住宅ローン。捨てる金利と残る元金

このブログはマンション業界OBが業界の裏側を知り尽くした目線で、マンション購入に関する疑問や諸問題を解き明かし、後悔しないためのハウツーをご紹介・・・・原則として、毎月5と10の日に投稿しています。

金利は捨てるだけ、銀行経営に協力するだけなので、可能ならマンション購入に当たっては、全額キャッシュの方がよいはずです。

ところが、購入代金の全額を用意するには、それなりに長い時間がかかり、その間に家賃という捨てる金があるので、金利と家賃とどちらが高いかという計算をしてみると、金利の方が低いと知って「買った方がトク」と計算する人が出て来ます。

筆者が初めてマンションを購入した頃は低利の公的融資も、年5.5%でしたから、今とは別の考え方に立ってマンションを買うという選択をしたものですが、現状は金利が1%程度ですから、4000万円の融資を受けても最大で40万円を捨てるだけ、月額にしたら35,000円にもなりません。

しかも、住宅ローン控除を受けられるので、年収によっては最長10年間、金利分は殆んど税額控除されます。つまり、個人差、物件格差、期間差はあるものの、殆んど捨てるものなしでマイホームを持てるわけです。

家賃の場合は、家主に貢献するだけですし、その金額が35,000円などという安いものは東京都区内に限らず、都内通勤圏では皆無です。

住宅ローンは元金返済も必要ですが、これは捨てるわけではなく貯金のようなものです。

毎月の返済金のうち、大半が金利でなく元金なので、貯金はどんどん増えて行きます。正確に言えば、毎月小口の投資信託を買い集めて行くようなものかもしれません。

ちなみに、4000万円を35年固定金利の返済で借りると、毎月の返済額が112,914円ですが、初年度の金利は平均で32,978円、元金が82,691円となっています。10年経つと、金利の累計返済額は約350万円となりますが、元金返済、すなわち投資信託の積立て累積額は約1000万円となるのです。

112,914円の120回分1350万円の内、捨てるのは350万円だけ、1000万円は貯金(投資信託)として残るのです。

ただし、この貯金(投資信託)には金融機関に行けばいつでもキャッシュに変わるという手軽さはありません。元金払いのキャッシュが家の柱になり、瓦になりというふうに、物に形を変えて積み立られて行きますが、必要なときに柱だけ売る、瓦だけ売るといった換金法は取れないという弱みがあります。

また、投資信託と言ったことでお分かりのように、通常の積立貯金とは異なり、元本保証ではないのです。

換金の必要が起きたときは、柱だけでも瓦だけを売ることはできないので、家ごと売ってしまう必要があります。家ごと売ってローンの残債を返済した残りが手渡されるわけです。

そのとき、予想していた以上に安くなっていれば、手残りがないことになるかもしれません。最悪の場合はマイナスになるかもしれません。

この売値が問題で、購入額から安くなるかもしれないという問題、言い換えれば元本保証のない貯蓄(投資信託)であることがマイホーム購入のリスクになるのです。

マンションの場合は、物件によって購入額を上回る値段で売却ができるものがある一方、購入額から下がってしまうものもあります。損得の割合にも大きな差があります。

20年ローンを利用して購入し、20年後に売却するとして、購入額に手数料と固定資産税、管理費等を加えた金額で売れたら、金利分が損になるだけで、殆んどただで20年住んだ計算になります。

反対に20年後に購入額の半値でしか売れなかったら、経済的な損得計算だけで考えると、「賃貸マンションに住んでいた方が良かった」と失望するかもしれません。

カギを握るのは、いかに元本割れの小さなマンションを選ぶかという点にあります。

読者の皆さんは、これからマンションを買おうとしていらっしゃる方が大半でしょうから、マイホーム購入の意義をよくお分かりのことと思います。同時に、購入物件によっては元本割れになってしまわない選び方を意識しているのではないかとも思います。

不動産の価格は個別要因が大きく左右します。中でも立地条件が大きな比重を占めるのです。しかし、市況の良いとき、言い換えれば相場が高いときには何を売っても高く、みんな恩恵を受けるのですが、反対のときは何を持っていても損をすることになりかねません。

ところが、市況にあまり左右されないマンションもあるのです。つまり、相場の低いときでも比較的高値で買い手がつく価値ある物件があります。立地条件に優れ、建物価値も高い、築年数を聞いてびっくりするほど管理状態が良く、トータル的に地域一番のマンションがあります。

しかし、価値あるマンションの取得は簡単ではありません。理論的には理解しているものの、条件を満たす物件が見つからないのが現実なのでしょう。

新築は品不足で価格も急上昇しました。中古は市場にいくらでもあるが、優良中古は新築並みに高く、安い中古は気になる点が多いので決めかねる。そうこうしているうちに金利が上がって来たなど、悩みは尽きないのかもしれません。

しかし、理想の物件はそもそも存在しないのです。優先順位を決め、妥協すべき点は妥協して早めに決断したいものです。低家賃の社宅にいつまでも居られる人は別ですが、いつかマイホームを持とうとお考えであれば、僅かな捨て金(金利)だけで貯金になる購入にメリットは大きいと思うのですが、いかがでしょうか。

ただし、選択物件を誤らないよう十分に注意しなければなりません。元本割れがあっても小さくてすむ物件を選ばなければなりません。特に今はそこに注意を払うことが大事です。

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