第一印象に騙されるな。第一印象で騙せ

このブログはマンション業界OBが業界の裏側を知り尽くした目線で、マンション購入に関する疑問や諸問題を解き明かし、後悔しないためのハウツーをご紹介・・・・原則として、毎月5と10の日に投稿しています。
~~~~最近は更新回数を増やしていいます~~~

建物の威容と重厚感を放つ外観、エントランスに入ると2層吹き抜けの高い天井と広々としたエントランスホール、いかにも高そうで品のあるソファが置かれたコーナーと窓の向こうに日本庭園。

今住んでいる賃貸とは、月とすっぽんほど違う仕様のマンションに出会う。その瞬間に囚われの身になってしまった。一言、「(高級・ラグジュアリー)ホテルみたい」と舞い上がる。

このような経験をお持ちの読者もいらっしゃるのではないかと想像します。

マンションの価値を左右するのは、①立地条件(利便性と環境)、②スケール(存在感)、③外観・玄関・空間デザイン、④建物プラン(共用施設、間取り、内装や設備など)、⑤ブランド、⑥管理体制の6つの要素が挙げられます。

この中で最も比重が高いのは立地条件ですが、③に取り上げたデザインもマンションの価値を左右する要素として軽視できません。

筆者は、「外観、玄関、空間」も3つを掲げています。外観・玄関は、説明の必要がないでしょう。

空間デザインというのは、ランドスケープと共用施設のデザインを指します。庭園やゲストルーム、ライブラリー・スタディルームといったものも、スペースを用意すれば事足りるわけではなく、物件ごとに庭園のデザイン、施設の床・壁・天井の仕上げと装備品のグレードが検討されます。

各社各様ですし、立地条件や物件のコンセプトによっても差が生まれるのは当然なのですが、冒頭で述べた、買い手が舞い上がるような仕掛けに特に力を入れるデベロッパーが少なからず存在します。

「ファーストインプレッション第一主義」と名付けましょう。これに力を入れるのは、室内の設備・仕様が普通でも、ファーストインプレッションの余韻が残るので、冷静に判断できなくなってしまうからであり、販売スピードが高まる、つまり売りやすいからです。

新築マンションの場合、建物の完成前から販売を開始します。そこで、感動を与えるためにモデルルーム併設のシアタールームの巨大画面に映像を流すことで代用します。これでも十分な場合もあるでしょうが、実物の方が説得力を持ちます。そのためかどうかは定かでないのですが、建物完成後の販売に重点を置いている大手業者も見られます。

買い手は、この販売スキルに騙されてはいけません。もし、うっかり策に乗せられて舞い上がってしまったら、契約を交わすまでの時間を使って第三者の意見を聞くことをお勧めします。
第一印象が強すぎて、価値を大きく超える価格で販売されていることに気付かない場合があるからです。

ところで、買主は、将来、自分が売主に転じることがあります。これを意識していない人も少なくないようですが、売却する可能性が少しでもあるのでしたら、客を迎える心構えを考えてみるといいでしょう。将来の買い手は賓客なのです。

タイトルの「第一印象で騙せ」は露骨で下品な表現です。改めると「買い手に良い印象を与えることが取引をスムーズに進める秘訣のひとつ。そのカギを握るのが外観・玄関などのデザイン」ということです。

購入したマンションを将来売却するとき、少しでも有利に売りたければ、「豪華で素晴らしいマンションだ」という感動を最初に強烈に与え、ここに住みたいという気持ちを強化することです。そのためには、購入するときに「デザイン視点」を外さないことが大事です。

・・・・今日はここまでです。ご購読ありがとうございました。ご質問・ご相談は「無料相談」のできる三井健太のマンション相談室(http://www.syuppanservice.com)までお気軽にどうぞ。

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