高級マンションと高機能マンション

ブログテーマ:元、大京マンが業界の裏側を知り尽くした目線で、マンション購入に関する疑問や諸問題を解き明かし、後悔しないためのハウツーをご紹介・・・・原則として、毎月5と10の日に投稿しています。

前回のBLOGでマンションの付加価値について述べましたが、今日は切り口を変えてその続きを述べようと思います。

●高機能マンション

分譲マンションには、前回述べたように様々な便利さや安心・安全を提供する施設、設備が付加されています。

コミュニティルームやパーティルームなど、キッズルーム、ゲストルーム、防災倉庫といった共用施設、設備的には、宅配ボックス、セキュリティシステム、太陽光発電システム、電気自動車の充電器などです。

管理サービスの分野にも、「24時間有人管理」や「ライフサポート」、「カーシェアリング」などが見られます。

こうした機能やサービスは、物件によって異なります。大型物件ほど充実していますが、小型マンションではコスト増を吸収しきれないため限定的です。大雑把に分けると、大型物件は高機能マンションと言えるものが多いのです。

共用の施設・設備も、1軒当たりにするとコスト高がしれている大型マンションと、1軒当たりでも大きく影響する小型マンションの差が表われるというわけです。勿論、小型マンションでも比較的機能性の高いものがあるのは言うまでもありません。

前回のブログで挙げなかった専有部分にも機能性の高いものと低いものがあります。こちらは、全住戸に付加するわけですから戸数に関係なくコストアップとなります。従って、高機能を売りにしている物件は高価格を覚悟するということとなります。

いくつか、例に挙げてみます。

先ずディスポーザーですが、これにも普及タイプと高機能タイプがあるのです。

ディスポーザーは水を流しながら使うのですが、スイッチを押すと自動的に水が流れるようになったものがあります。これが高機能タイプです。
普及タイプの方は、まず水道のレバーを上げて水を出してからディスポーザーをオンにするという2段階の作業が必要です。

便器でも高機能タイプと普及タイプがあります。トイレに足を一歩踏み入れるだけで便器の蓋が自動的に開くものと手動式のもの、自動洗浄機能がついたもの、そうでないものなど、幅があるのをご存知と思います。

最近新たに登場した機能では、自動洗浄機能付きのユニットバスがあります。暖房・乾燥機能付きだけのユニットバスもありますし、これにミストサウナが付いた高機能タイプもあります。

キッチンの引き出しでは、引き出しのソフトクローズ機能が最近は一般化してきましたが、旧式のマンションもまだあります。。

住宅資材としては、「複層ガラス」が挙げられます。一枚ガラスではなく、空気を間に挟んだ二枚ガラス仕立ての窓サッシは、断熱性が高く結露ができにくいことで採用例が増えていますが、その複層ガラスも3ランクくらいに分かれるのです。

共用の施設や、共用・専用の設備等を付加すれば、大なり小なり価格が上がるのは当然ですが、それでも一定の機能を求める需要が顕在化し、最低限これだけは外せないという機能が最近はずいぶん増えました。

リビング・ダイニングに床暖房のつかない物件やお風呂の自動調節機能(オートバスいステム)が付かない物件を見つけることは難しくなりましたし、オートロックのないマンションは皆無といってよいほど普及しているのですから。

●高機能マンションが高級とは限らない

共用、専用を問わず高機能のマンションが増え、一般化した以上、それらが付加されていても、特に高級というわけではないことに注意しなければなりません。

ところで、機能だけなら何ら普及品と変わらないのに、普及品の10倍も100倍も高い有名ブランドのハンドバッグがありますが、あの価格差はどこから生まれるのでしょうか?

その答えはともかく、マンションでも機能はさほど変わらない、むしろ足りないというのに高級マンションと目される物件があります。

規模が大きくない物件では、キッズルームやゲストルームなどの共用施設は少なく、設備的にも太陽光発電などはありません。それでも高級マンションとされる物件が存在するのは事実です。高機能と高級は同義語ではないのです。

では、機能性はともかくも高級と言われるマンションは一般のマンションとどこが違うのでしょうか?  次でそこを明らかにしていきましょう。

●高級マンションは場所が違う

建物が高級というだけでは高級マンションとは言いません。
いわゆるブランド地などに立地して、はじめて高級マンションになるのです。

高級マンションは高額マンションでもあります。高級マンションを求める富裕層は、価格の高さを承知でブランド地、言い換えればアドレスにこだわるものです。建物が立派なだけではステイタスシンボルにならないからです。

高級マンションはブランド地にあり、ブランド地は都心にあるものです。

ブランド地は都心の利便性を備え、かつ環境が良いという希少性を持ちます。ここに例外はないと言っても過言ではありません。

●高級マンションはこだわり箇所が多い

高級マンションには、「ここは普通でいい」といった手抜き箇所は少ないものです。

外周のフェンスやゲート、中庭などの外構にも力を入れます。 フェンスは簡単に乗り越えられない高さがあり、赤外線センサーで防御していたりもします。フェンス自体もネットフェンスなどではなく、レンガの土台と重厚感のある鉄製・鋳物製などのフェンスにしたりします。

敷地のオープンスペースは花壇や植栽で埋め尽くさんばかりとし、機械式駐車機が鎮座していたりはしません。車はすべて地下格納式としています。

共用玄関の扉は重厚感があって中が覗けないようなデザインになっていたりします。車寄せやキャノピー(天蓋てんがい)は当たり前にしつらえられます。

エレベーターは、額縁、籠の中ともに、5つ星ホテルで見るような上質で高級なデザインになっています。エレベーターホール全体も、特別な印象を与えるデザインと仕様にこだわります。

専有部でも、仕様は明らかに違ったものとなっています。洗面台とボウル、建具とドアハンドル、水栓金具などの材質とデザインは高級というだけでなく洗練されたものが選ばれています。

また、床材もグレードが違います。玄関や廊下は天然石貼りが普通で、タイル貼りとフローリング貼りの一般マンションとは一線を画すものです。洗面所の床でも、一般マンションはCFシートですが、高級マンションではタイルや天然石貼りにします。

居室に使うフローリングでも、一般マンションは、木目模様が印刷された「オレフィンシート」という合成樹脂を張り付けた「シートフローリング」であるのに対し、「無垢材(1枚板)のフローリング」や、複合(合板)でも表面は薄くスライスした天然木の「挽き板」のフローリングを採用します。

●高級マンションは共用部の仕上げ材が違う

高級マンションは内廊下式が当たり前ですが、その仕様も一般のマンションとは異なります。

床はタイルカーペットなどでなく、ホテルなどで使われる大盤の絨毯、勿論グレードの高いものが使われます。タイルカーペットを使う場合でも、グレードは一般マンションより上級です。

また、壁や天井も仕様に手抜きはありません。壁はビニールクロス張りなどではなく、板張りであったり、特殊な壁紙を張ったりします。

エントランスホールやロビー、ラウンジといった共用空間の仕上げはこだわり方が特に強いものです。 これはデザインなので、パターン化したものはありませんが、イタリア産の天然石やカナディアンメープルやチーク材などの高級材を用いたりします。

また、彫像やソファ、照明器具なども良い物を厳選して配置します。

●高級マンションは間取りが違う
高級マンションは全体的に専有面積の広いタイプで構成されています。

単身者用の1LDKでも60㎡くらいになっていますし、100㎡で2LDKなどという、ゆったりした間取りが多いのです。

面積だけでなく立体的にもゆとりある住戸とします。つまり天井高が一般マンションより高く設計します。天井は織り上げて飾りを付け、シャンデリアが似合う空間とします。

浴室は広め、洗面所もゆったりしたレイアウトとします。お洒落空間の洗面所に生活感あふれる洗濯機を露出させない工夫も見られます。

●高級マンションは施工会社も一流を起用する

売主や施工会社のネームバリューも高級マンションでは必須条件になっています。

具体的な企業名を挙げると、筆頭は竹中工務店ですが、高級マンション購入者のステイタス志向にこたえる策として起用する売主が多いのです。

設計も一流の設計事務所の有名建築士を指名したりすることも多いのです。

作品は美術品とも言うべき素晴らしい出来栄えになります。

●高級マンションは管理ソフトも違う

前回も述べましたが、超高級マンションでは、敷地入り口付近にゲートが設けられていて、そこに門番が立っている例もあります。高級マンションでは、規模の大小に関係なく管理人を常駐させ、コンシェルジュは当然のごとくで、ポーターサービスを設けている例もあり、大いに購入者を喜ばせます。

**********************

マンション選びは、誰でも予算と相談しながら、できるだけ満足感の高い物件を目指すことになるはずです。完璧な物件を手にすることは困難ですが、機能性だけに囚われず、また、モデルルームだけに眼を奪われず、共用部各所のグレードや外構などにも是非 目を向けて欲しいのです。そんな思いから、今日の記事を投稿しました。

・・・・・今日はここまでです。ご購読ありがとうございました。ご質問・ご相談は「無料相談」のできる三井健太のマンション相談室(http://mituikenta.web.fc2.com)までお気軽にどうぞ。

★三井健太のマンション相談室は、マンション購入のお悩みにお答えするサイトです。

★「無料の未公開情報」や「マンションWEB講座」など、お役立ち情報も多数掲載されています。

★好評「マンション無料評価サービス」のお申込みはこちらから➔➔➔➔➔➔➔➔➔➔➔http://mituikenta.web.fc2.com

★あなたの購入マンションの将来価格をズバリ予想 :好評承り中!!「ご購入マンションの将来価格 予測サービス」➔➔➔詳細は上記ホームページで

ご契約済み住戸でも可能です。お試しください。

★新築も中古も物件検索はこちらが便利➔➔➔➔➔➔➔➔http://mituikenta.web.fc2.com/index2.html