中古に真剣に目を向けるときかもしれない

ブログテーマ:元、大京マンが業界の裏側を知り尽くした目線で、マンション購入に関する疑問や諸問題を解き明かし、後悔しないためのハウツーをご紹介・・・・原則として、毎月5と10の日に投稿しています。

このブログでは何度か紹介して来たことですが、新築マンションの供給が停滞しています。

原因は、建築費の高騰のために工事の発注先が決まらず、着工ができないことにあります。

既に2012年の価格に較べ2013年の価格は平均で8%も上昇、 2014年もその流れは変わっていません。これは、コストアップを分譲価格に転嫁した物件が増えていることを裏付けています。

エリア相場の2割、3割高なんて生易しいものではなく、5割高などというとんでもない物件まで登場しているのですが、一方では慎重なデベロッパーもあって模様眺めをしているようです。

新築が目立って高くなって来ると、割安感のある中古マンションへ人気が移って、その中古までも値上がりし出すものです。

いえ、既に中古も上がっています。 値上がりが新築価格の上昇率とほぼ同じになって来ました。

東日本不動産流通機構の公表データでは、2014年10月の成約価格は、㎡単価で前年同月比8.3%上がり、22か月連続上昇となっています。

実は、中古マンションの同機構への登録件数、すなわち新規売り出し件数は低水準のまま推移しています。一説には値上がりトレンドを察知した所有者が売り惜しみしているからだとか。

成約件数も7か月連続で低下しています。分析所見は出ていませんが、売り出し件数が減少しているからか、それとも価格が上がっているからか、きっと両方なのでしょう。

さて、新築も中古も値上がり傾向にあるので、物件選びは厳しい環境にあると言えます。

新築マンションを購入した人の80%は中古も併せて検討しているという調査データがあります。

しかし、新築マンションほど中古マンションを真剣に検討したかは疑問です。ネット検索をしてみた程度の人も多いと推測できるのです。

そこのところを、これからはもう一歩踏み込んで検討してはどうか。 それが本日のテーマです。

実は、新築に比べ中古マンションの登録数(売り出し戸数)は約7倍も多いのです

8月末現在の新築は 在庫が3,426戸でしたが、これに9月の新規売り出し戸数3,336戸を加えると6,762戸が市場に出ましたが、中古は 34,323戸に新規登録が13,801戸加わって48,124戸が市場に出た(いずれも一都三県合計)のです。

中古マンションは築年数が20年を超えるようなものも多数あるわけですから、7倍もあると言っても単純に検討対象がいくらでもあるとまでは言えません。

しかしながら、圧倒的な品数があれば気に入る物件に辿り着く確率は低くないのではないかと思います。

勿論、中古マンションは以下のような決めづらい壁が立ちはだかっているのも事実です。

●中古マンションが買いにくい5つの理由

買い手の立場で考えてみると、中古マンションが買いにくい理由は5つ挙げられそうです。

理由(1)室内の見た目が悪い

中古マンションの多くが、壁が黄ばみ、浴槽に湯あかが着き、ガスコンロは油まみれになっていたりします。

こうした光景を目にすると、見学者の購買意欲が高まることはないでしょう。

これらを補って余りあるもの、例えばバルコニーから見える景色が感動的であったようなときは印象が薄らぐはずですが、そのような幸運には滅多に出会えないものです。

理由(2)外観や共用部分が古ぼけていたり汚れていたりする

レトロ好きな人もあるのでしょうが、日本人の多くは古い物より新しい物を好む傾向が強いとされます。新しいものは良いものという先入観もあるのでしょうか、一目で古いと分かると購買意欲はがくんと落ちるのです。

室内の見学前に必ず目にするのが外観であり、エントランスやロビー、エレベーター、共用廊下です。定期的に清掃や改修を実施していても、新築と同じようには決してなりません。

築後30年過ぎたマンションを見学に同行したときのこと、少し前に各住戸の玄関扉をそっくり交換したそうですが、玄関前の床は昔のままでした。 掃除はしてありますが、壁際は黒ずみ、まだらに変色したままだったのです。

また、タイル張りのマンションでは、換気孔の辺りが黒ずんでいたり、白っぽい汚れが鼻たれ小僧状態になっていたりという建物も多いのです。

こうしたものを先に見てしまうと、部屋に到着する前に気持ちが萎えてしまいます。

理由(3)設備が古い・ないものも多い

ディスポーザーは新築でも付かないものは少なくないですが、食器洗浄乾燥機は大半が標準装備されています。 中古は食器洗浄乾燥機もない物件が多いのが実態です。

浄水器も中古マンションでは少ないですね。

浴槽のまたぎは、新築マンションなら450ミリ前後が定番ですが、中古マンションは600ミリタイプが多いことに加えて、浴室内のデザインも「お洒落感」はかなり異なります。

テレビモニター付きのインターホンが100%近くまで普及したマンションですが、モニターの画像がカラーか白黒かというと、築20年クラスは殆んど白黒です。

結露ができにくいことで知られる断熱効果の高い複層ガラスのサッシは、築10年未満の比較的新しいものを除くと中古マンションには見られないものです。

また、設備ではありませんが、天井が低いのも中古マンションの欠点です。最近の新築マンションは2500ミリ以上が大半になっていて、2400は稀な部類になっていますが、中古マンションの多くは2400ミリです。

背の高さにもよるのですが、天井高は開放感を随分違ったものにします。

理由(4)バリアフリーになっていないものが多い

1階の玄関ホールから住戸前までバリアフリーになっているだけでなく、室内にも大きな段差がないのは最近のマンションの標準です。

ところが、古いマンションでは共用部も室内も段差が解消されていないものが多いので、これも抵抗感を覚えてしまうことでしょう。

理由(5)建物に対する不安が拭えない

中古マンションが買いにくい最大の理由はここにありそうです。先に挙げた4つの理由は、むしろ付け足しと言ってもよいほどです。

不安とは、具体的に言うとどのような点にあるのでしょうか?

◆耐震性の不安 : 幾多の地震体験から新しいマンションは対策がしっかりなされているが、古いマンションは十分ではないという漠然とした不安を持つ人が多いようです。

◆耐久性の不安 : 築20年以上の古いものを検討する人が抱くことですが、あと何年ここに住めるのだろうかというものです。

◆瑕疵がないかという不安 : 瑕疵は「隠れたキズ」というほどの意味ですが、悪意のない売主に対しては追及ができない瑕疵担保責任のことです。

欠陥マンションではないかという疑問と言い換えてもよい部分です。

最近、大手仲介業者の何社かがガスコンロや湯沸かし器といった設備の瑕疵担保保証というサービスを導入していますが、重要なのは目に見えない構造的な部分の瑕疵です。

入居後しばらく経って(例えば数年先に)発覚したときはどうなるのかという不安です。
大抵は個人の売主から購入する中古マンションですから、瑕疵担保は免責になっていて万一のことがあっても責任を追及する先はないのです。

◆遮音性の不安 :これは新築マンションでも同じですが、古いものは最近のものより遮音性が低いという先入観が働くためと考えられます。

●積極的に中古を研究しましょう

購入の注意点などに関しては次の機会にしますが、中古など考えられないという人は別として、ある種の割り切り方を取り入れれば、中古も選択肢のひとつにはなるはずです。

今は、積極的に中古を検討するべきときなのです。上記の問題を抱えながらも、それをクリアして行けるならば、予算を下げて購入することができるかもしれません。

または、広い家を手にすることが可能かもしれませんし、より都心の立地の物件と遭遇する可能性も高くなるでしょう。

予算を下げなくてよいなら、リフォームに思い切って投下することも可能です。少なくとも室内だけは手垢が消え、見違えるように綺麗な住まいを手に入れることが可能になるでしょう。

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