マンションは真南向きでない方が良い(2月5日partⅡ)

ブログテーマ:元、大京マンが業界の裏側を知り尽くした目線で、マンション購入に関する疑問や諸問題を解き明かし、後悔しないためのハウツーをご紹介・・・・原則として、毎月5と10の日に投稿しています。

このタイトルに「えっ!」と驚く読者も多いことでしょうが、もちろん根拠があります。

マンションの間取り図を思い浮かべてみましょう。真南向きの3LDKの最もポピュラーなタイプ、すなわち田の字型と呼ばれるものです。

リビングルームまたはリビング・ダイニングが真南向きの場合、玄関側にある二つの個室は真北に向くことになります。

この個室は永遠に日差しがありません。暗くジメジメした感じの個室になりがちです。

最近のマンションは複層ガラスを採用したものが多く、結露ができにくいとされていますが、古いマンションでは、北向きの部屋は結露ができやすく、冬はとりわけ換気に気を付けなければなりません。

一方、南向きでも少し(30~45度くらい)東や西に振れている間取りならどうでしょうか?例えば、リビングが半分東向きなら、玄関側の個室は半分西向きになりますね。

ということは、夕方近くに、西日が差す可能性があるわけです。(西に振れているリビングの場合は、この逆)

西日は低い位置から差すので、比較的部屋の奥へ届く時間帯もあります。1日に2~3時間でも日が入る方が良くはないでしょうか?

玄関側の個室の窓は小さいものが多く、昼間から電燈を灯す必要があるほどなので、日差しがあるとないでは大きな違いです。

お子さんが学校から帰って来たとき、子供部屋に日が入って明るいというのは悪くないと思うのですが、読者の皆さんはどう思われますか?

ただし、東西に半分振れている個室でも、西日または朝日が差し込まないケースもあるので、注意しなければなりません。 3LDKの形はしているものの、表示は2LDK+S(サービスルーム)という場合です。

S表示は、法的な基準の採光量が確保できていない住戸であることを意味するからです。居室として認められるのは、直射日光が入るかどうかではなく、一定の窓の大きさと窓先の空間が関係してきます。

Sとあるのは、窓先にエレベーターや外部階段、隣地の建物の壁などが迫っているケースなのです。かろうじて採光基準を超えていても、ギリギリのところで遮蔽物が迫っていれば日差しは期待できません。 

この辺りのことは、図面(各階平面図など)をよく見て確認することが必要です。

完成内覧会の立会いでご購入住戸を訪ねると、この点を見逃していたと思われるケースに結構ぶつかるのです。いまさらどうしようもないのですが、「思ったより暗いなあ」と落胆している人が少なくありません。