ミニバブル崩壊を心配する声が増加中

ブログテーマ:マンション業界出身者が業界の裏側を知り尽くした目線で、マンション購入に関する疑問や諸問題を解き明かし、後悔しないためのハウツーをご紹介・・・・原則として、毎月5と10の日に投稿しています。

8月25日の記事で「中国発の世界同時株安に動揺する人たち」に対し、筆者なりの考えを述べましたが、今日はこれを継いで書こうと思います。

●不動産は売らなければ損も得もない

25年以上も前(1988年以前)にマンションを買った人の多くは、大きな値上がりを体験しました。タイミングや購入した物件・場所によって差はあるものの、短期間に我が家が2倍、3倍になったことで驚いたものです。

しかし、現に住んでいる家の値段が何倍になろうと、何の得もありませんでした。むしろ、固定資産税がアップしたことで苦々しく思った人もあったはずです。

一方、売却した人は、高値に驚くとともに手にした金額に喜び一杯だったことでしょう。ただし、その資金でもっと良い住まいを手に入れようとすると、郊外のまだ値上がりの波が及んでいない街へ行くほかにありませんでした。

売却した場所の近くは同じように値上がりしていたため、売却して得た金銭に(新たなローンなどで)プラスしなければランクアップした家は買えなかったからです。

反対に、バブル期に高額な住まいを購入した人は、その後の極端な値下がりを体験することとなりました。

何かの事情で売りたいとなったとき、現実の厳しさにぶつかりました。売却して得る金銭では住宅ローンの残債を清算できないことを知ったからです。いわゆる追い銭が必須でした。

その金額の大きいこと。結局、売却を断念した人も多かったはずです。これは含み損を抱えてしまったものの、損失が確定しないで済んだというケースです。

最近1年くらいの間にマンションを購入した人、あるいは今から購入しようとしている人の中に、「バブルがはげ落ちて買ったマンションの資産価値が大きく下落するのではないか」と心配しているが少なくないように感じます。

しかし、仮にそうなっても、売却しなければ損は表面化しないのです。

●一時的に下がっても必ず持ち直す

売却しなければいいと言われても、その必要が出て来たらどうすればいいのか?そんな反論が聞こえて来ます。 そうですね。対策はいくつか考えられるのですが、個人の事情によってもその答えは違って来るので、別の機会にさせていただくとして、ここでは価格の見通しについて触れておくことにします。

1980年代後半のバブル経済が1990年に弾けてからの価格低下局面が終わったのは、マンション(新築)の価格推移で見れば2005年でした。つまり、価格低下トレンドは15年続いたわけですが、ピーク時から見たら信じられないような下落幅でした。

バブルのピーク時の価格が、実体価値を大きく超えたものだったからこそバブルと呼んだのです。1980年代は異次元の高値だったと言うべきで、値下がり後の価格が実体価値と合致する適正な価格だったということなのでしょう。

ともあれ、株の世界ではありませんが、1980年代から2000年代初頭にかけて、「山高ければ谷深し」を地で示すような狂騰から暴落という経過を辿りました。

100年に一度あるかないかの、この歴史的なバブルとバブル後の動向は例外と捉えるとし、その後の10年余(2005年~2015年)を端的に表すと、ミニバブルと言われた数年、その後の下落と底這い、そして2013年からの上昇期の今となります。

つまり、山谷山と繰り返しているのです。単純に見れば3~4年おきに上がり下がりのトレンドを見せているということです。

直近の山が今年か来年で終わると言いたいわけではありません。しかし、10年もしない短期間の中で価格の上下動は繰り返して行くはずです。

仮に悲観論者が語っているらしい(局地的な)バブルが、明日にも崩壊するのだとしても(筆者はその意見に与しないのですが)、長い時間を要することなく元の価格に戻るはず。そう言いたいのです。

としたら、一喜一憂しなくてもよいわけです。

●長期的な懸念材料は残る

誤解のないように補足しておきますが、上記の主張は向こう20年くらいのイメージを前提としています。

そも先はまだ予測不能です。人口の減少トレンドに歯止めがかかるかもしれないと期待を持ってはいるものの、世間の大多数の予測は「少子高齢化・人口減少」による住宅需要の減少です。

需要が少なく供給が多ければ、住宅の資産価値は下がらざるを得ないのです。しかし、現実には、新築マンションの供給戸数は首都圏でピーク時の半数に減りました。

毎年、多数の新規開発が行われて来たマンションは、数量的な調整が行われているわけです。

今後も大量供給が続かなければバランスを保って行くことでしょう。従って、中古マンションの値崩れも起きないと見ることが可能になって来ます。

とはいえ、中古マンションの価格はあくまで個別要因が大きいのです。可能な限り競争力の高い物件を取得することがカギである点は常に変わりはありません。

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