京都のマンションが人気。その背景にバブル?

ブログテーマ:マンション業界出身者が業界の裏側を知り尽くした目線で、マンション購入に関する疑問や諸問題を解き明かし、後悔しないためのハウツーをご紹介・・・・原則として、毎月5と10の日に投稿しています。

最近、京都のマンションが人気を集めていることをご存知でしょうか?

直近では、三菱地所レジデンスや野村不動産などが京都御所の近隣や鴨川沿いなどで高級マンションを販売中です。 これらの中には5億円を超える住戸も含まれており、関西エリアの中でも特に高額なマンションとして話題になっています。

●相続税対策を兼ねたセカンドハウス需要

平成27年1月から相続税の改正で基礎控除額が下がり、これまでは課税対象とならなかった人も相続税が発生する可能性が出て来るとされ、俄かに相続税対策として、現金資産から不動産へという流行を起こしました。

不動産購入の中でも、タワーマンション上層階を選択するのが効果的と言われ、東京都心の高額なタワーマンションの販売に寄与したのは確かだったようです。

購入したマンションがどのような用途だったかというと、自己使用というより賃貸用か家族(子供)・親戚などの使用、もしくは大半が賃貸目的らしいとも。

これに対し、京都の高級マンションはタワー型ではないので、相続税対策というより、セカンドハウスとしての利用が主体と聞いています。買い手は、地元近畿圏の人でなく、東京在住者が目立つと言います。

●江戸から見れば京都は上方。憧れの都市

ご存知のように、京都は東京よりはるかに長い歴史を持ち、数多くの寺社など歴史遺産や食、工芸などの伝統文化は無論のこと、洗練された都市機能も併せ持つ憧憬の街です。

天皇の居所も、かつては京都にあったわけで、東京は「皇居」ですが、京都は「御所」と呼ばれます。その、そばに住むことはステイタスの高さを示すものとなり、多くのマンションが「御所東」や「御所西」、「御所南」を冠しています。

新築では、先に述べたデベロッパーが「プラウド京都御所東」や「ザ・パークハウス 京都鴨川御所東」、「ザ・サンメゾン京都御所西」、「ザ・京都レジデンス 御所南」といった物件を販売中です。

中古市場では、御所東アーバンライフ、グランフォルム京都御所南、銀閣寺道パーク・マンションなどといった100㎡以上の専有面積を持つ億ションが現在売り出し中です。

●鎌倉・伊豆・沖縄・ハワイの共通点

癒しを得ようとする人の志向は大昔からあったようで、その方策のひとつとして、気候が良く景観に優れた土地へ旅行することは定番でした。

時間もお金も余裕のある人は、長期滞在するので、ホテル泊ではなく別荘を所有したりします。

筆者の同級生に弁護士が何人かいますが、その一人は鎌倉市に住んでいます。記憶では、随分若い時分に鎌倉に土地を買って注文住宅を建て住んでいました。 毎晩のようにタクシーで帰宅するような多忙な友が、なぜそんな遠いところに住むのかと不思議に思ったものでした。

伊豆の山中に住む親戚もいます。リタイアした夫婦ですが、伊豆に住む前は武蔵小杉のマンションに長く住んでいたのです。

伊豆と言えば、その昔、タレントの大橋巨泉さんが伊豆に住んでいたという新聞記事を読んだ記憶があります。その後は確かカナダに転居したのではなかったか?

大阪に住んでいた知人の一人に、沖縄の石垣島によく通っていた人がいますが、いつの間にか定住してしまいました。

ハワイに別荘を所有している芸能人は多いそうですが、一般人でも別荘を持つお金持ちがいるようです。別荘といっても形は様々で、プール付きの一戸建てから賃貸も可能なコンドミニアムもあります。

ハワイと同じような青い海と空のリゾート地は豪州にもあります。中でも「ゴールドクレスト」が有名です。昔、同地を訪問したことがありました。目的は、日本人向けのリゾートマンション分譲を企図するデベロッパーから意見を求められたからです。

計画は頓挫してしまいましたが、ハワイよりは観光客も少なく、賑やか過ぎないところがいいなと思ったことを覚えています。最近はどうなのでしょうか?

伊豆や沖縄、京都でマンション開発をやりたがっていたデベロッパーに依頼されて沖縄と京都は数えきれないほど訪れましたが、設計に活かすためのニーズを把握しようと研究したことが思い出されます。

●これもバブル現象か?

伊豆や沖縄、京都、ハワイ、豪州などを頻繁に訪れたのは、もう25年も前のことです。

最近3年くらいを振り返ると、沖縄でのリゾートマンション販売が活発らしい事象に遭遇したり、京都のマンションが首都圏版のSUUMOや新聞広告で宣伝されている例をよく見かけたりしますが、その断片だけを見る限り「バブルの再来」かと感じたりします。

国民がそろってバブル景気に酔ったバブル時代とは明らかに異なる現況なのに、なぜバブル期のような現象が現れるのだろうなどと考えさせられます。

そう言えば、三菱地所が海外不動産に投資するファンドを設立したというニュースを確か3月(2016年)ころの新聞で見ました。これなども「バブル再来」の兆しと感じざるを得ません。

何故なら、30年前には日本の不動産業者の多くが海外不動産を買い漁ったからです。三菱地所も、ニューヨーク市の有名な「ロックフェラーセンター」を高値買収したことがトップニュースになったものでした。物件価値は、その後大きく下落して同社に多額の損失をもたらしたことも覚えています。

今また同じ轍を踏もうとしているとは思いたくありませんが、一部の個人、一部の法人がバブル時代と同じような行動をとっているとしたら、その動きに便乗してしまう人が増えてしまわないかと、他人事ながら気がかりです。

バブルとは、実質の価値以上の値を付けてしまう資産の膨張を意味します。バブルが破裂して裸の価値をさらすとき、同時に富の喪失をもたらすからです。

都区内でも急激な高騰を見せるマンションがあります。全体的な価格上昇のトレンドも明白です。「バブルではないよねえ。まさかね」などと否定しつつ、一部で肯定せざるを得ない現象も確認したりしていますが、今後も注意深く市場の動きを見て行こうと思っています。

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