第659回 営業マンの説明困難なテーマに挑む

このブログは居住性や好みの問題、個人的な事情を度外視し、原則として資産性の観点から「マンションの資産価値論を展開しております。

5日おき(5、10、15・・・)の更新です。

 

「賃貸もリセールも問題ない物件です」と営業マンは言うのですが、第三者の目ではどんなものでしょうか?こんなお便りが頻繁に届きます。

 

ご相談者は、大抵、何年か先に転勤の可能性がある、実家の一戸建てに移住するといった事情を想定しており、そのときに賃貸するか売却することになるが、果たしてどのくらいで貸せるのか、また売却するとしたらいくらになるか。このことに重大な関心持っているのです。

 

その点を担当者に尋ねると「この物件は大丈夫です。賃貸も売却も問題ありません」という答えが返って来たと思われます。しかし、「ダイジョブ」では安心できない。そこで、客観的な答え(意見)を聞きたいというわけです。

 

営業マンによっては、ズバリ「5年後でしたら、殆ど変わりません」や「10年先で10%ダウンくらい」などとリセールバリューを示す人もあるそうです。

 

賃貸に関しては「今でしたら〇〇万円で貸せますよ」などと自信たっぷり語るのだそうです。

しかし、「納得感がない。どうして断言できるののか」という疑念が残り、やはり単なる営業トークなのではないか?」 このような思いに至って筆者を頼って来られるのです。

 

営業マンとは、詭弁を弄したり、オーバートーク(大げさ表現)をしたりするものですが、その結果、買い手の意思が固まり良い買い物をすることができるなら、営業マンの行為は善意として褒められてもいいのかもしれません。買い手も担当者に感謝するに違いありません。

 

しかし、リセールバリューに関しては、曖昧模糊とした答えしか出て来ないので、納得感に浸ることはなく、モヤモヤした気持ちのままで時間を費やすことになります。営業マンは、習慣的にクレームを恐れる態度を採ります。根拠のない説明はしないのです。長い間、クレーム産業であり続けて来た不動産業界の防御姿勢なのかもしれません。

 

理屈を言えば、将来のことは分からないのですから、例えば10年後にいくらで売れますかと聞かれて答える営業マンは皆無でしょう。単なる予言では納得できないでしょうし、子供だましの薄弱な根拠や理由では不信感だけが残ってしまうことでしょう。とはいえ、営業マンの曖昧さを責めることもできない難しいテーマであることも事実です。

 

ある購入者はこう依頼して来ました。

担当者は「この街は今後も廃れず残って行くのは間違いないと思いますが、いくらで売れるかはお答えしにくい問題です。勉強不足でお答えができません」と潔かったので、好感を持ちました。それで結局契約したのですが、どうも、のどにトゲが刺さったままの状態にあります。そこで、三井健太さんに明快な答えをお聞きしたいのです。厳しい予測でも結構です。どうかよろしくお願いいたします。

 

筆者の提供する「将来価格の予測レポート」は、営業マンの代わりを務めているようなものかもしれません。答えにくい問題を、筆者の経験と研究、及び過去と現在の売買取引のデータなどを重ね合わせて答えを導きます。当然ながら、売却のタイミングによって答えも変わって来ます。

 

占い師、予言者といった冠が付く人物がこの世には多数います。中にはよく当たるという評判の人(神か?)もあると聞きます。マンションの価格を、こうした神のお告げとして聞きたいわけではないはずです。

 

筆者の予測レポートも、その種の胡散臭い怪しげなものとは違います。

マンションの黎明期から今日の成熟期までの歴史と、時々の背景、すなわち経済変動と人口の流動(東京一極集中)、都市の発展と衰退、産業構造の変化、住宅に関する国策による影響、土地の供給と需要の関係、伴う地価の変動、建築費の変動、災害と気候変動、鉄道と街づくりの関係、マンション価格の推移、変動の因果関係と背景(地価・建築費・金利など)、まだまだありますが、これらの要素を念頭に置きながら答えをも導くのです。

 

世間の知識人は、新築マンションはもういらない、買い手がいないから値は下がる一方だ、東京オリンピックが終われば不景気になる、地価も下がる、今は買わない方がいいなどと無責任な発言をしています。

彼らは警告のつもりかもしれないが、怖いことを言います。

 

筆者の将来予測では、経済成長は今後も続く、ポスト五輪も好調が続く、少なくとも大きな落ち込みはないのです。しかし、だからマンションの将来価格も営業マンのように「大丈夫」にはなりません。地域格差があり、物件格差も大きいのです。誰が見ても価値ある物件ですら、将来価格の予測ではマイナス評価になる例もあります。

反対に、古くて平均的な中古マンションが意外な高得点になることもあります

 

筆者の予測が外れるとしたら、慎重すぎるための上方修正です。下方に外れることはないという自信もあります。とはいえ、将来予測に「絶対」はあり得ません。

 

ボーダーレス社会という言葉が登場してから長い時間が経過しました。国境の垣根も低くなりました。トランプさんが何かつぶやいただけで株価や為替が変動する時代です。地球の裏側で起こった事件や災害が、関係なさそうな日本にも影響を及ぼすのです。50数年前に南米のチリで発生した地震が津波を日本にもたらしたように。

 

昭和48年(1973年)、オイルショックと言われる事件が起こりました。OPECが原油の生産を削減する、大幅な値上げすると発表したら、海外に全てを依存する日本ではトイレットペーパーがなくなるという噂が独り歩きし、国民の多くが買い溜めに走ったため、商店の棚からトイレットペーパーが姿を消すなどとという事態になりました。

翌49年は、狂乱物価という造語が飛び出すほどのインフレが起きました。建築資材も上がって東京のマンション価格も1年で25%も急上昇しました。何もかも値上がりした時代があったのです。

 

戦後、日本経済は長くインフレ時代が続きました。バブル経済の崩壊後は反対のデフレとなって、今は物価安定時代と言えそうです。マンション価格も長い間に地価の上昇と建築費の上昇に伴い随分高くなりました。急激な上昇は、オイルショック直後の昭和47年頃とバブル期に発生しましたが、バブル後は下落し、安定期を経て2005年頃から2008年頃は再び急上昇となりました。

その後は、リーマンショック(2008年秋)を契機に起こった世界経済の後退が重なって、2009年には価格が下落しました。ただ、急落はせず、首都圏平均で5%マイナスに留まったのです。それから3年ほどは安定期でしたが、2013年から上がり続け、2018年にはとうとう2012年比で35%も高くなったのです。

 

この目で見たこと、調べて分かったこと、見えない昨日今日の動き、業界の動静、業界の特性(マンション事業の特殊性)など、筆者が持つ知識と経験をフル活用して導いた答えが当たるかどうか、それは神のみぞ知ることですが、その予測数値は依頼者にとって納得感と購入に当たっての一定の覚悟・腹積もりをもたらしているに違いないと信じます。

 

レポートを読んで落胆して購入を止めてしまった人、反対に意を強くして購入を決めた人、買ったあとに依頼したレポートに腹立たしいと思った人、一度は落胆したものの、その前提に立って生活設計をすればいいと気持ちを切り替えた人、5年ほど前のレポート依頼者には、筆者の予測以上の値上がりの現況を見てほくそ笑んでいるかもしれないなど、様々なサービス利用者に影響を与えているに違いありません。

 

これまで何百本と書いて来た将来価格の予測レポートですが、いつ地球の裏側で不測の事件や経済変動が起こるか、あるいは国内外で天災地変が発生するか、そんな心配をしながら、だからこそ誰かが指針となるような発言をしなければならないはずです。筆者は、その使命を自分に課しています。

 

レポートをお読みになって、「ちょっぴり嬉しい」とか「覚悟を決めて生活設計を見直します」とか、はたまた「購入を見送ることにしました」など感想をいただきます。これらから、検討の際のよりどころになっているのは間違いないと思います。

言い忘れましたが、将来価格の予測は、物件によって差があること、同じマンションでも選択住戸によって結果が異なること、優良マンションでも高過ぎる価格で買うと、思いのほか失望する数値が出ます。

いずれにしても、先ず物件の細部に亘る「評価レポート」の作成が不可欠になります。つまり、「将来価格の予測サービス」は「マンション評価レポートのサービス」とのセットになっています。

 

営業マンが言及できない世界、曖昧な答えしか出せない「将来価格の予測」に筆者は挑戦して来ました。ご購入者の羅針盤になれば、筆者にとって無上の喜びです。

 

・・・・・今日はここまでです。ご購読ありがとうございました。ご質問・ご相談は「無料相談」のできる三井健太のマンション相談室までお気軽にどうぞ。(http://www.syuppanservice.com

 

 

 

 

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