営業マン教育が行き届いている会社

ブログテーマ:マンション業界出身者が業界の裏側を知り尽くした目線で、マンション購入に関する疑問や諸問題を解き明かし、後悔しないためのハウツーをご紹介・・・・原則として、毎月5と10の日に投稿しています。

筆者の評価サービスお申込みには、実は偏りがあります。そのひとつが売主です。

大手は供給数が多いので評価依頼も多いのですが、その大手でも盛んに評価依頼が届く企業とそうでない企業があるのです。

これはどういうことか、ぼんやりとした疑問が最近ようやく解けて来ました。

理由はいくつかあるのですが、ひとつは買い手の要望にきちんと応えていないこと、言い換えると「営業マン教育が行き届いていないこと」だと分かったのです。営業マン自身の勉強不足ということかもしれません。

●顧客の不安解消に答えていない

買い手の不安要素は、大きく分けると3点あると言われます。
商品に対する不安、売主に対する不安、営業マンに対する不安です。

「この商品は大丈夫か」、「この売主から買っても大丈夫か」、「この営業マンの説明は適切か」というわけです。

例を挙げてみましょう。まず「商品に対する不安」ですが、「杭が50メートルだそうですが、地盤は大丈夫でしょうか?」なんていうのがあります。

「直床ですが、問題ないでしょうか?」、「1階なので湿気が心配」、「高速道路に近いので騒音が心配」、「価格が安いので心配」、「何故か売れ残っている」、「価格が高いのではないか」といったものもよく届く声です。

次に「売主に対する不安」ですが、「関東ではなじみのない売主ですが、大丈夫ですか?」、「売主の評判を知りたい」といった、主として無名企業に関するものです。

最後の「営業マンに対する不安」では、「〇〇〇と説明を受けたのですが本当でしょうか?」という質問に表われます。

中には、「相性が悪い。担当者を替えてもらうことは可能か」なんていうご相談もときおりあるのです。また、「契約前は熱心だったが、契約後は連絡が遅い」などの不信感も少なくありません。

これらは、営業マンが買い手の不安や疑念に的確に答えていないことを意味します。顧客を完璧に納得させていないのです。

購買心理は、納得と安心、ある種の感動によって最高潮に達すると言われます。営業マンの説明に納得し、不安が消え、モデルルームと街・環境など「商品の外形」に感動したとき、買いたいという心理が最大になるのです。

営業マンは、顧客の不安心理を読み取って丁寧に、かつ的確に説明して行くことが使命のはずです。それが不完全なとき買い手は購入を躊躇するのです。

筆者に届く不安や疑問の声は、担当営業マンの説明が曖昧であったり、欺瞞であったり、はたまた詭弁やおざなり、問題のすり替えであったりすることの裏返しです。

●関連知識が不足している

買い手を納得させる説明ができない営業マンが多いのは、昔から変わらない不動産業界の悪弊です。

不動産・建築・市場に関する知識が商品(物件)知識以上に必要であること、税金や金融などの知識も必須であることなど、本来マンション営業は幅広く、かつ深い専門知識が要求される高度な仕事です。

商品知識を習得してから営業に当たるのは当然であり、その面では完璧な営業マンは少なくありません。しかし、関連知識については勉強不足の営業マンが多いのです。

そのため、顧客の疑問に対し納得感を与えられないのです。

営業マンは、論理的な説明、事実に基づく説明、そして共感を呼ぶ説明をもって顧客に一点の曇りもない納得と安心感を与えなければなりません。しかし、現実は理想からはるかに遠いようです。

勉強不足で知識に乏しいからです。中には、知識があっても表現力やプレゼンテーション能力に乏しいために完璧な納得と安心を与えられないベテラン営業マンも見られます。

●営業が「誘導」主体である

最悪のケースは、完全なる納得と安心感を与えないまま結論を急がせる営業マンに当たったときです。これは営業マンの資質の問題であるとともに、しばしば企業姿勢から来るもののようです。

売れ行きが良い、見学者が多い、いわゆる人気物件でよく見られます。「〇〇日から登録受付を開始しますから、それまでに希望住戸を決めてくれ」という類の話や、「申し込み多数の場合は抽選になるが、できるだけ重ならないように交通整理したいから早めに希望住戸を絞って欲しい」といった「誘導」です。

営業とは「顧客誘導」が本義なので理解はできるものの、その前にやるべきことがあるでしょと言いたいくらいです。

●教育が行き届いている会社

新築マンションの場合、どこの企業も専属の担当者を指名して販売に当たらせるものです。チーム編成が決まったら、事前に勉強会を開き、物件(商品)知識を先ずはしっかり頭に叩き込むのです。

次に「想定問答」の練習をします。完璧な物件はなく、必ず何か欠点・弱点を有していますから、そこを顧客から突かれたとき何と答えるかを検討し、統一した答えを用意するのです。

勿論、物件の特長、売りのポイントを整理し、これとこれを強調しようなどという申し合わせも行います。

モデルルーム公開後は、事前に想定していたこと以外の新たな説明ポイントが必要になりますし、販売が進む過程で修整が必要にもなります。

これらの打ち合わせが日々の反省会で繰り返されているチームは、誰が担当であっても金太郎飴のように的確な説明ができるようになっています。

しかし、打ち合わせ・勉強不十分な販売現場は少なくないようです。 しどろもどろの説明、わざとかもしれない「ピントのずれた」説明、論理的とは言えない説明、「思いますよ」的な自信のない説明。このような頼りにならない営業マンが多い。これは筆者の感想です。

●納得できるまで答えを求めましょう

良い営業マンに巡り合えるかどうか、教育の行き届いた販社・販売チームによる物件かどうか、これは時の運です。

 大事なことは、「納得と安心」を完璧に得ることです。そのためには、何度でも質問することです。決してわかったふりをしないことです。「素人の私に理解できるように説明してください」と食い下がることをお勧めします。

気になること、心配なこと、不満など、どんな物件でもひとつやふたつはあるものです。完全無欠と思っていたら、それは「あばたも笑窪」状態になっていると考えた方がいいのです。

質問攻めにすれば、勉強不足の営業マンは音を上げ、やがて先輩や上司に応援を頼むことでしょう。その先輩・上司の油断ならない営業マンが登場してきたら、煙に巻かれないよう注意しつつ「なるほど」と納得感が得られるまで尋ねましょう。

あまりしつこく聞いては悪いと思いがちですが、その遠慮は排除しましょう。これは後悔しないための必須の購買態度なのです。

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