品薄・価格高騰のマンション市況の中で

ブログテーマ:元、大京マンが業界の裏側を知り尽くした目線で、マンション購入に関する疑問や諸問題を解き明かし、後悔しないためのハウツーをご紹介・・・・原則として、毎月5と10の日に投稿しています。

毎週欠かさず住宅情報誌「SUUMO」に目を通しますが、首都圏版2014年7月22日号は304ページしかありませんでした。最近3か月くらい、薄いSUUMOが続いています。

例年、夏は掲載物件が減るのですが、多いときは1000ページにもなるので、あまりにも差が大きく、これはマンション在庫の減少を示す証拠と考えています。

東日本大震災で落ち込んだマンション販売が、その後は回復して堅調を持続しています。消費税の増税による駆け込み需要、その反動減などもあまり大きくないとされます。

今、マンション業界にとって一番頭の痛い問題は建築費の高騰で、予算を大きくはみ出すという実態が続いていることにあります。

「土地はある。建築許可も受けた。あとは着工するだけだ。だが、受注してくれるゼネコンがない。10社を指名して見積もりを頼んだが、そのうち5社から工期を守れそうにないのでお断りすると言われた」 このような声が大なり小なり各社共通で出ているのです。

その状況はもう1年以上続いていると言われますし、潮目が変わる兆候も全くないそうです。背景と原因は前にも書きましたので割愛しますが、困ったことです。

今年上半期の首都圏・新築マンション発売戸数は、前年同期比で20%も減少したと調査会社は新聞発表しています。国土交通省の住宅着工件数のデータにも表れています。全国ベースでは、5月が前年同月比で4か月連続の減少となり、前年同月比43.3%減と大幅に減少しています。

在庫が積み上がっているときに着工を思いとどまる業者が増えて件数が伸び悩むこともありますが、今回のケースはそれではなく、着工したくてもできないままのプロジェクトが多いのです。

着工統計はマンション発売の先行指標となるものですから、低水準の着工件数は販売戸数の伸びが期待できないことを意味します。着工即売り出しということも不可能ではありませんが、モデルルーム建設や販売資料の準備等も必須なので、普通は着工から数か月してから発売するものです。
やはり今秋も新規発売物件が大きく増えることはないでしょう。

SUUMOには、新築マンションのほぼ全部が掲載されています。正確に言えば、本文ページの広告以外に、末尾の一覧「スーパーガイド(3行広告のようなもの)」を含めてのことですが、これを見ると、普段は本文ページで見ることのない物件が多数あり、「こんな物件もある。こんな業者があった」などと気付かせてくれます。

しかし、大半は売れ残り物件で、優良物件と言えるものは少ないのです。新しい物件は、やはり本文ページの広告を見て検討するしかないかもしれません。としたら、掲載物件が大きく減った現況で好みの物件、条件が満足する物件を探すのは骨が折れるに違いありません。

マンションデベロッパー各社も売り上げを確保しなければなりませんから、いずれゼネコンと契約して着工に踏み切り販売を始めることでしょう。

問題は価格です。昨年は前年比で8%も上昇(首都圏平均・坪単価)してしまいました。今年もその流れを変えていません。既に人気物件では、相場の20%も高い価格で強気に販売を開始したものも多数あります。年度後半では、更なる値上がりがあるかもしれません。

売り手はコスト上昇を価格に転嫁したくないとしていますが、ある程度は仕方ないとも考えています。デベロッパー各社は、建築費の上昇分をどこまで価格に転嫁できるかを模索中とも言われます。

2012年比で昨年は8%アップでしたが、今年は昨年以上に上がってしまいそうに思います。2012年比では15%くらいの上昇となるかもしれません。これは買い手にとって痛いことです。

予算を簡単に増やせない人も多いはずです。そうなれば、面積を妥協するとか、階数を下層階にする、場所を妥協するといった条件変更を余儀なくされることでしょう。

それでも発売物件が全体的に増えなければ、希望を叶えてくれる住まいに当たらないかもしれません。

前の方で述べたSUUMOの末尾にある売れ残り物件も念のために見てみましょう。その中に意外な物件が隠れている可能性があるかもしれません。

勿論、インターネット検索の方が早いですが、条件の絞り込みを緩めてみることも必要かもしれません。発想を転換し、希望エリアでない所へ目を向けてみることも大事なことでしょう。

また、中古物件の検討も真剣に行う必要があるでしょう。その場合は、思い切った決断が必要になるかもしれません。例えば、築浅にこだわらないで探してみる、大胆なリフォームを前提に考えてみるといったことです。

買い手にとっては、将に逆風が吹いていると言えます。しかし、模様眺めをする猶予はありません。風が緩やかになったり、順風に変わったりする見通しはないからです。本当に難しい時期となって来ました。しかし、発想を転換すると道が開けることもあるものです。

「思い立ったが吉日」ということわざがありますが、家を買おうと決心したら、道は少々険しくても、一気呵成にゴールへ向かうことも大事です。

ただし、向かう途中で何度か岐路に立ち、迷うことがあるかもしれません。そんなとき、羅針盤役に筆者がなれるのであれば、可能な限りお応えして行きたいと思っています。

ますます多忙になりそうだ。鉢巻を締め直さなければ、今そんな意気です。

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