マンション購入時の難し過ぎる質問

ブログテーマ:元、大京マンが業界の裏側を知り尽くした目線で、マンション購入に関する疑問や諸問題を解き明かし、後悔しないためのハウツーをご紹介・・・・原則として、毎月5と10の日に投稿しています

一生に何度もある買い物ではないというだけでなく、多くの買い手が長期で多額のローンを組むゆえに、そして簡単に売ったり買ったりできる品物ではないので、マンション購入に当たっては様々な不安や疑問にぶつかるものです。

その解消のために当然ながら買い手は取り組みますが、方法で手っ取り早いのがモデルルームで営業マンに尋ねることす。

しかし、営業マンも年齢・経験・知識に差があり、運が悪いと的確な答えが返って来ません。

商品知識とローン、税金など関連知識だけなら大抵の営業マンは習得しているので容易に答えを入手できますが、本稿で採りあげたような根本的な問題に関しては明快な答えが得られないのです。

今日は、容易に解消されない疑問や不安を3点に絞って、その答えを紹介します。ただし、要点だけとなることをご容赦いただきたいと思います。

①マイホームは大きな借金までして買うのに、値上りが期待できないなら損な買い物ではないですか?(賃貸住宅に住む方が理に適っているのでは?)

>>>住宅ローンを利用した購入であっても、返済を終了したときには僅かにせよ資産が残ります。その金額が5千万円になったか、1000万円にしかならなかったかの差はあるものの、何がしかの資産(財産)が残ります。 従って、値上がりがなくても損はないのです。

これは、借家住まいの人には絶対に得られないものです。ボロボロの借家にただ同然の家賃で長く住み、その間に巨額の貯蓄をすることに成功したという人がいるでしょうか? もし、そのような人がいれば、借家住まいも資産を残せるという反論にはなるでしょうが、現実的な話ではありません。

借家暮らしは家主の資産形成に貢献できることはあっても、自分の資産をつくることには雀の涙ほども貢献しないのです。

もっとも、この質問は、ローンを完済しないうちに売却するときに損失を被ることをイメージしての不安から来たものでしょう。

確かに、借家暮らしなら利益も資産も得られない代わりにマイナスもないわけですが、分譲マンションを買ってしまうと多額の売却損を被る可能性は残りますね。

しかし、そのリスクを取っても得られるメリットがあるのがマイホームなのです。そう思う人が多いからこそ、マンションもよく売れるわけです。

メリットとはなんでしょうか。

それは、持ち家であることの誇り、逆に見れば周囲の賞賛、そして何より家主の許可なく自由にインテリアを楽しみ、最新の設備・機能による便利な暮らしを満喫できる「精神的な利益」、そして老後に家賃がいらない家に住めるという安心感などです。

②将来、入院や老人ホームなどに入居するためなど、まとまったお金が必要になってマイホームを売らなければならなくなったとき、住宅ローンの残債を清算して手元に残そうとしたら、頭金はどのくらい必要ですか? 20年後に売ると仮定した場合ですが。

>>>ローンが少なければ少ないほど、売却のときのローン清算がしやすいのは確かです。頭金を半分入れて残りを35年ローンで購入したような場合、20年後は今の金利ならローン残債は半分程度に減っていますから、売却額が購入時の半分になったとしても当初のローン分の半分が手元に残ることになります。

数字を使ってもう一度説明しましょう。

4000万円のマンションを頭金2000万円、35年ローン2000万円、平均金利1%(変動型ローンを選択した場合の想定)で購入。

20年後のローン残債は約945万円。売却額2000万円から945万円を差し引きすると、1055万円が手元に残ります。(仲介手数料など譲渡費用が別途80万円ほどかかる)

しかし、頭金の2000万円を元本と考えると半分に目減りした格好です。

これに対し、頭金を20%、ローン80%で購入した場合はどう変化するでしょうか?同じようにシミュレートしてみましょう。

頭金800万円、ローン3200万円で4000万円のマンションを購入。20年後の残債は約1500万円となります。

ということは、売却額が2000万円なら、手元には500万円しか残らない計算になります。
ここから譲渡費用を差し引くと420万円ほどしかないことになりますね。

頭金800万円は半分に目減りと、こちらも率では同様ですね。

ちなみに、35年ローンでなく20年ローンにしておけば、売却額2000万円の場合は手取りも2000万円となり、譲渡費用を別としたら、頭金が利息なしでそっくり戻って来た計算です。

次に、10年先の売却ということにして、ローン年限も20年にしたら答えはどう変わるでしょうか?

10年後の残債務は1680万円と、およそ半分に減ります。

10年で売るのですから、よほど劣悪な条件の物件でない限り価格も半値とはならないでしょう。仮に20%値下がりして3200万円になったとすると、手元には譲渡費用を差し引いて1500万円くらいが残る計算です。

金利を1%としたのは、変動型を利用する買い手が多いので、平均を想定したものです。しかし、不安に感じる人もあるでしょうから、1.8%の全期間固定型(フラット35)を利用した試算もしてみます。

すると、35年返済の場合の10年後の残債は2480万円もありますが、3200万円で売却できれば、手元には約700万円が残ります。頭金部分が100万円ほど目減りするだけです。

ただ、売却額が35%も下がってしまうと譲渡費用を払って手元には殆ど残らない計算となるのです。

以上のシミュレーションは、10年後または20年後に売値が買い値から何%下がるかという設定条件を変えれば全く異なる答えになるわけです。

この質問は、「10年または20年後どのくらいの値段になるか」の次の質問と同義でもあるのです。

③10年後、あるいは20年後にマイホームを売るとすればいくらで売れますか?債務超過にならないように頭金の用意をするにあたり、将来の売却損を想定しておきたいのですが・・・

>>>この質問に的確な回答、なるほどと思えるような説明ができる営業マンはいないでしょう。将来の不確実な問題には答えられないと避けるのです。

そのエリアの10年後、20年物件の相場を調べ、中古マンションの価格を決定する要素を掛け合わせれば、将来価格を予測することは可能です。とはいえ、営業マンには答えの難しい質問です。

仮に担当している物件の値下がり率が予測できたとして「20年後は〇〇くらいでしょう」などと言えば、買い手の購買意欲が後退することになりかねないからです。

おそらく「20年先のことですから分かりません」か「20年先の価格が購入時から上がることはないと思います」などと曖昧な答えになるはずです。

中には、周辺の再開発計画などを説明して、値上がり期待を与える策に徹する営業マンも少なくありません。

「20年先には半値になるから、ローンが売値を下回るようにするには頭金を最低でも〇〇万円は入れるべきです」、または「繰り上げ返済によってローンをそこまで減らすべき」などとは口が裂けても言わないでしょう。

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この種の疑問に的確に答えが書いてある書籍も見当たりませんし、営業マンも当てにならないとしたら、買い手は悩むばかりです。それでも購入を決断して行くほかないのです。

結局、①の疑問に関しては、「できるだけ値上がりしそうな物件を買おう」と考え、②と③については、「頭金をできるだけ多く入れておこう」や「できるだけ繰り上げ返済を頑張って行こう」と考えをまとめるのが精一杯かもしれません。

賢明な読者はお気づきと思いますが、この3つの疑問は全て購入マンションの資産価値が問題なのです。

マンション選びは、本来は住み心地や暮らしの利便性などが目的のはずですが、同時に資産価値を考慮に入れることも大事なこと、それを意識する買い手が増えています。

資産価値の判定をどのようにするか、簡単ではありませんが、そのお手伝いを筆者は長く続けています。この「物件評価サービス(原則無料)」は、おかげさまで好評でもあります。

究極のパーソナルサービスのため、対応には限度があるものの、今後も可能な限りご期待にお答えして行こうと思っています。

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