第586回 自宅が高く売れても買い替え先も高値。なぜ実現するのか?

★マンション購入で後悔したくない方へ★このブログは、マンション購入に関する疑問や諸問題を解き明かし、マンション業界OBが業界の裏側を知り尽くした目線でハウツ―をご紹介するものです★★特に資産価値を気にする方は是非ご高覧ください☆★・・・・原則として、毎月5と10の日に投稿しています。

 

土地神話が復活かと思った時が2000年以降で2度ありました。2005年から2008年にかけて、そして2013年から2016年にかけてです。

土地神話という言葉は、不動産神話というほうがしっくり来ます。マンションの値動きを決める要因のひとつが地価だから土地神話でもいいのかもしれないのですが、どうもピタリの感じがしません。

ともあれ、マンション市場の動向を常に追いかけていていると様々な現象と遭遇します。2005年からの値上がり局面も地価上昇が主因でした。しかし、今回の値上がりは建築費の上昇が主因だったので土地神話とは直接関係はなさそうにも思います。

しかし、それも2014年くらいまでのことで、2015年以降は地価上昇も重なってマンション価格は随分高くなったようで、地価上昇とかかわりはあるのです。

土地神話という言葉は、「持った土地は手放すな、必ず値上がりするから」という「右肩上がりの法則」を信じたことに由来しています。企業・法人は個人と違って規模の大きな土地を購入し、長年保有し続けました。

本社ビル、倉庫、工場、研究所、社宅、保養所、運動場(グランド)といった形・利用形態をとりながら、保有をしていました。それらは、いざというときの資金源にもなる、経営のバランスシート上も好ましいとされていました。そして多くの企業・団体が銀行から融資を受けてでも不動産を積極的に所有した時代がありました。

土地は買う人(企業)があるから高くなり、高くなるから上がるという循環を生み出しました。言い換えると需要があるから値が付き、需要が増えると値が上昇するのです。企業は、一旦保有すると中々手放さないので、市場に供給される土地は減り、需要オーバーになって価格はますます上がります。

それが短期間に活発化したとき「不動産バブル」が発生するのですが、バブルとは簡単にいうと、実力以上に値段がついてしまうことを指します。「そんな値段で買ったら採算が合わない」と思われる値段になることです。

例えば、土地を買って貸しビルを建てたとして、取れる賃料が金利にもならないとしたら、買う意味がないはずです。分譲マンション業者も、高い土地を買えば販売価格を上げざるを得ませんから、その価格で売れないと見たら採算割れとなるので手を出しませんが、ビジネスチャンスをつかむためには冒険だなと思っても高い土地を仕入れるときがあります。それが地価上昇に拍車をかけてときもあったのです。

どんどん高くなるマンションを見て、これは大変一生マイホームが持てなくなりそうだと買い急ぐ人が急増、それこそどんなマンションでも飛ぶように売れる時代もあったのです。しかし、購買力の限界を超える至り、マンション業者は手を出さなくなるのですが、並行して採算など無関係の地転がしが横行しました。これが土地バブルでした。1980年代後半から90年代初頭にかけて巨大なバブルが発生したのです。

バブルは必ずはじけることを国民は経験しました。しかし、懲りない面々は多く、国民の記憶にある今も、ときどきバブルが生まれるようです。ただ、80年代のバブルの後遺症を知っていることもあってか、巨大バブルになる手前でしぼんでしまうのも事実です。

筆者が二度またバブルが来たかと思ったバブルも世間(マスコミ)は「ミニバブル」と称したのです。

今回のバブル(実力以上の価格)は、局地的です。発生源は、外国人の爆買いと富裕層の相続税対策にあるという見方のようですが、筆者はそれだけではないと思います。駅前再開発で誕生する大型のタワーマンションの価格の突出数字を見てそう感じるのです。

★★本日より、このブログは「マンション購入を考えるⅡ」に引き継ぎます。
続きはこちらをご覧ください。

https://mitui-mansion.blogspot.jp/