸中の幸いとも言えますが、ゼネコンに対する信頼が揺らいでしまいました。
今年になって、大きな施工ミス事件は他に2件発生しています。鹿島建設(発注者:三菱地所レジデンス)と、清水建設(同:三井不動産レジデンシャル)で、いずれもスーパーゼネコンです。
鹿島の例は、完成したばかりのマンションを解体し建て直すという前代未聞の事件でした。売主の三菱が完売していた売買契約をすべて解約し、買主に手付金の3倍返しを実施するのだとか。 三菱は鹿島に損害賠償を請求することになりそうです。ただ、解約を迫られた買主の中には計画が狂ったことで怒り収まらずという人もあると聞きます。
三井不動産レジデンシャルの方は、将に分譲販売中の物件で、建設途上に柱・梁にひびがあることが分かり、再施工 するというもの。報道によれば、「川崎市は2014年3月31日、同市内で建設中の超高層マンションで、4階部分の柱と梁の一部にひびや剥離が見つかったことから、不具合のある部分などを解体・撤去し、再施工することになったと発表した」というもので、販売は中止され、販売センターもクローズしています。
今回の事件は、マンション業界、ゼネコン業界を揺るがしただけでなく、マンション居住者に「うちは大丈夫だろうか」という疑念と不安を与えていますし、現在購入を検討している人たちにも疑心暗鬼を引き起こしているに違いありません。
●大手業者だったから良かったとも
ある日突然マンションが倒壊するなどということは万に一つもないと信じたいですが、巨大地震が来たときなどに、想定外のことが起こらないとは誰も断言できません。
今回のように建物が数センチ傾いた程度であれば、原因を究明し、人身事故につながらないうちに対策が打てるというものです。
また、瑕疵担保責任期間の10年を超えていたら、法的には業者に補償責任はなくなりますが、住友不動産のような財力のある大手業者なら「信用保持のために」買い取ってもらうことも可能です。
これが中小マンション業者や中小ゼネコンの施工マンションだったら、そうは行かなくなります。
●販売に影響か?
今、マンション業界は、建築費の高騰に悲鳴を上げていると言われます。建設にかかりたくても請負業者が決まらないため、更地のまま放置している土地が増えているというのです。
何とかゼネコンを決定し工事着工に漕ぎつけても、当初の計画から大きく上がった販売価格に、現場では恐る恐る様子を見ながらの販売活動となっているのが実態です。
そんな中、今回の事件で客足に影響しないか不安視していると聞き及びます。
このような危機のとき、マンション業者は何らかの対策を講じて来るものです。それが何かは分かりませんが、現場では顧客に安心してもらうための検査方法などを提示することでしょう。
少なくとも筆者はそう信じます。よもや、何も手を打たず「当社および施工業者を信じて下さい」などと言うだけとは思いません。
今、その策を模索中かどうかは定かではありませんが、マンション業界とゼネコン業界の良識ある対応を静観したいと思います。
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