2016年は消費税引上げ前に駆け込み需要発生か?

ブログテーマ:マンション業界出身者が業界の裏側を知り尽くした目線で、マンション購入に関する疑問や諸問題を解き明かし、後悔しないためのハウツーをご紹介・・・・原則として、毎月5と10の日に投稿しています。

以下の話は新築マンションに限ったものです。

ご存知のように、中古の個人住宅の購入で消費税は非課税だからです。中古住宅で消費税がかかるのは、法人が仲介ではなくオーナーとして売り出す場合だけとなります。 リノベーション住宅の売却などが該当します。

個人所有の中古売買で消費税を気にするのは「仲介手数料」だけです。最大で、物件価格の(3%+6万円)の仲介手数料にかかる消費税が2017年4月には8%から10%に上がる予定となっています。

5000万円の売買であれば、手数料が3%にまけてもらったとして150万円。これに8%(1.08)をかけると162万円ですが、2017年4月以降は150万円×10%なので165万円に増えるのです。

僅か3万円と言ってしまうと、買い手の皆さんからお叱りを受けそうですが、3万円を惜しむあまりに焦って取引に応じ、大きな失敗をしでかす危険があると考えれば、3万円にこだわるべきではないのです。

新築マンションの場合は、物件価格に消費税が課税されるので、手数料のそれとはケタが違います。

例を挙げてみましょう。23区内の5000万円のマンションを購入する例です。土地に消費税はかからないので、5000万円のマンションの建物価格を知る必要があります。

言うまでもなく、東京の土地は高いので物件価格に占める土地代は40~50%になります。ここの例題は40%としましょう。すると建物代は物件価格の60%となります。税抜きで5000万円の物件なら3000万円というわけです。

消費税は3000万円×8%では240万円ですが、10%に増税されると300万円となります。その差は60万円ですね・・・・例(1)

都心の8000万円くらいの物件を求める人は、おそらく土地が4000万円で建物4000万円という比率になる例が多いはずです。この消費税は、320万円から400万円に増額となります。その差、80万円です・・・・例(2)

ついでに郊外の例も見ましょう。郊外は、地価が安いので建物比率が70%くらいになるケースが多いのですが、例題は4000万円のマンションで計算します。2800万円が建物価格となり、8%の今なら224万円ですが、10%に増税されると280万円となって差額が56万円となります・・・・例(3)

いずれのケースも金額差は大きいとも言えますが、見ようによっては「なんだ、そんなものか」と感じる人も少なくないことでしょう。

購入額全体の値上り率を見ましょう。

例(1)は物件価格が5000+240万円から60万円増えるだけなので、値上がり率は、1%に過ぎません。

例(2)は、8320万円から80万円増えるので、値上り率は、やはり1%です。

例(3)は、同様に224万円から56万円の値上がりなので、やや大きく1.3%となります。

ここまでで筆者が言いたいことは、「本末転倒」の過ちを犯さないで頂きたいという点です。結論を急いだばかりに後悔するという事態に陥らないで欲しいということなのです。50万円、100万円は大きいとも言えますが、それを気にするばかりに数百万円も割高な物件を掴んでしまわないようにしなければなりません。

しかし、こうした計算をせず、何となく2%も上がると聞くと、高額な買い物だけに「増税前に買おう」と動く人は少なくありません。いわゆる駆け込み需要の発生です。

消費税の増税は2017年4月以降に引き渡しとなる物件が対象になるのですが、2016年9月までに売買契約を済ませれば、引き渡しが2017年4月以降の物件でも8%のままで購入できることになりそうです。そこで、その直前に慌てる人が増えると予想されます。

2016年のマンション市場を予想するとき、増税の影響は無視できません。2013年以降の3年間のトレンドは「価格急騰」でした。マンション探しに熱心だった人の多くが値上りを実感したはずです。

その中で、ある人は購入を断念し、ある人は中古に目を転じ、ある人は希望エリアを変更したりしたのです。

幸いにして住宅ローンの金利が一段安となったため、価格上昇を吸収できたのです。そして、予算を上げて希望条件に合致する物件を取得できた人も多かったことでしょう。

しかし、中には上記の条件変更とは少し趣を異にする、大きな妥協をして購入に踏み切った人もあったのです。その妥協とは、「スペックの劣る建物」と「ブランド力がひどく劣る物件」、「立地条件に問題があって売れ残っている物件」などが挙げられます。

今年も、増税の影響も加わって、マンション選びは一層難しいことになりそうです。

理想的な物件はないと考えなければなりませんが、だからと言って、その妥協は「待った」と言わざるを得ない例も少なくないのです。

筆者が提供している「マンション評価サービス」では、様々な購入パターンがあり、様々な物件の価値評価を求められています。 その中に「避けるべきだった買い物」をしてしまった人もあります。

言い換えましょう。妥協をしてはいけない部分を妥協し、そこは妥協しても仕方ないと考えられる部分に何故かこだわってしまう人があるのです。

筆者は、あくまで助言者に過ぎません。ご依頼者に判断材料を提供し、所見を述べるだけです。しかしながら、「どうか的確な判断をなさいますように」と常に願いつつレポートをお届けしています。

今日も、営業マンがこれから使うであろう「消費税が上がる前に決断しましょう」に踊らされず、あくまで冷徹に判断されることを願ってやみません。

・・・・今日はここまでです。ご購読ありがとうございました。ご質問・ご相談は「無料相談」のできる三井健太のマンション相談室(http://mituikenta.web.fc2.com)までお気軽にどうぞ。

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