「しまった!待てばよかった」と思ったとき

ブログテーマ:元、大京マンが業界の裏側を知り尽くした目線で、マンション購入に関する疑問や諸問題を解き明かし、後悔しないためのハウツーをご紹介・・・・原則として、毎月5と10の日に投稿しています。

契約した後に、より優良なマンションが販売されると知ったとき、その人はどう思うのでしょうか? 筆者に対するご相談者の中には、少なからず「失敗した」と後悔している人があります。

契約してしまったら失敗を悔やんでも後の祭りなのでしょうか? このようなときの解決策を考えてみました。

●待てばもっと良い物件が出て来る?

待てばもっと満足度の高い物件が出て来るのではないか。 だからここで購入を決めたら損なのでは?このような心配にはキリがありません。 

設備ひとつ取っても、後から建てられるものの方が機能もデザインも良いものです。

マンションの価値を最も大きく左右するのは立地条件ですが、駅に近いものを探しても駅の近くは空地がなく、マンションが新たにできる余地はないものです。

稀に駅近に駐車場がマンションに変わるというと、「駅から5分のマンションなんてありませんよ」などと営業マンに言われると、そうだろうと思う。

だから、小型物件で建物に付加価値もない平凡なペンシルマンションに迷ったものの、駅近だからと言い聞かせて決断した。

ところが、古い雑居ビルが密集していた1ブロックが建て替えられることになって、比較的大型のタワーマンションが売り出されることを後になって知った。何と駅から僅か2分と便利で、1、2階にはスーパーが入居するという願ってもない物件なのです。

最近このような例がありました。契約した物件は間もなく完成します。当事者は随分ショックを受けたようでした。

歴史を積み重ねて来た古い商店街などの駅近エリアが、最近は再開発される例が増えているように感じます。

東京都内で最近話題になったいくつかの大型開発、今まさに販売が始まろうとしているタワーマンションなどは、あり得ないものが突然天から降って来たかのようです。

古い街ほど、その可能性があるのかもしれません。そのような物件こそが、これ以上の素晴らしい物件は二度と出ないだろうと確信できる買い物になるのかもしれません。

しかし、その事実の一方、予算を大きく上回ることを知らされて断念することになる人が多いのも事実なのです。

結局、待てども理想の物件に巡り合うことは中々ないということも現実なのです。

衝動買いも悪くない

マンションを衝動的に買うなんて?平静なあなたは、きっとそう思うことでしょう。だが、マンションの販売現場では、日常よく見られる光景です。

 成人式に着飾った若者のような、目を見張るモデルルームに心を奪われるものです。実際に購入する部屋とは違う、オプションだらけの現実離れしたモデルルームは、購買意欲を大いにそそるものです。
 
 マンションに限らず、商品というものは、そのディスプレイ、デコレーションといったことが重要です。照明の色が悪かったら、新鮮な牛肉も腐った肉か全く別の肉にしか見えないはずで、売れるものも売れないはずです。

モデルルームは、マンション業者にとって販売促進のツールとして大きな力を持つ必須のものです。

 話を元に戻します。

モデルルームに魅せられて衝動買いしてしまう人があります。これは危険なのでしょうか?じっくり考えて買うことと対比してみます。
  
 
*衝動的に買うと(メリット)

・「思い立ったが吉日」の格言とおりの行為は、あまり悩まずにすむので苦労が小さい
・タイミングの良い買い物をする結果になりやすい
・早く買えば、それだけ幸せ気分に早く浸れる

*じっくり考えて買うと(メリット)

・残り物に福あり。そんな幸運に当たる可能性がある
・よく考えた結果だからと、失敗しても納得感を持てるかもしれない

*衝動的に買うと(デメリット)

・営業マンの口車に乗せられて...と後悔することもある
・物件の欠点に気付かずに後悔することもある
・「知らなかった。聞いていなかった」と腹を立てることも

*じっくり考えて買うと(デメリット)

・あれこれ迷って、結局は良いものを手に入れることができない
・「下手の考え休むに似たり」の格言通りの行為で無意味なことも
・タイミングの悪い時に買うハメになることも
・半年前のあの物件が良かったと言っても後の祭り
・快適住宅にいつまでも転居できず、不満が持続

こうして整理してみると、衝動買いは必ずしも悪ではないことが分かります。

●買いたいときが買いどき

以前も書きましたが、「買いたいときが買い時」という考え方もあります。

お金儲けの才能に恵まれた人や賭け事が得意な人が世の中にはたくさん居ると聞きます。筆者の身近なところにも、その種の御仁がいます。

未来やチャンスなどを読む才能に恵まれた人はともかく、そうでない人は今のような時期にどこへ拠り所を求めたらいいのでしょうか?

考えるほど混乱するばかりという人も見られます。また、急がないとますます高くなるという焦りが先走り、現場の営業マンの口車に乗せられてしまう人もあるようです。

こんなときは、「買い時はいつか」を考えない方が良いかもしれません。買い時は貴方にとって常に今だからです。

見学したとき、この場所、このマンションに住みたいと感じた、その気分を大事にすることですね。

「買いたい」そう思ったときが買い時というわけです。

●契約を破棄する策?

さて、本題に移りますが、買ってしまってひどく後悔したというとき、どのような解決策があるでしょうか?

契約をしたものの引き渡しは半年先というような場合は、手付金を放棄して契約を解除するというのが最も簡単で現実的な方法です。

売主が契約の履行に着手していない段階では、すなわち明日にでも引き渡しができるという段階まで進んでしまうと事は簡単ではないのですが、それ以前であれば買主は手付金を放棄することによって自由に解約が可能です。

ただ、支払った手付金が多いと、それを捨てる勇気が持てない人も多いでしょう。普通は価格の10%ですから、5000万円の物件なら500万円が支払い済みになっていたりするので、中々難しい選択ですね。

たまたまか意図的かは別として、売主との交渉によって手付金を5%しか納めていなかった場合なら5%で済む(追い銭しなくていい)ので、そんなときは不幸中の幸いとでも思えるかもしれませんが。

●先行契約物件を賃貸に出す?

手付金を放棄したくないが、最新候補物件を買いたい。このような場合は、先行契約の物件を代金の残額を払って引き渡し受け、賃貸に出すという方法が考えられます。

これは、二つの物件代金を支払うことのできる財力が必須となりますから、人によりけりということです。

銀行は、住宅ローンも、それ以外のローンも含めた借入金の総額で融資を決定するので、借入額が年収に比べて多過ぎると判断されれば融資は実行されません。

従って、先行契約の物件はOKが出て融資が実行されても、本命物件を購入することが不可能になってしまうのです。

引き渡し時期が逆転している場合もあります。つまり、先行契約した物件の建物完成時期が1年後で、後から見つけた物件が1か月後という、このような場合はどうなるでしょうか?完売して諦めていた物件にキャンセル住戸が出たという場合などが該当します。

本命物件を住宅ローンの実行を受けて購入することはできるはずです。一方、1年先に引き渡しになる先行契約物件の融資は否認されて融資が下りないこととなりましょう。

すると、契約書に明記された「借入不能の場合は白紙解除。手付金返還」ということに?

実は、そうならないのです。契約を交わす前の段階で住宅ローンの仮審査を済ませてあるはずですが、そのとき当然ながら別の住宅ローンを利用する予定はないという前提で審査に通ったに違いありません。

正式な審査を通し、いよいよ融資実行という段階で、新たな借り入れの事実は銀行の知るところとなって融資は否認されます。

こうなると、驚くのは売主です。当然、ローンが通らないようにした作為を知ります。これは「未必の故意」に近い不誠実な(悪質)行為に当たるのです。

従って、別の方法で代金を調達して残金決済してくださいと買主は要求されます。断れば手付金の没収では済まない可能性もあるのです。

●先行契約物件を売却する?

解約以外の対策、その2はこうです。

先行物件が先に引き渡し時期が来る場合は、ローンを約束通りに実行してもらい、代金を決済します。つまり、当初の予定通りに進めるのです。

引き渡しを受けたら、速やかに売却します。新古物件という扱いになりますが、仲介業者に依頼して買い手を探してもらいます。

買い手が首尾よく決まって代金を受け取れば、住宅ローンは清算できます。

この状態になれば、その後の本命物件のローン審査には影響しないでしょう。

このケースの鍵は、引き渡し後の売却額がいくらになるかにあります。大幅に安くなってしまうのでは意味がないのです。

購入額と同額で売れても、仲介手数料と既に支払った登記料、修繕積立一時金、ローン保証料などの諸雑費が馬鹿になりません。物件価格の少なくとも6~7%はかかってしまうからです。

手付金を没収されても契約解除の方がマシだったという結果もあり得るのです。

●後悔しない心の整理こそが重要

後から見つけた物件の方が良いと感じ、そこに後悔の気持ちが湧いてくる。問題の根はここにあるわけです。

隣の芝生は青く見えるものです。そうでなくとも、これでよかったのかと、特に衝動買いした人は疑心暗鬼にさいなまれて苦しんだりするものです。

そうならないための心の持ちようが大切なのかもしれません。

決めたら迷わない。上を見たらキリがない。このように言い聞かせると良いでしょう。

当分は購入した物件以外に興味を持たないよう、物件広告から遠ざかる。また、インターネットの掲示板を見ない。こうしたことも必要です。自ら情報を遮断するのがお勧めです。

購入物件に住んだあとのことを考える。その前に、家具やカーテンなどの物色を楽しむ。こうした態度も効果的です。

●後悔しない物件選択がもっと大事

自分が購入した物件は、自分にとって最良だったと納得できる買い物をする。これが最も大事なことですね。

マンション選びは衝動買いを除けば、ときに迷路に入り込み、立ち止まり、右往左往しながら
やがてゴールに辿り着くのが普通です。

完全無欠のマンションはないからです。どこかが気に入らず、どこかに欠点・短所があるものです。条件ぴったりなどという物件は皆無といって過言ではありません。

ゆえに、何かを妥協して選択して行くのが普通なのです。妥協ポイントを誤らないことが最も大事なことと言えましょう。

駅から近い物件を探しているが、同時に環境や開放感(見晴し)も重視し、かつ間取りと広さも優先条件としたい。その上、大手が売主で施工も大手が望みだ。大規模物件は好きになれないので、50戸くらいがいい。そして、予算は〇〇〇万円まで。

このような自分なりの条件は、現実に照らすと、殆ど見つけることは不可能というケースかもしれません。

そのことに気付いたとき、最も大事な「駅近」を妥協してしまうとか、規模にこだわったために肝腎の大手施工を二の次にしてしまう人もあります。

妥協するポイントを誤らないようにしながら、最善の物件を選ぶことが後悔しない術となりましょう。

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