改めて問う。マイホームの値打ちはどこに

ブログテーマ:元、大京マンが業界の裏側を知り尽くした目線で、マンション購入に関する疑問や諸問題を解き明かし、後悔しないためのハウツーをご紹介・・・・原則として、毎月5と10の日に投稿しています

今日は、マイホームを持つ目的、意義を改めて問い直してみようと思います。

たまたまかもしれませんが、最近「一人になったら家を売却して老人ホームに行くつもり。そのとき高く売れるマンションを買いたいが、この物件はどうか」というタイプのご相談が続きました。

その中から、「マンション買って損をするくらいなら、このまま賃貸でもいいかと思わないでもない」というニュアンスの声を聞くからです。

確かに、借家暮らしなら利益も資産も得られない代わりにマイナスもないわけですが、分譲マンションを買ってしまうと多額の売却損を被る可能性は残りますね。

しかし、そのリスクを取っても得られるメリットがあるのがマイホームのはずです。そう思う人が多いからこそ、マンションはよく売れるのです。

●購入と賃貸、どちらが得?
マンション購入と賃貸マンション住まい、どちらが得かの比較はよく見かけます。住宅情報誌や一般週刊誌の特集記事では、毎月の支払額を30年~50年に亘って細かに試算して答えを導こうとしています。

しかし、その方法を仔細に眺めてみると、いくつもの前提条件が設定されており、そこが途中で変われば、試算結果も全く別のものとなることが明白なのです。

例えば住宅ローンの金利ですし、家賃の変動もそうです。

ずっと同じ家に住み続けるというのは現実的ではありませんから、売却による損得の変動も本来なら計算にいれなければなりません。

長く住むとしたらリフォーム費用もかかって来ます。賃貸の場合では、新たな礼金・手数料といった費用と更新料なども必要です。

これらは全て不確定要素です。それを試算に正確に反映するというのは不可能なことです。

しかし、購入か賃貸かを経済的な側面から損得を判定すると、答えは簡単に出せる方法、というより考え方があるのです。

大都市圏のマンションにに限ることですが、購入に軍配があがるのです。その理由はこうです。

現金購入でなく住宅ローンを利用した購入でも、返済を終了したときには僅かにせよ資産が残ります。その金額が5千万円になったか、1000万円にしかならなかったかの差はあるものの、何がしかの資産(財産)が残るのです。

これは、賃貸マンション住まいの人には絶対に得られないものです。ボロボロの借家にただ同然の家賃で長く住み、その間に巨額の貯蓄をすることに成功したという人がいるでしょうか? 

もし、そのような人がいれば、借家住まいも資産を残せるという反論にはなるでしょうが、現実的な話ではありません。

賃貸暮らしは家主の資産形成に貢献できることはあっても、自分の資産をつくることには雀の涙ほども貢献しないのです。

●マイホーム購入のメリットとは?

上記以外のマイホーム購入のメリットはどこにあると言えるでしょうか?

それは、持ち家であることの誇り、逆に見れば周囲の賞賛、そして何より家主の許可なく自由にインテリアを楽しみ、最新の設備・機能による便利な暮らしを満喫できる「精神的な利益」、そして老後に家賃がいらない家に住めるという安心感などです。

例え漠としていても、このように思う人が多いからこそ建売住宅もマンションも毎年、毎年大量に売れて来たのです。そして今も購入したい人が引きも切らないのではないでしょうか?

もう少し詳しく見て行きましょう。

借家では釘1本打てない窮屈さ・・・賃貸マンションではご承知のように室内を勝手に改造することはできません。壁紙を変えたり棚を付けたりすること、或いは地震対策にと大型家具を壁に固定するなどの行為は家主の承諾が必要です。

その点、マイホームは誰にも気兼ねせず(工事の騒音があれば近隣挨拶が必須なのは常識ですが)自分の好みで改造も更新もできるのです。

老後の安心感が得られる・・・東京のような大都市では将にバカ高い家賃を払わなければ快適な住まいで暮らすということが困難です。「それが一生続くなんて」と考えると、やはり勿体ないと思うものです。

家賃の高さは、高齢になったとき、つまりリタイア以降の負担に不安を覚える元となっています。

定年延長が一般化し、65歳を超えても働く人が増えているようですし、自分もできるだけ長く働きたいと考える若者も多い時代にあるとはいえ、一方で希望の仕事に就けるかどうかは不透明です。

定年後の人生も長い時代ですから、果たして家賃を払い続けて行けるだろうか?そんな疑問・不安がもたげて来て当然です。

そこで、負担感の少ない(つまり住宅ローンは早めに終わらせて)マイホームを手に入れておきたいと考えるに至るわけです。

一国一城の主になった。男子一生の仕事を成し遂げた・・・男性の中には、このような思いでマイホームを購入する人もあるでしょう。 

人間の欲望の中には、尊敬願望というのがあります。 周囲の賞賛を浴び、羨望の目で見られたいという心理と言い換えてもいいでしょう。 

「若いのに大したものだ」と言われ、職場の同僚や上司など、周囲から一目置かれる存在になることも期待できます。

家族からも尊敬される父親になれるはずです。

その結果、自信がみなぎり、仕事がうまくできるようになったり、責任ある仕事を任されたりする可能性が高まることでしょう。

広くて設備の良い住宅・・・古いアパートに入れば、大抵はトイレに暖房便座も温水洗浄も付いていません。ビルトイン型の食器洗浄乾燥機もないのが普通です。ミストサウナ付きの浴室も三面鏡のある洗面室も賃貸マンションではないのが普通です。

共用玄関にモニター付きのインターホンはないし、当然ロックかかっていません。自動ドアでもありません。

分譲マンションなら、これらがほぼ100%、物件によってはディスポーザーも付きのキッチンを手に入れることだってできるのです。

分譲マンションの賃貸住戸を借りれば同じ快適な住まいで暮らせるではないかという反論もあるでしょうが、その代価はとても高いものになるはずです。

生命保険付きなので家族に無借金の家を残してあげられる・・・住宅ローンを利用している場合でも、自分に万一のことがあったとき、その返済に家族が肩代わりを迫られることがありません。

住宅ローンには例外もありますが、原則として生命保険がセットされていて保険料は金融機関が支払うシステムになっているからです。

ローンの残債が2000万円のときは2000万円が、1000万円に減っていれば1000万円が直ちに保険金として支払われ、金融機関に自動的に回る仕組みです。

これで、遺族は安心です。ローンも家賃も負担がかからないのですから。

資産形成が図れる・・・先に述べたようにマイホームは金額の大小はあっても何がしかの資産を残してくれるのです。

マイホームを処分して現金化し、それで老人ホームの入居金にするとか、都心のマンションを高く売って田舎の安い家に住み替えるとかが可能です。

田舎には行きたくないとしても、都心から少し離れた場所に、それも都心へ出るのに便利な街などで、小さな家に住み替えるという選択肢もあるはずです。

この転居によって、手元にいくばくかの現金が残れば、それをアクティブな老後の生活の足しにすることができます。

資産価値の高いマンションを選択し、頑張ってローンを完済すれば、こうした恩典を授かるというわけです。

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如何でしたか? 分かり切ったことだと非難される記事だったかもしれませんが、漠然としていた部分が整理できたり、今まで気づかなかった項目はなかったでしょうか?

いつものことですが、読者諸氏のマンション購入に少しでもお役に立ちたいという思いで書いて来ましたが・・・

・・・・今日はここまでです。ご購読ありがとうございました。ご質問・ご相談は「無料相談」のできる三井健太のマンション相談室(http://mituikenta.web.fc2.com)までお気軽にどうぞ。

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