値上がりマンション。それと知って買う

ブログテーマ:元、大京マンが業界の裏側を知り尽くした目線で、マンション購入に関する疑問や諸問題を解き明かし、後悔しないためのハウツーをご紹介・・・・原則として、毎月5と10の日に投稿しています。

最近、地域相場を崩す高値のマンションが増えています。何度か書いて来ましたが、主に建築費の急騰が原因です。

デベロッパー各社の企業努力が限界に達し、マンション価格への転嫁が進んでいることの証左と言えましょう。

前回の記事では相場の5割高、6割高の物件も登場しています。

●相場を破壊する高値のマンション

どうやら相場は新段階に移行してしまったようです。

相場は特定の物件によって定まるものではなく、一定期間の複数の物件の平均をもって相場と定義されます。

駅別にそれを見て行くと、供給数(物件数)が少ない駅では特定の物件の影響を受けやすくなりますし、特定物件が大型の場合は特に相場に与える影響が大きくなります。

年間300戸程度の新規供給が行なわれたA駅、最近1年の平均が1坪当たり@200万円でしたが、そこに300戸を超えるメガマンションが平均価格@300万円で販売されました。

このようなケースにおいて、ほぼ同時期にA駅圏で発売された他の物件の合計は300戸で、平均価格が@200万円であるとしたら、全体の平均は@250万円に(面積が同じとして)跳ね上がってしまいます。

●新相場の完成

翌年A駅で新規に発売された物件の価格が平均して@200万円に戻ったならば、業界各社はメガマンションを別格の物件として扱い、当該駅の相場を従前通り@200万円と認識していたものとみなされます。

ところが、最近1~2年の動向は全く異なります。相場の@200万円などどこかへ飛んで行ってしまったかのように、多くのエリアで次々と2割高、3割高の@250万円前後で発売されているのです。

相場崩しの物件がエリア相場を引き上げたからでしょうか? そう考えられる駅もありました。 特定物件が相場を引っ張った格好と言えます。 しかし、そうでないエリアが多いのです。それが最近の実態です。

「本当は@200万円前後で販売したかったが@250万円になってしまった」というのが売主のホンネなのでしょう。理由は、建築コストが計画内に収まらないためです。

ところが、その高値の物件も何とか所定期間内に完売できてしまうので、追随する物件も@250万円で何とか行けそうだなどという判断が業界に定着しつつあります。つまり、相場は完全にスイッチしてしまったのです。

これが最近の東京圏の新築マンションの価格動向です。新段階に入ったのです。言い換えれば、「新相場」ができてしまったというわけです。

●高いと知っても買う時期なのか?

先に述べた相場崩しの物件の場合は、建物スペック、管理ソフト、ブランドなど、トータルの価値は、買い手の立場で欲目に見れば旧相場の5割高でも当然と言えないこともありません。

しかし、その後に続く新相場の物件は、「普通」の建物スペックであり、立地条件にも「普通」の評価しか出せないものばかりです。

消費財と異なり、マンションは唯一無二の商品なので、値上げされても分かりにくさがあります。

価値の高さを測る物差、それが相場なのですが、その相場すら物差の役を果たせない昨今、買い手は何を基準に物件選びをしたらいいのでしょうか?

筆者にお尋ねくださるのも方法ですが、ご質問者の大半の方が高くなったことを感じ取っているようでもあると気付きます。

爾後、「やはりそうか」と確認しているのです。その上で購入を前向きに検討し、ほどなく購買に至る流れになることが多いです。

その間で筆者がどのようにお役に立ったかは別として、「高いと知って買った」人には、自分にとって値打ちがあるから」との判断があったのでしょう。

購買に踏み切った人たちのコメントを思い出してみると、
「多数の物件比較の結果、これが自分にとって最高だと分かったから」や
「自分にとって住み替えの条件を満足する唯一の物件だ」、
「過去からみれば高いかもしれないが、現状では妥当な価格と考える」、
「資産価値の割には高いと思うが、生活が豊かになる物件だと思うので」。
「気に入った点がこれまでで一番多いので」、
「この先もっと値上がりしそうに思うから」、
「少し高いが、ここに住みたいと強く感じたから」
などが代表的です。

これらのコメントを通じて、選択の基準は資産価値だけにあるわけではないという当たり前のことを再確認しています。

そもそも家は何のためでしょう。生活の基盤であり、心の豊かさをもたらすものです。たとえ資産価値が低くても、たとえ価格が高いとしても、自分たちにとって快適な暮らしと家族の絆が強まるものであったり幸福につながるものであったりすれば、その買い物は値打ちあるものと言えます。

筆者は、マンション評価のレポートの最後に以下の文言を付け加えることにしています。

マンションには「経済的価値」と「使用(利用)価値」の二つの側面があると考えられます。後者は、個人の価値観や家族の事情などによって幅があるもの、その大きさは他人には測り知れないものがありましょう。
仮に「経済的な損失」を被ったとしても、使用価値が高いことで大きな「精神的利益」を得て余りあるという場合があります。
快適に暮らせるかどうか、豊かな気分を味わえるかどうか、その観点で新生活を想像してみましょう。金銭の多寡では測れないマンションの価値、それを測定するのは貴方自身です。

・・・・今日はここまでです。ご購読ありがとうございました。ご質問・ご相談は「無料相談」のできる三井健太のマンション相談室(http://mituikenta.web.fc2.com)までお気軽にどうぞ。

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