安さを求め過ぎるリスク

ブログテーマ:マンション業界出身者が業界の裏側を知り尽くした目線で、マンション購入に関する疑問や諸問題を解き明かし、後悔しないためのハウツーをご紹介・・・・原則として、毎月5と10の日に投稿しています。

今日は、安い物件を探すときのリスクについてお話ししようと思います。

値上がりトレンドが続いているとき、あるいは急激な価格上昇の後、高止まり状態にあるとき、買い手サイドはどのような心理状態になるのでしょうか?

こんな時、買い手が強く感じることは、 「高いなあ!」です。新築の場合、売り手は中々価格を明かさないので、広告に気づいた時点では分からないものの、モデルルーム訪問の2回目か3回目には「予定価格ですが・・・」と前置きして価格を提示します。

そこで、希望する3LDKが予算を大きく超えるものと知って「高い」となるわけです。

そのとき、面積・間取り、あるいは方位・階数などを妥協できればまだしも、距離が縮まりそうにないとなれば断念するほかありません。

しばらくマンション探しを続けて行くと、次に感じるのは 「条件を満たす物件は中々ないなあ!」となります。

それでも、買いたい人は懸命に物件探しを続けます。学習した知識や教訓を生かして方針転換を早くに図った人は、ほどなく購入物件へ辿り着くことができ、無事売買契約を済ますことができたかもしれません。

一方、条件変更を模索しながらも踏み切れずにいる人も多数あります。そう簡単に条件を変えられないという想いが足枷になっているからでしょう。

●面積を妥協できない人が冒すリスク

間取り・専有面積は買い手にとって大事な条件のひとつです。東京では70㎡3LDKを求めるのが一般的ですが、子供ができたときのことを考えて、最初からこれを求める新婚さんもあります。

新婚さんでなくても、一次取得者と言われるDINKS(子供のいない共働き夫婦)の多くが70㎡3LDKを目指すのです。

その場合で、予算が足りないときに向かう先は、立地条件の妥協です。

しかし、それが大きな過ちの元になっています。

狭い賃貸マンションに住んでいると、どうせ買うならもう一部屋広いものをという心理が働くのかもしれませんが、例えば50㎡から一気に70㎡を目指そうとするのは怖いことです。

立地条件の妥協とは、まったく知らない街や沿線の物件を検討することです。

全く知らないエリアとはいえ、通勤の便を考慮するので、一定の範囲に限るのですが、勤務先まで〇〇分以内、〇〇か〇〇辺り、または×××沿線か×××沿線なら遠くても▲駅までなどとおおよその条件が自然と決まって来ます。

その設定自体は何も悪いことではありません。いい意味での発想転換をしなければマイホームには届かないのも現実です。しかし、立地条件はマンションの資産価値を決定づける大事な要素になるのです。

何事も例外があるものですし、程度問題でもあるのですが、避けたい立地は少なくありません。ここでは具体的なことを書くわけにはいかないのですが、避難を恐れず言えば「本線でなく支線(幹線でなく枝線)を選んでしまう」、「急行停車駅でなく各駅停車の駅を選んでしまう」、「都心までの絶対距離でなく、快速(急行)で〇〇分の時間表示で選んでしまう」といったことです。

●アドレスを妥協できない人が冒すリスク

「この街が好きだから」や「親が同じ市内に住んでいるから」などの理由や事情を持つ人は仕方ないのかもしれませんが、地元志向の強い買い手は実に多いものです。

しかし、そこで冒す過ちは「駅からの距離」を妥協点にしてしまいがちなことです。慣れ親しんだ街だから、どこに何があり、通勤電車は何時ごろからすし詰め状態になるといったことまで知り尽くしています。

そこに過ちを犯しやすさが潜んでいるのです。間取りも面積も妥協することなく購入できるため、例えばバス便マンションを選択してしまいます。

バス便もあるが、駅から徒歩圏でもあると言い聞かせつつ、13分、14分という距離の物件を買ってしまうのです。

このような物件には、罠が用意されていることをご存知でしょうか?こう書くと、まるで売主を悪者扱いですが、駅から遠い物件の大半が「その弱点を補う要素」を持つとアピールして来るのです。

「徒歩2分に大型ショッピングモールができます」や「〇〇リバーの眺めが素晴らしい」、「公園が南に接するロケーション」などです。確かに、これらは魅力の要素に違いありません。

その魅力のポイントがあるからこそ、デベロッパーは用地を仕入れたのです。「駅から距離はあるが、環境がとてもいいから何とか販売は可能だろう」などと言い聞かせつつ土地を買収します。

しかし、問題は駅から遠い弱点を補って余りほどの魅力なのかどうかにあります。大型ショッピングモールにしても、果たして通勤便を補ってお釣りが来るのか、冷静に考えなければなりません。

「マンションの向こうは第1種低層住居専用地域なので、低層階からでも遠くまで見通せる眺望が魅力です。前面に将来の日当たりと眺望を阻害する高層建築はできないエリアなので安心です」などの惹句がHP上に踊りますが、要注意です。

「新しい施設が続々とオープンします」の文言に弱い買い手も多く、発展しつつある街と錯覚してしまいがちですが、交通便の悪さを補ってくれるほどの価値があるかというと、さほどではないケースも多いのです。

●新築にこだわり続ける人が冒すリスク

「知らない人が住んでいた家を買うなんて考えられない」と語る人がいます。

「知らない人の手垢がついた家は気持ち悪い」とまで言う人もあります。

その人が現在住んでいる家は中古の賃貸マンションです。新築の賃貸マンションに偶然に出会って住み始める人もいないわけでは無論ないのですが、殆どは誰か見知らぬ人が少し前まで住んでいたアパートや賃貸マンションに住んでいるのです。

しかし。購入となると違うようです。

聞いてみると「設備が旧式だから先進設備の新築がいい」とか「高い金を投じるのだから」が理由の大半です。

新築にこだわり続けると、当然ながら価格が高いので、立地条件を妥協するか面積を極端に妥協する、もしくは価格はいくらか安いが建物品質に疑問が残るマンションを選択することになります。

面積を妥協するだけならいいのですが、他の妥協は資産価値に大きく影響する危険が大きいので、慎重に検討したいところです。

●解決策はこうだ!!

最初に「面積を妥協できない人が冒すリスク」と書きましたが、仮にそこを妥協できるとしたら、選択肢は広がるはずです。

新婚さんで、「子供ができたときのこと考えて」と語る人には、将来を見据えた良い考えと褒めたいところですが、子供ができたときを考えて無理をする必要はないのです。

子供に子供部屋を与えるのは何年先か考えてみましょう。それまでは2LDKでも十分のはずです。いいえ、極論を言えば、今が1LDKなら、その大きさと変わらなくても問題はないはずです。まあ、それはやはり極論です。もっと快適に暮らしたい、もっとゆとりのある広さが欲しいといった動機があるのですから。

しかし、2LDKなら、子供部屋と夫婦の寝室の2寝室あれば間に合うとは言えないでしょうか? それも極論というなら、子供に個室を与えるときが来たときに買い替えればいいのです。

その買い替えを実現させやすいのは、立地の良さが条件です。立地を優先し、面積条件を落とすべきです。

これはアドレスの妥協ができない人にも当てはまる解決のための選択肢になります。

新築にこだわりを持ち続ける人はどうすればいいのでしょうか?

答えは、もうお分かりのように中古マンションも候補にするということです。ただし、新築志向が強かった人ほど、「できるだけ築浅の物件を」と思いがちなので、ここが肝心です。

築浅の中古は人気で、思ったほど安くないことに気付きます。品数も少ないのです。

仕方なく徐々に築年数の古い中古へと、選択の幅が広がって行きます。ところが、そこで今度はリフォーム代の壁にぶつかったりします。つまり、「リフォーム代を加算すると中古なのに意外に高い」と気付くのです。

以前、このブログで「築30年のマンションに10年だけ住む」という発想を紹介したところ、その記事が閲覧ランキングでトップになりました。最近の履歴でも常に上位に来るのですが、このような発想転換がマイホーム実現の道を切り開いてくれるに違いありません。

 ・・・・今日はここまでです。ご購読ありがとうございました。ご質問・ご相談は「無料相談」のできる三井健太のマンション相談室(http://mituikenta.web.fc2.com)までお気軽にどうぞ。

★三井健太のマンション相談室は、マンション購入のお悩みにお答えするサイトです。

★「無料の未公開情報(※69タイトル:最新版「マンションの立地条件 判定理論」)や「マンションWEB講座(※最新版NO.92)」など、お役立ち情報も多数掲載されています。

「高いときに買ってしまったが売却時に損は出ないか」を確認したい方へお勧め 「マンション価格の10年後を予測する」

将来の価格を当てるのは簡単なことではありませんが、三井健太のマンション相談室では、あなたの購入マンションの価値及び価格の妥当性を評価したうえで、将来価格をズバリ予測、根拠とともに精緻なレポートとして提供しています。

将来価格(リセールバリュー)を知っておきたい人はとても多く、そのニーズにお答えしようと始めた有料サービスですが、購入が得か損か、買い替えはうまく行くか、買い替え時までの収支決算予想は?――などの疑問があれば是非お試し下さい。

唯一無二のサービスのせいもあってか、おかげさまで大きな反響を頂いております。

完成内覧会の立会サービスを「格安」で。ただいま予約受付中!!

詳細はホームページのトップにある「メニュー」内の「内覧会立会いサービス」をクリックするとご覧になれます。こちら???http://mituikenta.web.fc2.com