マイホーム実現を阻む5つの性分

ブログテーマ:マンション業界出身者が業界の裏側を知り尽くした目線で、マンション購入に関する疑問や諸問題を解き明かし、後悔しないためのハウツーをご紹介・・・・原則として、毎月5と10の日に投稿しています。

このブログの読者の中には、既に購入を決めた方、そして入居も果たした方も多数いらっしゃるようですが、過半はこれから購入しようという方と推測しています。

そんな中、購入チャンスが何度もありながら買いそびれて来た方も少なくないようです。

買えなかった原因はいろいろですが、中に自分の性格にあると自己分析している方もあります。

今日は、マイホーム実現を阻む性分についてお話ししようと思います。5つに分けて解説します。

1.妥協できない頑固な性分

世の中には「分ってはいるが自分を変えられない」という頑固な人も少なくないようです。

その昔、筆者が上司から教わったことで、印象に残っている言葉のひとつに「どちらでも結果が同じと思えるなら相手(同僚や上司)の好みの方法に黙って従え」というのがあります。

「自分は右を行きたいと思っても、相手が左を行きたいなら、自己主張を止めて相手の望む左の道で目的地に向かいなさい」という、人間関係の円滑な保ち方についての教えでしたが、筆者が我を張るタイプの性格であることによる弊害に気づいて諭してくれたものでした。

「ある意味の我を張ることは悪いことではないが、ともすれば無理なことまで自分の意見を押し通そうとしてしまう。周りが正論をもって対抗して来ても意地になって自己主張を曲げないような頑固さは命取りになりかねない」――若いころ、こんなふうに厳しく叱咤されたものです。

性格は中々変えられないものですが、マンション選びの障害になる性分「頑固一徹」について書こうとしたとき、何故か遠い記憶がよみがえり思い出し笑いをしてしまいました。

さて、頑固な性分はどんな障害をもたらすのでしょうか?

「100%希望を満たすのは無理。希望条件に優先順位をつけよう。優先点、妥協点を明確にするのが成功の秘訣だ」と自分に言い聞かせた人があります。

ところが、「妻は買い物やグルメも大事、自分は通勤が最優先」などと意見(希望)が分れてしまいました。古い道徳でいうところの賢妻は夫の意見に黙って従うのかもしれませんが、いまどきの夫婦の関係は昔と違うのでしょう。

夫婦どちらも頑固な性分となると悲劇的です。そんな夫婦は滅多にいないかもしれませんが、どちらの意見・希望も満足させる物件には滅多に出会うことはないので、3年も4年もモデルルーム巡りをしているという夫婦もあるのは事実です。

仮に、頑固な性分が夫だけで、妻は夫に従う姿勢でいたとしても、肝腎の夫の自己主張が強く、本当は理想が高いだけなのですが、100%のマンションなんてないよと言いながら、「でもここだけは譲れない」と、その条件が多数にのぼる自分に気づかない人もあるのです。

妻の意見にも耳を貸すとともに、頑固に守る部分と妻に譲る部分をうまくバランスさせることが成功の秘訣なのかもしれません。

2.整理下手な性分

一世一代の大きな買い物をするのだから失敗したくないと書物を買って読み、インターネット上の様々な情報を仕入れて勉強している人は、マンション購入者の中の大多数のはずです。

しかし、実はそこに落とし穴があるのです。

多くの専門知識を身にまとい、業界用語にまで通じている人がいます。無論、市場の状況も下手な芸業マンも形無しなほどに知っています。10件も20件も、最新の物件情報に関して細部にわたり把握していたりするのです。

マンションに関する知識と情報に通暁しているのに(と、本人が思っているのに)、いつまでもゴールに達しないで、そのうち機会を失ってしまう人は少なくありません。

(自分もそうかもと感じる方には、筆者が提供する「未公開資料シリーズ」のNO.37「勉強のし過ぎで買えなくなる罠」と「その脱出法」がお勧め)
  
このような人の失敗の原因のひとつは、「知識と情報の洪水をかき分ける能力」か「情報整理が上手でない性分」にあるのだと思います。

言い換えると、頭でっかち状態になっていて、「私は何でも知っている」を力に換えられない性分なのかもしれません。

数年前から「断捨離(だんしゃり)」がちょっとしたブームになっています。 断捨離とは、不要なモノなどの数を減らし、生活や人生に調和をもたらそう とする生活術や処世術のことだと聞きます。

マンション選びの場合に置き換えれば、たくさんの知識と情報を取捨整理することが後悔しない選択の基礎的な条件ということなのでしょう。

世の中には、教養は豊かだが、それを人生にうまく活かせていない人がいると聞きます。それと同じなのでしょう。何でも知っている割には、いつまでもマンション選びができないでいるのかもしれません。

3.過度の心配性

過度の心配性が行動にブレーキをかけてしまう。そんな性分を嘆いている人もあります。

「ここに住んだら新しい友人はできるのか?」「買物や交通の便が悪くなるんじゃないか?」と引っ込み思案になっている人。

「30年もの長いローンを組んで大丈夫かしら」と、毎月の支払いから夫の突然の病気、子供の公立高校不合格、デフレ、天災と、あらゆる悩みを抱えモンモンと抱え込んでしまう人。

掘り出し物件かもしれない優良な物件にせっかく遭遇しても、「手抜きしているに違いない」とか「なにかワケありに違いない」と不信感ばかりが先に立ち、トンビに油揚げをさらわれてしまう人。

完成済み物件を何件も見学し、小さなキズや汚れが気になって、いつまでたっても買えない人。

こうした性分は批判すべきものではありませんが、解決策を見つけないと中々ゴールには達しないでしょう。

4.行動力に欠ける性分

「思い立ったが吉日」や「善は急げ」という諺がありますが、マイホームを購入するという行動は、自分と家族を幸せにするためのもので、いわば「善」です。「善」を行うのに、暦を見ながら動くような行動はいかがなものか、「善は急げ」であるし、「吉日は今日」なのではないかと思うのです。

しかし、反対のことわざには「急いては事を仕損じる」があります。大きな後悔はしたくないので、慎重に進めようとしてタイミングを逃してしまうのです。

慎重に事を進めることと、ゆっくり行動することとは意味が違います。慎重でありながらも、可能な限り急ぐ、その行動力が大事だと思うのです。

結果的に見送るということになるかもしれません。大事なことは、結論を早く出すための行動、すなわち調査や思索、相談といったものを素早く実行に移すことにあるのです。

5.決断力に欠ける性分(優柔不断)

マンション選びの最終段階は「決断」です。

調査も十分にした、家族との相談も何度か重ねた、理想的な物件とは思えないが、自分たちの力では限度と言える物件だ、資金的にも問題はない、あとは自分の決断だけだ。このような状態に達したとき、「本当にこれでいいのだろうか」と、しばし思い悩むことがあります。

これは誰にでも訪れる瞬間と言えましょう。違いはここからです。

十分な検討過程を辿って来たので、1回か2回は反芻するものの、短時間で結論を出せる人、何度も何度も行きつ戻りつしながら決断できないでいる人に分かれるのです。

妥協できない性分であり、整理下手な性分も持ち、過度の心配性の側面もあるし、行動力にも欠ける自分が、ここまでよく辿り着いたものだと感じつつ、営業マンに促されても「あと1週間、待って欲しい」と言ってしまう。そんな人もあるようです。

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筆者の仕事は、マンション選びにとって必要な知識と情報を「整理術」を駆使して提供することだと考えています。

過度の心配性の人であっても、行動力に欠ける人であっても、その性分なりに必要な指針を探し、決断のお役に立ちたいのです。

決断に影響を与えるとしたら(そこまでのぼせ上がっているわけではないのですが)、購入を勧めるにしても、止める方向の意見を述べるにしても、責任は重大ということになります。

ゆえに、「無料マンション評価」であっても「無料相談」であっても、一切の手抜きなしでサービスを提供して来ましたし、今後もその姿勢は変わらないと思います。なぜなら、それは筆者の性分でもあるからです。

 ・・・・今日はここまでです。ご購読ありがとうございました。ご質問・ご相談は「無料相談」のできる三井健太のマンション相談室
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