第595回  マンション選びの基本:無防備に暮らせる家

このブログでは、居住性や好みの問題、個人的な事情を度外視し、原則として資産性の観点から自論を展開しております。資産価値を重んじる方のための購入のハウツーをお届けするもので、お気に障ることもあろうかと思いますが、満点の家はないと思っていただき、失礼はお許し下さい。

5日おき更新です

 

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自宅に帰るのは毎晩午前様だった頃をときどき思い出します。

 

寝に帰るだけの家でしかなかった。そう言って過言でない筆者のマンション。あの住まいは、家族にとってどうだったのだろう。

 

今はわけあって、違う住まいになったのですが、漏らした家族の言葉から、住んだ期間から、かつて住んだマンションが快適だったことを窺わせます。

 

そう思うわけは簡単です。

 

今の家は環境も治安も良いのですが、なにしろ不便なのです。何故そんな場所に住んでいるのと聞かれますが、仕方なく住んでいるわけで、ときが来ればもっと便利な場所に移転することになるはずです。

 

かつて住んでいた場所との差が大き過ぎて比較のしようもありませんが、家ってなんだろうと考えさせるのに役立っていることは確かです。

 

今日は、東京圏でマンションを探すことの難しさを踏まえながらも、より良いマンションの在り方を考えてみようと思います。

 

●無防備に暮らす

あるご相談者は言いました。 「私は、夏なら窓は開けっぱなしにして寝たいのです。カーテンも閉めないで過ごせる家が好きなんです」と。

 

裸でいるわけではないでしょうが、そんな生活は寛げていいものだとおっしゃいました。マンションなら、セキュリティもしっかりしているし、選ぶ物件によっては実現できるのは確かです。

 

最近10年か20年くらいのマンションを見ていると、玄関にオートロックがかかっている、エレベーターは居住者でないと動かない、駐車場などの共用部には防犯カメラが付き、ドアや窓からの侵入を許さない、こうしたシステムがついているのが当たり前になっています。それはマンション作りの必須条件になっているからです。

 

その結果、居住者は安心して暮らすことができるわけです。

 

安心して暮らせるとは、空き巣や強盗に襲われないような家であることを意味しています。セールスマンが不意に訪ねて来ることもないし、万一来たとしても、玄関前に設けたカメラが居留守という防御手段を選ばせてくれます。

 

安心は居住者を無防備にさせます。

 

●無防備はリラックスにつながる

セキュリティシステムがもたらす無防備な暮らしは「リラックス」につながっていますが、リラックスは、セキュリティシステムだけがもたらすわけではありません。

 

例えば、風通しの良い家。ある中小のデベロッパーはマンション作りの基本コンセプトに「自然の風が抜ける家」を掲げています。その企業の社長さんの著書も読みましたが、まことに立派です。

 

24時間の小風量換気システムはどのマンションにも付くようになっていますが、それがあるにしても、風が通り抜ける実感はないので、窓を開け放っておけるマンションの方がいいのでしょう。

 

しかし、折角、風の通り道を作っても開けられない窓では意味がありません。窓のきわに隣の家の窓があれば「プライバシー」を覗かれる心配があるからです。

 

駅に近くて便利な場所にあるマンションは、隣のビルやマンションがきわまで迫っています。

 

また、よく見かける地下・半地下のマンションも、窓先が空堀(ドライエリア)の壁であれば、その先に人が立って上から覗かれる心配があります。植込みで隠す工夫はしてあっても、見えてしまう住戸は少なくありません。見下ろす感じにはなりませんが、1階住戸でも通行人に覗かれてしまう例は結構あります。

 

人それぞれですが、どこからか覗かれていると思うと真のリラックスは得られないかもしれません。

 

●行燈部屋

タワーマンションでときどき見られる窓無しの個室。古くは行燈をしまっておく部屋のこと で、光の入らない暗い部屋が使われたようです。時代小説では、身分の低い住み込みの働き手が寝る部屋として使われたと記憶しています。

 

これならプライバシーの問題は起こりません。その代わり、採光も通風も期待できないことになります。それが「リラックス」をもたらすかどうか、思案のしどころです。

 

このような部屋を選ばざるを得ないときは、これを前向きに捉えるしかありません。例えば、趣味の部屋や勉強部屋、位置によっては扉(引き戸)を外してキッチンと一体化し、ダイニングルームとして使えばいいのです。

 

●外廊下に面する寝室

タワー以外のマンションの大半が共用廊下に面して寝室がひとつか二つあります (タワーにもないわけではない)。この寝室は、防犯上、鉄格子かアルミのシャッター(可動式ルーバー)はあるものの、ガラス一枚で隔てられているだけです。

 

このため、寝室での会話を外の通行人に聞かれるのではないかと気になる。そんな声をときどき聞きます。サッシの遮音性能が高ければ聞こえないのかもしれないですが、安心できないと言います。

 

廊下から寝室を遠ざけるのは現実問題としてなかなか難しいのですが、ないわけではありません(昔は結構ありました。興味のある方は、「三井健太の名作間取り選」を覗いてみてください https://mituimadori.blogspot.jp/  )

 

さて、そう感じる人はリラックスできない住まいということになりますね。どうすればいいでしょうか?バルコニー側の部屋を自室とするか、遮音性能(T-2とかT-3といったもの)を聞いてから購入するとか、広さがあれば部屋の内側に小部屋を作るといった対策を講じることでしょうか?

 

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住戸選び(間取り、階、向き、その他)のお役に立つといいのですが。

 

 

・・・・・今日はここまでです。ご購読ありがとうございました。ご質問・ご相談は「無料相談」のできる三井健太のマンション相談室(http://www.syuppanservice.com)までお気軽にどうぞ。

 

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