ローン返済は貯蓄そのもの?

ブログテーマ:元、大京マンが業界の裏側を知り尽くした目線で、マンション購入に関する疑問や諸問題を解き明かし、後悔しないためのハウツーをご紹介・・・・原則として、毎月5と10の日に投稿しています。

住宅ローンの金利がまたまた低下し、35年固定金利で知られる「フラット35」は、とうとう1.37%となりました。

高性能のマンション(大体の新築が該当)に適用される「フラット35S」は、2014年12月に閣議決定された優遇策(0.6%下げ)によって当初5年または10年の金利は何と0.77%になるのですから、都市銀行の変動金利並みとなったのです。

今日は、住宅ローンの性質を踏まえて少し変わった視点で低金利のメリットの大きさをお話ししようと思います。

●低金利は家賃並み返済が実現

マイホームを持つことと、賃貸住宅に住み続けることのメリット・デメリットがよく語られます。昔から何度となくシミュレーションが雑誌・新聞で記事にされて来ました。

賃貸暮らしを続けるよりは低金利の住宅ローンを使ってマイホームを持つ方が得策、メリットが大きいと感じている人が今も圧倒的に多いようです。

低金利は月々の負担を軽減するものであり、借入額が価格の80%くらいでも、所在地や面積によっては家賃並み以下の返済額になることが多い現状にあります。

例を挙げてみましょう。

3000万円35年返済、金利1.37%で借りると、返済額は89.956円です。当初金利0.77%のフラット35Sの場合は、81,508円です。

いずれも管理費と修繕積立金を月20,000か25,000円と見たら毎月10~11万円で新築マンションに住むことができるわけです。

勿論、3000万円では新築マンションは買えないので頭金を加えなければなりませんが、借入額を4000万円に増額しても毎月負担は12~13万円に過ぎません。頭金1000万円で5000万円の予算があれば、東京都内でも新築マンションの3LDKを購入できないこともありません。

東京都内では、3LDKの賃貸マンションを借りると直ぐ20万円の声を聞くこととなりますから、家賃の方が高いというケースが増えていると言えましょう。

言わずもがなですが、金利が高かったときは「家賃並み」とは行かなかったのです。

現状では、「家賃以下の返済」で買えるという営業トークがウソでも誇大表現でもなくなりました。

●ローン返済の意味

住宅ローンの一般的な「元利均等返済」は、元金と金利を合計した金額が返済期間中変わらないというタイプです。

3000万円の借り入れを35年返済、金利(年)1.2%固定で借りた場合(説明の都合上の設定です)の元金と金利の割合は次のようになります。

この場合の毎月返済額は、8万7510円ですが、内訳は初回返済の元金が57,510円、金利が30,000円となります。金利は1か月分なので1.2%÷12=0.1%が月利となります。3000万円の借入ですから当然30,000円になるのですね。

翌月は元本が3000万円から初回の返済で57,510円減少したので、金利も58円減って29,942円になり、逆に元金は金利が減った分の58円が増えて57,568円となります。合計は無論変わらず8万5710円です。

もうお分かりだと思います。元利均等返済は、金利が次第に減って元金が次第に増えるという構造になっているのです。

上記の例は、低金利なので毎月返済に占める金利の割合は初回だけで言えば30,000÷85,710=約35%、元金の割合は65%となります。

金利が高かった時代は逆に元金が35%以下で金利が65%以上でした。

住宅金融公庫の金利が5.5%だっと時代のこと、借りられる金額が3000万円もなかったので、金利7~8%の都市銀行のローンと併用するのが一般的でしたが、ここでは説明を分かりやすくするため、公庫から3000万円を借りたこととします。

その場合、毎月の返済額は何と現在の2倍近い161,104円になりました。元金と金利の内訳は、元金が23,604円、金利は137,500円です。

金利の割合は137,500÷161,104=85%強です。ちなみに5年後の60回目の返済割合を見てみると、金利は130,159円と依然として多く、まだ80%超です。

つまり、当初は金利ばかり払っていることになります。元本がなかなか減らないので金利払いも減らないのですね。

金利と元金の割合が逆転するのは、270回目(22年半後)、35年返済の半分をはるかに超えてしまうのです。

金利の総額は何と3760万円余となり、元金3000万円との合計で6760万円も払うことになるのです。

これに対し、金利1.2%の場合、金利総額は僅か675万円、元金との合計でも3675万円です。

35年間ずっと住み続けると仮定すれば、月々87,500円で(3675万円÷420回)住める計算になります。賃貸マンションの負担が20万円以上もする東京で、その半分以下の負担で済むということですが、それも特別なことではありません。

この場合、頭金は物件に置き換わったと考えればいいのです。 

頭金=物件価値としたら、35年後に、そこまで値下がりしてもいいということでもあるのです。

しかし、35年間ずっと同じ物件に住み続ける人はいないでしょう。次で、ローン完済前の売却について考えてみましょう。

●返済途中で売却すると?

ローンを完済する前に譲渡したときは、ローンの残金を清算することが必要です。

残金を清算するには、残金以上の金額で売れないと困ったことになります。預貯金から手出ししないといけないからです。しかし、これは都区内のマンションなら滅多に起こらないことです。

反対の場合、つまり売却時に物件の価値が購入額以上になっていたらどうでしょう。そのようなケースは都心マンションや人気住宅地などでは当たり前に起こる話です。

そうなると、計算は割愛しますが、頭金部分にプレミアムが付いて戻って来る格好になります。

プレミアムが付く物件、言い換えれば、資産価値が下がりにくい物件の条件は、①元々の商品価値が高い建物であること、②維持管理が徹底していること、③立地条件が良いことの3つです。

元々の価値ある建物とは、植栽が豊かであることや共用部分が立派である、存在感があること、ブランド価値があるといったものです。 

維持管理とは、日常管理を適切に行い、周期的な大規模修繕と改良工事を行いながら建物の劣化と陳腐化を最小限に留めることです。

立地条件に関しては、説明の必要がないでしょう。

筆者が提供する「マンション評価サービス(無料)」のうち、中古マンションの評価作業で気付くのは、最寄り駅からの距離で差がない立地条件にあって、築年数も差がないマンション同士で大きな価格差があるという点です。

その差は、きっと上記の3つが関わっているのだろうと教えられます。

その価格差は古くなればなるほど大きく広がっていきます。

地域の新築価格(相場)と比較すると明白です。 ある物件は築20年近いのに新築と変わらず、ある物件は20年を経て地域の新築相場の半値なのです。新築と変わらない物件の概要を覗いてみると「さもありなん」と思わせるものでした。

新築並みの価値ある物件は、分譲時もきっと高かったに違いないと思うので、中古になった現在価格が分譲時と同じであるかというと、幾分は値下がりしていると推定できますが、それでも下がり方は小さく、他方の半値物件の比ではないのです。

このような実例を多数見ていると、統計の語る平均数値では捉えきれない真実も分かる気がします。

********************************

もし貴方が長く資産価値を維持し続けるマンションを購入することができたとするなら、ローン返済は元本部分が定期積立貯蓄で、金利が低料金の家賃という見方ができます。

金利が高いときは高い家賃に相当しますが、今なら格安家賃と言えます。

元本についても、金利が高い時代は貯蓄に回す分が少ないので中々増えませんが、今なら毎月どんどん増えて貯蓄が増える楽しみを持つことができます。

しかし、うかつに悪いマンションを買ってしまうと、増えたはずの貯蓄元本が大きく目減りしてしまうことがあるのも事実です。

元本割れのリスクが小さい優良な物件に投資したら、快適マンションライフに加えて「貯蓄増加の楽しみ」を持つことも可能になります。

★ 三井健太の著書「住みながら儲けるマンション選びの秘密」 お申込みはこちらから????????http://mituikenta.web.fc2.com

・・・・今日はここまでです。ご購読ありがとうございました。ご質問・ご相談は「無料相談」のできる三井健太のマンション相談室(http://mituikenta.web.fc2.com)までお気軽にどうぞ。

★三井健太のマンション相談室は、マンション購入のお悩みにお答えするサイトです。

★「無料の未公開情報」や「マンションWEB講座」など、お役立ち情報も多数掲載されています。※未公開資料の最新版 NO.54(2015年2月10日アップ)は、「資産価値の落ちない街」です。

★好評「マンション無料評価サービス」のお申込みはこちらから???????????http://mituikenta.web.fc2.com

溢れる情報で混乱を来たしそうなとき、物件の価値を筆者の冷徹で公平・客観的な観点からの評価コメントをお読みいただいた結果、「頭の中が整理できた、先入観や固定観念、誤解などが氷解した、悩みがすっきりした、前に進めそうだ等のお声」をたくさん頂いています。